オルカンでもS&P500でもない。
今、「アメリカの星」というファンドが密かに注目を集めています。
実際、過去3年のリターンでは、名だたるインデックスファンドを上回る成績を記録。
とはいえ、「本当に安心して投資できるのか?」「リスクや手数料は?」と不安な声も少なくありません。
この記事では、実際の評判や実績をもとに、アメリカの星のメリット・デメリットを徹底解説。
さらに、オルカンやS&P500と何がどう違うのかを具体的に比較していきます。
「投資信託選びで失敗したくない!」そんなときに活用してください。
アメリカの星とは?
アメリカの星は、正式名称を「JPモルガン・アメリカ成長株ファンド」と呼ぶ投資信託。
米国のメガバンク「JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー」の資産運用部門が運用しています。
概要・特徴
アメリカの星は、米国のスター企業といえる銘柄を成長企業を中心に投資するファンドになります。
JPモルガンの資産運用部門が米国市場を牽引するスター企業を選定し、それらを中心にポートフォリオを組み、良好なパフォーマンスを得ることを目指すのが特徴です。
2005年7月末~2024年末の米ドルベースのパフォーマンスは、+1,137%であり、純資産総額は21.9兆円です。
成長株戦略を採用する米国籍ファンドとしては、2023年に資金純流入額NO.1の実績もあります。
そんなアメリカの星は、為替ヘッジの有無と決算頻度により、4つのコースから選択可能。
- JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(為替ヘッジあり、年1回決算型)
- JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(為替ヘッジあり、毎月決算型)予想分配金提示型
- JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(為替ヘッジなし、年1回決算型)
- JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(為替ヘッジなし、毎月決算型)予想分配金提示型
運用コストはすべて下記のとおりです。
- 購入時手数料 上限3.3%
- 運用管理費用 (信託報酬) 年率1.62%
ポートフォリオ
アメリカの星のポートフォリオは下記のように構成されています。
組入銘柄の上位を確認すると、「マイクロソフト」や「エヌビディア」、「Amazon」、「メタ・プラットフォームズ」など米国の名だたる企業が揃っています。
上位10社は8割型ハイテク系の銘柄ですね。
業種別構成を確認しても、「情報技術」・「一般消費財・サービス」・「コミュニケーション・サービス」とハイテク銘柄が多いセクターで71.6%を占めています。
そのため、AIや半導体など分野の先行きが明るいと、パフォーマンスが上昇する投資信託だと言えそうです。
販売する主な証券会社とおすすめの証券会社
アメリカの星は下記で販売されています。
- SMBC日興証券
- 大和証券
- 関西みらい銀行
- 埼玉りそな銀行
- 三井住友銀行
- みなと銀行
- りそな銀行
SMBC日興証券と大和証券以外は銀行ですので、証券会社から購入したいならこの2つしかありません。
SMBC日興証券は、三井フィナンシャルグループ傘下ですので銀行との連携が強みになります。
三井住友銀行と口座連携できるなど、三井住友銀行の口座がある方に利用しやすいです。
大和証券は対面サービスに強いのが特徴。
店舗を活用した、個人投資家向けの対面サービスに力を入れている印象です。
アメリカの星の評判
アメリカの星は口コミが非常に少ないです。
運用中の方があまりいないのか数はそれほどありませんでした。
そのため、あまり当てにならないかもしれませんが、一応見つかったものを掲載しておきます。
良い口コミ
アメリカの星を評価している方は、そのコンセプトに注目しているようでした。
「米国の成長株に特化している点がよい。長期で高いパフォーマンスが期待できる」というように評価している声がありました。
幅広く大型株に投資するS&P500よりも、特化型のアメリカの星のほうが高いリターンが得られそうだと評価をする人が一定数います。
このあたりの考えは、最近SNSなどで見かけるようになった「FANG+最強論」に似ていますね。
FANG+は米国のスター企業10社を集めた投資信託ですが、過去10年間で約18倍になるという驚異的なパフォーマンスを記録。
よって、「一生これに投資すればいい」という主張をする人もいましたが、2025年はトランプ大統領の政策の影響で株式市場が混乱。
とくに成長株主体のFANG+の被害は大きく、悲惨な結果になっています。
悪い口コミ
悪い口コミをまとめると、「米国の投資信託ならインデックスファンドでよい」です。
「アメリカの星は成長株に偏り過ぎており、AIや半導体というテーマにパフォーマンスが左右されすぎる」「今はブームだからいいが長期投資には向かない」という意見がありました。
また、手数料が高いと指摘する声も多かったです。
そのため、米国株に投資するなら、S&P500やNYダウ、ナスダック100の連動型インデックスファンドで十分と結論付けている人がいました。
アメリカの星(為替ヘッジあり/なし)のパフォーマンス比較
アメリカの星のパフォーマンスは他と比べてどうなのか気になります。
そこで下記の3つの人気ファンドと比較してみました。
- emaxis slim 米国株式(s&p500)
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信
S&P500との比較
アメリカの星 | S&P500 | |
---|---|---|
過去3年間のリターン | ヘッジあり:+12.4% ヘッジなし:+61.12% | +47.08% |
購入時手数料 | 上限3.3% | なし |
運用管理費用(信託報酬) | 年率1.62% | 年率0.0814% |
emaxis slim のS&P500と比較した場合、アメリカの星のほうがリターンでは上回っています。
これはアメリカの星が、「GAFAM(ガーファム)」を中心とした成長株に特化したファンドだからです。
ChatGPT誕生の2022年以降のAIブームによって、GAFAM中心の相場となり、エヌビディアやAppleのようなハイパーグロースと呼ばれる米国の成長株が相場を引っ張ってきました。
アメリカの星のポートフォリオは、そうしたハイパーグロースのウェイトがS&P500よりも大きいです。
よって、S&P500よりもここ数年ではパフォーマンスが良くなっています。
それに対して、S&P500は米国の大型株にバランスよく投資します。
今後もAIブームが継続し、GAFAMの成長が続くのであれば、アメリカの星のパフォーマンスがS&P500よりも上回る期待はあります。
ただし、そうでない場合は大きく成績が低下してしまうでしょう。
運用コストが年1.6%とS&P500の年0.0814%よりも高いため、長期でパフォーマンス悪化の原因になるのもデメリットです。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)との比較
アメリカの星 | オールカントリー | |
---|---|---|
過去3年間のリターン | ヘッジあり:+12.4% ヘッジなし:+61.12% | +41.98% |
購入時手数料 | 上限3.3% | なし |
運用管理費用(信託報酬) | 年率1.62% | 年率0.05775% |
アメリカの星はオールカントリーより成績がよいです。
これも理由はS&P500のときと同じ。
オールカントリーも内訳は6割が米国であり、米国部分に関しては実質S&P500と同じようなものです。
オールカントリーの場合、米国が一強のときはその他の国が足枷になってしまう面があります。
そのため、これからも米国が強く、AIブームが継続するならアメリカの星のほうが有利です。
ただし、2025年4月時点の相場のように、アメリカ以外の国に資金が流れている状況だと、オールカントリーのほうがパフォーマンスが良くなります。
運用コストの面でも、年0.05775%であるため、オールカントリーのほうがずっと有利です。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信との比較
アメリカの星 | アライアンス・バーンスタイン | |
---|---|---|
過去3年間のリターン | ヘッジあり:+12.4% ヘッジなし:+61.12% | ヘッジあり:+1.25%ヘッジなし:+33.18% |
購入時手数料 | 上限3.3% | 上限3.3% |
運用管理費用(信託報酬) | 年率1.62% | 年率1.72% |
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、米国を代表する企業の中でも成長力に重点をおいて投資先を選定するため、アメリカの星と似た投資信託です。
こちらの投資信託は、4つの種類がありますが今回は下記の2つで比較しています。
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Aコース(為替ヘッジあり)
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)
ヘッジあり・なしともに、アメリカの星のほうが圧倒的にリターンが高いです。
リターンの差を生んでいる原因のひとつは、セクター配分の差でしょうか。
組入上位銘柄にはそこまで差を感じませんが、ハイテク系のセクター配分はアメリカの星が71.6%なのに対し、米国成長株投信は62.5%です。
他にも上位以外の銘柄や運用の仕方の問題など、さまざまな要因によって、パフォーマンスに開きが出ているのだと思います。
なお、運用コストに関しては、アメリカの星1.62%、米国成長株投信1.72%ですので、どちらもあまり差がありません。
アメリカの星のメリット・デメリット
アメリカの星のメリットとデメリットを知っておけば、自分に合ったファンドなのか判断しやすくなります。
ここで、良いところと悪いところを把握しておいてください。
3つのメリット
アメリカの星のメリットは下記の3つです。
- 米国の成長株に特化して投資できる
- S&P500を上回った実積
- 毎月分配金が受け取れる
アメリカの星は米国の成長株に特化して投資。
GAFAMやS&P500の上位にいる成長株メインでの投資をこの1本で行えます。
過去3年のリターンは61.12%。S&P500のインデックスファンドは約47%ですので、この期間においてはアメリカの星のほうが優れています。
毎月分配金型の商品も選択可能。
「予想分配金提示型」によって運用状況により、分配金が出ます。
2025年3月時点の年間分配金累計は3,400円、設定来分配金累計は7,300円です。
3つのデメリット
アメリカの星のデメリットは下記の3つです。
- 運用コストが高い
- 成長株に偏っている
- 分配金の分だけ基準価値が減る
信託報酬(1.62%)や購入時手数料(最大3.3%)が発生。
低コストのインデックスファンドと比較すると運用コストが不利です。
成長株特化なためリスクは高め。
いわゆる高PERの銘柄に投資していくため、下落幅が大きい可能性があります。
また、セクター配分もハイテク系に偏っているため、バランスがよいとは言えません。
毎月分配金型を選択するとその分だけ基準価額が減ります。
分配金はファンドの純資産から支払われるためです。
例えば、基準価額が10,000円で1口当たり100円の分配金が出れば、支払い後は9,900円に下がるイメージです。
アメリカの星は購入するべき?
米国のスター企業へ集中的に投資したい方や、それらの成長が今後も続くと信じられるなら購入してもよいかと思います。
アメリカの星は米国市場を牽引する企業を中心に投資するため、そのパフォーマンスは、エヌビディアやApple、Amazonのようなスター企業の動向次第です。
それらの企業が崩れるとパフォーマンスが大きく悪化するため、もう少しリスクを抑えたい人は、S&P500やオールカントリーなどのインデックスファンドがよいでしょう。
『アメリカの星』の口コミ
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