清原達郎は、サラリーマンの身でありながら2004年の長者番付1位になった伝説の投資家です。
現在はタワー投資顧問で投資助言や運用を行なう「運用部長(ファンドマネージャー)」を務めています。
目次
2004年度の納税額は「約37億円」
会社に勤務して給料を貰うサラリーマンながら、2004年度の納税額は「約37億円」。
ユニクロ社長の柳井正を抜いて1位の座に立ち、大きな話題を集めました。
清原達郎は顧客資産の運用に成功し「多額の成功報酬」を貰っていました。
当時の推定年収は100億円とも言われています。
清原達郎はITバブル期に新規上場した小型株の中から成長が見込める銘柄に投資。
2003年12月から買い集めていたデジタルアーツ(2326)は、1年間で3倍の株価高騰、3年間で7倍にもなりました。
■タワー投資顧問が2002年~2004年頃に大量保有をしていた銘柄
・プロトコーポレーション(4298) ⇒2年間で約2倍
・ナガホリ(8139) ⇒2年間で2倍
・永大化工(7877) ⇒2年間で2倍
清原達郎は有望な小型成長株への投資で顧客資産を増やすことに成功。
その成功報酬得て長者番付1位の座に君臨することになりました。
今回はそんな清原達郎の経歴や保有銘柄、投資手法について解説していきます。
清原達郎の経歴
清原達郎は1959年生まれ、島根県出身。
東京大学を卒業後、野村證券に入社しています。
その後、スタンフォード大学でMBAを取得。
世界的に通用する金融業界の資格である「CFA(米国証券アナリスト)」を保有。
CFA持っている日本人は1300人程度しかいないため稀少性が高い資格です。
清原達郎は野村証券ニューヨークの勤務を1993年に退社。
ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー証券、スパークス投資顧問など、複数の証券会社や投資顧問会社を渡り歩きます。
清原達郎が転職を繰り返した1990年代は、バブルが弾け金融機関の破綻が相次いだ時期。
1997年のアジア通貨危機をきっかけに急速に落ち込んだ景気の中で、日本で第4位の規模を誇っていた山一證券が破綻する等々…。
金融業界にとって激動の時代と言っても過言ではありませんでした。
そんな時代背景のもと清原達郎は1998年にタワー投資顧問の運用部長に転職。
2022年現在も投資運用部長(ファンドマネージャー)を務めています。
2004年の長者番付で1位に君臨するほどの成功報酬を得た清原達郎。
ですが、タワー投資顧問での運用は徐々に上手くいかなくなっていきます。
ピーク時に3,000億円あった運用資産は、2009年約300億円まで減少。
ライブドアショックとリーマンショックで大株主になっていた企業がいくつも倒産。
小型株を中心に投資していたタワー投資顧問は、基準価額はピークから72%も下落。
清原達郎は変化の激しい市場の中で対応しきれなかったのでしょう。
リーマンショック当時は、一般投資家からも「大損した」という声が相次ぎ阿鼻叫喚の嵐でした。
株価の変動が激しくなった中で、顧客は競合他社に資産を預けるようになります。
AIJ投資顧問のような「毎月安定した利益を出します」という触れ込みの業者が人気を博しました。
ところが、AIJ投資顧問は2012年に「運用資金の大半を消失させる」という事件を引き起こします。
AIJ投資顧問のスキャンダルによって投資顧問業界自体に暗雲が立ち込めることに。
業界自体の評判悪化に伴い、清原達郎が率いるタワー投資顧問は更に苦境に立たされるようになりました。
しかし、タワー投資顧問は不況の煽りから何とか体制を持ち直すことに成功。
ファンドの基準価額は2009年の底値から、2018年には11倍強まで回復しています。
2021年時点の清原達郎が率いるタワー投資顧問の運用資産は1,330億円。
タワー投資顧問が運用資産を増やすきっかけとなったのは、小型株中心の投資でした。
タワー投資顧問の保有銘柄から紐解く清原達郎の投資手法
清原達郎(タワー投資顧問)の投資手法は「割安小型株」への集中投資です。
タワー投資顧問が投資先に選んでいる銘柄の共通点をまとめました。
■タワー投資顧問の投資先銘柄の共通点
・時価総額1000億円以下
・PER15倍以下
・PBR1倍以下
・業績が好調
タワー投資顧問はいわゆるバリュー株投資を小型株に絞って行なっています。
バリュー株投資は世界一の投資家「ウォーレンバフェット」が行なっている投資手法。
現在の株価が割安になっている銘柄への投資で利益を狙うやり方です。
タワー投資顧問は「割安であるかどうか・成長余地はあるかどうか」に重きを置いた銘柄選定をしていると推測できます。
タワー投資顧問の最新の投資先を見てみても、時価総額とPER・PBRを意識した銘柄を選んでいるようです。
2021年時点で保有している銘柄は「機械や情報通信」の銘柄が多い。
割安で放置されている銘柄がある「機械業種」、今後の成長余地が高い「情報通信業種」の小型株を選んでいるからでしょう。
タワー投資顧問が選ぶ小型株は株価が安めになっているものがあり、個人投資家にとっても売買しやすいです。
以前はタワー投資顧問が選ぶ銘柄に投資をする「コバンザメ手法」も有効でした。
引用元:@弐億貯男 -Twitter
現在はタワー投資顧問の運用成績が悪化したこともあって、運用額がピークに達した2004年~2007年よりは注目度は落ちています。
しかし、小型株の中に巨額の資金を投入するタワー投資顧問は無視できない存在です。
時価総額が低くて出来高も少ない小型株は、機関投資家が売買するだけで大きな株価変動が起こりますからね。
タワー投資顧問が大株主に入っているかどうかは、EDINETの大量保有報告書や、「株主プロ」を見れば確認できます。
自分が投資をしている銘柄にタワー投資顧問が入っているかどうかはチェックしておくとよいでしょう。
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⇒株で10億稼いだ元証券マンが教える銘柄選定術とは?
タワー投資顧問とは?中小型株への投資が特徴のファンド
タワー投資顧問は、清原達郎が所属している独立系投資顧問会社です。
中小型株への集中投資を行ない、ピーク時の運用資産は3000億円を超えていました。
伸びる企業を見抜く力が鋭く、兜町では「タワー投資顧問(清原達郎)が買えば株価が上がる」と囁かれたほど。
ところが「ホリエモン・ショック」「リーマン・ショック」の影響を受けて次第に運用が厳しいものに。
ピーク時3000億円以上あった運用資産は1330億円に激減。
以前ほどの注目を集めることは無くなりましたが、タワー投資顧問は現在も小型株を中心に投資を行なっています。
タワー投資顧問の大量保有銘柄
タワー投資顧問の主な投資先は時価総額1,000億円未満の「小型株」です。
2022年1月24日現在、大量保有をしている銘柄は以下の通り。
保有割合 | コード | 銘柄名 | 市場 | 時価総額(億円) | PER | PBR | 業種 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
45.04% | 4813 | ACCESS | 東証1部 | 236 | - | 0.9 | 情報・通信 |
24.99% | 3999 | ナレッジスイート | マザーズ | 38.9 | - | 4.3 | 情報・通信 |
24.33% | 6994 | 指月電機製作所 | 東証2部 | 178 | 27.3 | 0.73 | 電気機器 |
21.40% | 2138 | クルーズ | JASDAQ | 111 | - | 1.02 | 情報・通信 |
11.41% | 2892 | 日本食品化工 | 東証2部 | 109 | 9.3 | 0.4 | 食料品 |
10.71% | 6492 | 岡野バルブ製造 | 東証2部 | 39 | 15.7 | 0.41 | 機械 |
8.52% | 7841 | 遠藤製作所 | JASDAQ | 66.5 | 4.9 | 0.39 | その他製品 |
7.62% | 6135 | 牧野フライス製作所 | 東証1部 | 982 | 12.2 | 0.58 | 機械 |
7.02% | 6293 | 日精樹脂工業 | 東証1部 | 236 | 8.4 | 0.58 | 機械 |
6.69% | 6210 | 東洋機械金属 | 東証1部 | 105 | 12.2 | 0.56 | 機械 |
6.50% | 6390 | 加藤製作所 | 東証1部 | 96.8 | - | 0.19 | 機械 |
5.37% | 9422 | コネクシオ | 東証1部 | 627 | 9.5 | 1.2 | 情報・通信 |
5.36% | 7856 | 萩原工業 | 東証1部 | 182 | 10.1 | 0.7 | 繊維 |
4.39% | 6249 | ゲームカード・ジョイコ HD | JASDAQ | 144 | - | 0.3 | 機械 |
4.23% | 4966 | 上村工業 | 東証2部 | 1162 | 12.1 | 1.4 | 化学 |
2.06% | 8699 | HS HD | JASDAQ | 492 | - | 0.8 | 証券・商品 |
大量保有をしている銘柄を見ると、「低PER・低PBRな割安株」が多い印象。
タワー投資顧問は現時点で割安になっている小型株に投資しています。
“小型株だから業績の伸びを期待してグロース株を買う”という買い方ではないようです。
ちなみにバリュー株、グロース株どちらが良い・悪いということはありません。
バリュー株にはバリュー株の、グロース株にはグロース株のメリット・デメリットが存在します。
割安な株に投資を行うバリュー株投資と異なり、グロース株投資は成長性の高い企業への投資を行います。
グロース株は市場からの注目度も高く、数ヶ月~時には数週間で大化けすることも少なくありません。
過去のテンバガー銘柄の多くが、グロース株であることも判っています。
しかしグロース株は注目度が高いため、値動きが大きく・速くなりがち。
時にはテクニカル指標全般が機能しなくなるほど、個別市場の過熱感が増してしまうことも。
小手先だけのテクニックでは対応しきれない局面も自然と多くなるのではないでしょうか。
ですが最近では、銘柄選びから売買タイミングまで教えてくれる投資情報サービスが話題を集めています。
当サイトで特に評判になっているのが、実践的な投資ノウハウを教えているJ.P.モルガン出身の『凄腕投資アドバイザーの公式LINE』。
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親身になって対応してもらいました。株初心者の自分でも少しづつ勝てるようになり、150万円だった資金を2190万円まで増やせています。
投資家として真に自立を目指すなら、こういった投資情報サービスを使ってみるのも一つの戦略と言えます。
2021年にタワー投資顧問が買い増した銘柄
タワー投資顧問が2021年に買い増ししたのは「加藤製作所(6390)」です。
加藤製作所は国内建設用クレーンの最大手級。
業績は伸び悩んでおり、2021年12月には人件費削減で希望退職者の募集も行なっています。
買い増ししたということは今後株価の回復に兆しがあるということかと思われます。
が、加藤製作所の財務状態を見る限り、いまから手を出すのはリスクが高そうです。
2021年タワー投資顧問が手放した銘柄
タワー投資顧問が2021年に手放したのは以下3銘柄。
・遠藤製作所(7841)
・上村工業(4966)
・澤田ホールディングス(8699)」
業績好調で株価が上昇したタイミングで売り抜けています。
2021年タワー投資顧問が保有目的を変更した銘柄
・ACCESS(4813)
・ナレッジスイート(3999)
・指月電機製作所(6994)
・クルーズ(2138)
・日本食品化工(2892)
・岡野バルブ製造(6492)
・牧野フライス製作所(6135)
・日精樹脂工業(6293)
・東洋機械金属(6210)
・コネクシオ(9422)
・萩原工業(7856)
・ゲームカード・ジョイコ HD(6249)
これらの銘柄は保有目的を「投資一任契約による純投資」から「投資一任契約による純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」に変更。
今後、タワー投資顧問は投資先企業に対して株価上昇の提案をすることが予想されます。
企業経営者に対して「増配や自社株買い」など株主還元の要求や、株主総会で議決権を行使して株価を積極的に行なうファンドをアクティビストファンドと呼びます。
これまで投資をするだけだったタワー投資顧問は「アクティビストファンド」に変わったのかもしれません。
タワー投資顧問が保有目的を変更した銘柄群は株価上昇の期待もかかるでしょう。
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⇒株で10億稼いだ元証券マンが教える銘柄選定術とは?
タワー投資顧問の口コミ 売買タイミングに物議
清原達郎が率いるタワー投資顧問の口コミは意外にも賛否両論。
というのも「銘柄を煽っているのでは?」という懐疑的な声も多く囁かれているからです。
煽り疑惑が話題になったのはACCESS(4813)の売買タイミングでした。
2015年の4月6日に発売された週刊現代にて、清原達郎はACCESSに対し、以下のように述べています。
『ACCESSという会社もおもしろい。いま米アマゾンなどが先行しているクラウドにおいて、この会社は世界中で1~2社しかできない技術を持っている。ほとんどの人は気付いていませんが、クラウドで一番先端をいっている会社です。大化けするでしょうね。』
ACCESSは大化けするのではと述べつつ、タワー投資顧問は4月8日と4月9日にACCESSの株式を売り抜けています。
“タワー投資顧問がメディアに注目銘柄を発表した直後に売り抜けた”評判は株クラ界隈に知れ渡ります。
ユーザーからは「タイミング的にどうなの?」という声が相次いで寄せられるように。
引用元:@21ヘルツ -Twitter
引用元:@株長者 -Twitter
またタワー投資顧問では、ACCESS以外にも売買タイミングが物議を醸した事例が。
タワー投資顧問は2005年のアパマンショップ(8889)売り抜けからの買戻しています。
2005年3月2日にアパマンショップの70%を売却し、3月3日株価が落ちた際に買戻しを行なっています。
当時、アパマンショップは業績の急伸を発表していましたから、更なる上昇益を狙っていたのかもしれません。
しかし、小型株は大口の注文が入ると一気に株価が乱高下します。
タワー投資顧問は、その特性を利用していたのでしょう。
株価変動に釣られて高値で購入してしまったり、慌てて売りに出した人が出ていたりと市場で混乱を巻き起こしました。
大量の売りを出すことで株価を下げた後に買戻しを行なうことで、市場を乱したと捉えられても仕方ないかもしれません。
「タワー投資顧問の売買は恐ろしい」とよく言われている理由の最たる例でしょう。
個人投資家が参入することが多い小型株でAPAMANのような売買をされたら「恐ろしい」と感じるのも無理ありません。
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タワー投資顧問の評判
タワー投資顧問の保有銘柄に対し「何らかの材料が出ること」を期待している人の評判が見られます。
引用元:@かりん -Twitter
タワー投資顧問は売買タイミングに関しては批判も出ていますが、保有銘柄は株価上昇することも多く、気になる投資家は多い様子。
「タワー投資顧問が参入する銘柄」という一つの材料として捉えている人もいるのでしょう。
またタワー投資顧問に「アクティビストファンド」としての動きを期待している投資家もいます。
引用元:@Carwd Capital No.10 Family Office -Twitter
良くも悪くも話題を集めるタワー投資顧問、投資家にとって気になる存在であることは変わりないようです。
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タワー投資顧問の会社概要
商号:タワー投資顧問
設立年:1990年2月
住所:〒105-0012 東京都港区芝大門 1 丁目 2 番 18 号 野依ビル 2 階
代表取締役社長:藤原伸哉
運用部長:清原達郎
■沿革
1990 年 2 月 フォーエス投資顧問株式会社設立
6 月 投資顧問業の登録
1992 年 3 月 投資一任業務の認可取得
1998 年 1 月 タワー投資顧問株式会社に商号変更
7 月 日本株 ロング・ショート ファンドの運用開始
2007 年 9 月 金融商品取引法施行に伴い金融商品取引業者登録(投資運用業、投資
助言・代理業)
2013 年 11 月 第一種金融商品取引業変更(追加)登録
タワー証券株式会社の第一種金融商品取引業の事業を譲受
第一種金融商品取引業務開始
2016 年 9 月 ケイマン諸島のファンド管理会社 タワー・アセット・マネジメント・リミテッドの全株式を取得
以上、タワー投資顧問の「業務及び財産の状況に関する説明書」より引用
タワー投資顧問は企業ホームページが用意されていません。
以前、清原達郎が長者番付1位になった際に、問い合わせが急増して対応しきれなくなったため閉鎖したようです。
またタワー投資顧問は個人投資家からの投資は受け付けていません。
運用しているのは主に企業年金で、機関投資家からの依頼が多いようです。
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『清原達郎(タワー投資顧問)』の口コミ
口コミ一覧
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