※2023年9月29日にサービス終了していました
アルパカロボ(Alpaca ROBO)は、AIが個別株の売買シグナルを配信するロボアドバイザーサービスです。
個別銘柄ごとに買い時や売り時のシグナルを発信するほか、おすすめ銘柄を毎日20種類紹介。2014年から2020年のバックテストでは、年間10%のリターン(対TOPIX比)を達成しています。
2021年8月にサービスが開始してから半年が経過しようとしているアルパカロボですが、利用ユーザーは実際に稼げているのか?
アルパカロボを利用している投資家の評判から、投資実績やメリット・デメリットを見ていきます。
目次
アルパカロボ(AlpacaROBO)の評判・口コミを検証
アルパカロボはサービス開始から半年しか経っていないこともあり、アルパカロボを利用している投資家の数は少なめ。
一部の利用ユーザーたちは、様子見しながらアルパカロボを使用しているようです。
どうやら、現状はアルパカロボの性能がどの程度なのかを測ろうとしている段階のようですね。本格的にアルパカロボを利用するのではなく、今後への期待感も込めて使っているユーザーも見られます。
アルパカロボは過去10年間分の株式市場のデータを用いたバックテストを行なっていますが、本番の相場環境での稼働は1年も経っていません。
アルパカロボに関してはまだ様子見している投資家が多いのかもしれませんね。
ただアルパカロボも徐々に本番環境のデータが集まってきています。アルパカロボのこれまでの投資パフォーマンスを見ていきましょう。
アルパカロボ(AlpacaROBO)の実績
アルパカロボ公式サイトで月ごとの投資パフォーマンスが公開されています。
2021年8月〜10月にかけてアルパカロボが出したおすすめ銘柄の平均投資パフォーマンスは「+0.16%」となっています。過去のバックテストでは平均年間収益率15.6%と比較すると、だいぶ下がっています。
8月リターン(銘柄数) | 9月リターン(銘柄数) | 10月リターン(銘柄数) | |
---|---|---|---|
おすすめ全て | 8.1% (210) | -1.28% (200) | -6.34% (210) |
大型株全て | 16.9% (78) | -2.61% (72) | -2.68% (78) |
中型株全て | 10.8% (75) | 1.17% (71) | -10.08% (63) |
小型株全て | -7.6% (57) | 0.08% (57) | -7.07% (69) |
TOPIX | 5.06% | -3.09% | -3.16% |
最も上昇した銘柄 | 47.58%(パソナグループ) | 27.86%(デサント) | 44.7%(アンビスホールディングス) |
最も下落した銘柄 | -45.27%(GA technologies) | -26.48%(明和産業) | -45.1%(出前館) |
最も上昇した銘柄は+47.58%のパソナグループ。最も下落した銘柄は-45.27%のGA technologiesでした。
アルパカロボがひと月で選定するのは約200銘柄。アルパカロボは1日10銘柄を「おすすめ銘柄」として選別しています。(2021年12月からは20銘柄を選定するように機能がアップデートしました)
ひと月に200銘柄近く予測を出していれば、大きな上昇を果たす銘柄も出てきそうな気はしますね。ちなみにアルパカロボは売買シグナルを出す時に理由の説明はありません。どういう理由で強気のシグナル・弱気のシグナルが出ているのかは分からない状態となります。
ユーザーからは「アルパカロボの売買シグナルを出す理由を知りたい」という声も上がっています。
株価上昇率が大きい銘柄を出していた一方で、-45.1%と大幅下落したのがGA technologiesです。
AlpacaJapanの北山氏は『AIではカバーしきれない、9月14日の決算発表による株価下落が大きく影響しました。』とGA technologiesについて説明しています。
実際GA technologiesは21年10月期の決算で赤字転落を発表。決算発表を境に株価が下がっていました。
どうやら、アルパカロボのAIはファンダメンタルはカバーしていないようです。
2021年9月度のワースト銘柄「明和産業」に関しては、高値圏で強気シグナルが出ています。
AlpacaJapanの北山氏は『AIを利用した投資では、ボラティリティが一気に上がった銘柄には投資しないことをおすすめしております。こうしたボラティリティが高くなる銘柄は、決算発表など直近の情報に影響されております。』と述べており、やはりアルパカロボはファンダメンタルを考慮していないことが伺えます。
では、アルパカロボは何を参考にして銘柄を選んでいるのか?
アルパカロボが重要視しているのはテクニカル分析です。
分析対象にしているのは売買代金の高い上位2000銘柄。その銘柄群にまつわるデータをAIに学習させて銘柄を選定しています。
アルパカロボが分析しているデータ
- 値動き
- ボラティリティ(価格の変動幅)
- トレンドの向き(チャートの形状)
- 時価総額
- リスクリターンの関係性
- 東証内訳データ
(※東証内訳データとは、信用取引・空売りに関する詳細情報のこと)
今後の株価を予測する指標として、テクニカル分析が重要なのは間違いありません。ただ、テクニカル分析と同じくらいファンダメンタル分析も重要です。
業績の良い企業の株価は上がりますし、好材料が出た銘柄はストップ高になることも多いです。
テクニカル・ファンダメンタルどちらかだけではなく、両方をバランスよく使えるようになると良いですね。
■アルパカロボの勝率
2021年8月~10月のアルパカロボの平均勝率は52%ですが、勝率は徐々に下がり始めています。
8月の勝率(件数/値上がり回数) | 9月の勝率(件数/値上がり回数) | 10月の勝率(件数/値上がり回数) | |
---|---|---|---|
おすすめ全て | 76.2%(210/160) | 52.0%(200/104) | 28.1%(210/59) |
大型株全て | 87.2%(78/68) | 48.6%(72/35) | 29.5%(78/23) |
中型株全て | 94.7%(75/71) | 56.3%(71/40) | 27.0%(63/17) |
小型株全て | 36.8%(57/21) | 50.8%(57/29) | 27.5%(69/19) |
アルパカロボは大型株、中型株、小型株に銘柄タイプに分けて勝率を算出。おすすめ銘柄の値上がり回数を元に勝率を計算しています。
いずれの銘柄区分でも勝率が安定しているとは言えず、全体の勝率は下がっている状態です。
2021年9月半ばまでは相場が好調な時期。日経平均も年初来高値30,795円を付けています。その影響がアルパカロボ8月の勝率に影響しているのでしょう。その後、日経平均は崩れ始め、アルパカロボもその影響を受けたと見られます。
確かに日経平均は崩れていましたが、どんな相場の時でも上がる銘柄は存在します。
アルパカロボも買い時の銘柄があることは検知していたものの、残念ながら上手くいかなかったようですね。
現状、アルパカロボの投資実績は大体3か月遅れで公式HPで公開されています(2022年1月に2021年10月のパフォーマンスを公開)。
ユーザーの中には「運用実績の公開の遅さ」に憤っている人も確認できました。
アルパカロボが実績を公開した2021年8月~10月にかけては、投資パフォーマンス、勝率共に下降気味。また最新の実績が出た際には、詳しく検証を進めていきたいと思います。
※アルパカロボは21営業日後の株価が上に振れるか下に振れるかを予測するAIロボアドなので、上昇率は約1ヶ月間保有したデータを元に計算されています。
アルパカロボ(AlpacaROBO)とは
アルパカロボはAIフィンテック企業のAlpacaJapanと、顧客の資産形成をサポートしているIFA法人が開発したロボアドバイザーサービスです。
ロボアドバイザーサービスは資産を預けて運用をお任せできる「一任型」と、ポートフォリオ構成やおすすめの銘柄を教えてもらえる「助言型」に分かれています。
アルパカロボは「助言型」のロボアドバイザーです。ポートフォリオ構成のアドバイスが受けられるほか、買い時と売り時になっている銘柄のシグナルを参考に投資を行えます。
アルパカロボ(AlpacaROBO)のメリット4選
アルパカロボの特徴を踏まえながらメリットとデメリットを見ていきます。
アルパカロボのメリットは4つ。
個別銘柄の売買タイミングが分かる
アルパカロボは毎営業日ごとに解析対象になっている2000銘柄の強気シグナル(買い時)と弱気シグナル(売り時)を出しています。
各銘柄は期待収益率に対してランク付けされます。
- 強気:上位1位〜100位まで
- やや強気:101位〜300位まで
- ふつう:上位301位から下位701位まで
- やや弱気:下位201位から700位まで
- 弱気:下位1位から200位まで
「強気のシグナルが出た銘柄は買い、弱気のシグナルになった銘柄は売り」という風に、ユーザーはアルパカロボが出したシグナルを参考に銘柄の売買を行えます。
買い時シグナルを参考に新しい投資先を探せたり、売り時シグナルから「空売り用」の銘柄を見つけることもできるでしょう。
投資機会が増える
アルパカロボは21営業日後の株価を予測して、期待収益率が高いか低いかを判断しています。
つまり、アルパカロボの投資期間は1ヶ月程度。投資先を入れ替えながら資産形成を狙うスイングトレードに向いています。
スイングトレードは株価上昇した銘柄を利確したら、その資金を次の銘柄、また次の銘柄といった具合に細かい利益を積み上げて資産を増やしていきます。
スイングトレードは長期的に株価が上がるのを待つわけではないので、どのタイミングで売買するかで期待収益率が変わります。アルパカロボは買い時・売り時のシグナルが出ているため、売買タイミングの参考にできるでしょう。
ポートフォリオのアドバイスが受けられる
アルパカロボではAIがポートフォリオの組み入れ銘柄に対してアドバイスをしています。
どんなアドバイスが受けられるのかというと、「ポートフォリオに大型株・中型株・小型株のどれを入れた方が期待収益率が高くなりやすいか」という内容です。
アルパカロボが推奨するポートフォリオのバランスは大型株・中型株・小型株を評価額比率1:1:2で持つことです。
バックテストをした結果、時価総額で分けて銘柄を保有した方が、時価総額を分けずに銘柄を保有した時より収益率が高かったとのこと。
- 時価総額分散あり→13.1%
- 時価総額分散なし→15.6%
1点留意しておきたいのは、バックテスト時にどのような銘柄でパフォーマンスを検証していたのかが明かされていないこと。銘柄サイズを分類した方が成績が良かったということは、大型株・中型株・小型株のいずれかの選定で精度が落ちているものがあるかもしれません。
銘柄情報は無料で閲覧可能
アルパカロボはタダで情報を見れます。
証券口座を開いてサービスを申し込めば、銘柄の売買シグナルだけ見ることも可能。ユーザーの中にはアルパカロボの銘柄予測だけ見て、他の証券会社で売買することを考える人もいるようです。
ただアルパカロボで売買しない場合はポートフォリオが組まれないので、AIからのポートフォリオに対するアドバイスは受けられなくなる点には注意が必要です。
IFAにチャットで相談できる
アルパカロボはIFAに分からないことを相談できるチャットサービス付き。
IFAとは「Independent Financial Advisor」の略で、銀行や証券会社には所属せずに顧客に資産形成にまつわるアドバイスを行なう人物のことを指します。
IFAには金融機関からのノルマや販売方針が無いため、顧客に寄り添った助言ができるという特徴があります。アルパカロボを共同開発している「IFA法人FAN」がIFA人材を抱えていることもあって、チャットでの質問対応が可能になっているのでしょう。
具体的にどんな相談ができるのかですが、メインとなるのは「資産運用方針の相談」になるでしょう。IFA法人FANでは長期・積立・分散投資や国内外の債券などを中心とした運用手法の提案を行なっていますからね。
投資家としては「どの銘柄を買えばいいのか?」と質問したくなると思いますが、その点はアルパカロボのおすすめ銘柄を参考に考える方針のようです。
アルパカロボ(AlpacaROBO)のデメリット3選
アルパカロボ(AipacaROBO)のデメリットは3つ。
サービスを始めるまで時間がかかる
アルパカロボを始めるにはアルパカ証券の口座開設が必要です。また、口座開設はオンライン上で手続きが完了しないため、サービスを始めるまで時間がかかります。
口座開設の流れは以下の通り。
- オンライン上で個人情報の登録を行なう
- 2営業日程で審査が完了
- ログイン用のIDと認証コードが記載されたハガキが郵送で送られてくる
口座開設に「郵送」というアナログな手段を挟むため、アルパカロボのサービスを実際に利用するまでラグがあるでしょう。
最近はオンライン上で口座開設手続きが完結する金融機関も増えています。最新のAIテクノロジーを使った投資を提案しているアルパカロボが、未だにアナログな手法を使っているのはちょっとガッカリ…。
売買は手動で行う
アルパカロボは銘柄の買い時や売り時を教えてくれますが、銘柄の売買は自分で行なう必要があります。
投資金を入れて運用方針を設定したらあとはAIにお任せするだけの「ウェルスナビ」や「THEO」などの投資一任型のロボアドバイザーと異なり、アルパカロボは投資助言型のサービスです。
自分で資産運用をする時間が無く、完全にAIに任せたいという人は他のサービスを検討した方が良いかもしれません。
アルパカロボは自分で売買を行なう手間は増えますが、その分「自分で銘柄を選ぶ楽しさ」は感じられるでしょう。他にもAIに売買を任せっきりにすると、思わぬところでAIがとんでもない投資判断をして大損失を喰らうこともあります。
自分がどんなタイプのAI投資が向いているのかは、よく検討しておきましょう。
ユーザーの評判は少ない
アルパカロボは2021年8月に開始したサービスで、まだユーザーの評判は多くありません。
現在アルパカロボを使用しているユーザーを見ても、「お試しで使ってみる」感覚の人が多い印象を受けます。
ネット上ではアルパカロボの広告を見かけるようになってきましたが、まだ利用ユーザー多くないというのが現状でしょう。
ただ2022年2月1日からは新規口座開設キャンペーンを開催、日経トレンディやダイヤモンドZAiなどの投資情報雑誌での露出も増えてきて、今後アルパカロボの利用ユーザー数は伸びていくかもしれません。
利用ユーザーが増えてきたら評判や口コミも増えるでしょうから、また時期を改めて検証を行ないたいと思います。
アルパカロボ(AlpacaROBO)の手数料
アルパカロボでかかる手数料は「取引手数料0.55%(税込み)」です。
それ以外の口座開設、情報利用料、入金手数料、出金手数料はかかりません。
取引手数料0.55%は売買のたびにかかります。
ユーザーの中には「アルパカロボの手数料が高い」と感じる人もいる様子。
仮にINPEXを100株購入した場合、得られる利益は4,000円。そのうち手数料分を引いて、約3,000円が手元に残ります。
- 購入時手数料:100×935×0.55%=514円
- 売却時手数料:100×975×0.55%=536円
- 97500-93500-1050 = 2950
得た利益から25%分の手数料がかかると考えたら、割高と感じるのも無理のない話かもしれません。
ほかのロボアドバイザーの手数料を見た時、「ウェルスナビ」や「THEO」の手数料は1.1%とアルパカロボよりも高く設定されています。ただこれらのロボアドは長期投資が前提であるのと、アルパカロボと違って投資一任型のサービスのため比較するのは難しいです。
アルパカロボは売買手数料がその都度かかっても投資機会を増やして自分で資産を積み上げる短期トレーダー向き。ウェルスナビやTHEOは手数料が割高な分、投資運用を任せることができるので長期投資か向きのサービス。
どちらも一長一短、比較検討してみて自分に合ったサービスを選べるといいでしょう。
アルパカロボの口座開設・投資までの流れ
アルパカロボの口座開設から、実際に投資するまでの流れは以下の通り。
- アルパカ証券の口座開設申請
- アルパカ証券の口座に入金
- 銘柄を選択
- 購入
- 5.売却
まずアルパカロボ公式HPより口座開設情報を入力して送信します。
口座開設申請を出したら、アルパカ証券から口座開設用のメールが届きます。届いたメールアドレスに記載されたURLにアクセスして、口座開設のために必要な情報を入力。この時に本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)をアップします。
アルパカ証券で個人情報の審査が行われます。無事に口座開設が行なえたら、アルパカ証券から初回ログイン用のIDと認証コードが書かれたハガキが届きます。はがきに記載されたIDと認証コードでアルパカロボにログインをします。
口座に入金をしたら、強気シグナルを参考に銘柄を選択して購入します。購入した銘柄はアルパカロボのAIが監視を行ない、売り時になった際には弱気シグナルがアラートで出ます。弱気シグナルを確認したら売却を検討します。
あとはアルパカロボが出す売買シグナルを参考に投資を行なうだけです。
アルパカロボ(AlpacaROBO)の運営元会社
アルパカロボは「AlpacaJapan株式会社」と「株式会社Fan」の2社が共同開発しています。
AlpacaJapan株式会社は、金融市場×AIに取り組んでいるFintechスタートアップ企業です。
アルパカロボを開発している会社
会社名:AlpacaJapan株式会社
設立:2016年11月(AlpacaJapan株式会社への名称変更)
所在地:東京都千代田区内神田1-12-5 Nest-Lab北大手町2階
事業内容:AIとビッグデータ技術を活用した金融プロダクトの開発
第一種金融商品取引業
登録番号:金融商品取引業者関東財務局長(金商)第3024号
加入協会:一般社団法人日本投資顧問業協会、日本証券業協会
AIを用いた金融システムのソリューションを提供しており、これまでに大手金融機関でAIの技術が採用されたことがあります。
▼AlpacaJapanのAIソリューション
・AlpacaRadar(中長期マーケット予測) → 東京海上日動火災保険、株式会社FOLIO
・Alpaca×Minkabu(データ解析ソリューション) → 株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド
アルパカロボを共同開発している会社
株式会社Fanは資産運用の相談専門店「投資信託プラザ」を全国に展開している企業です。
会社名:株式会社Fan
設立:2008年12月
所在地:富山県富山市二口町5-8-13
事業内容:資産運用コンサルティングサービス
生命保険代理店/WEBインテグレーション/企業型確定拠出年金コンサルティング
登録番号:金融商品取引業者北陸財務局長(金仲)第35号
加入協会:一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会
株式会社Fanがアルパカロボを開発した経緯として、短期・中期運用における株式個別銘柄の情報提供を希望するユーザーの需要を満たすためとしています。
元々、株式会社Fanは長期・積立・分散投資を中心とした資産運用アドバイスをしていましたが、アルパカロボを組み合わせることで一括した投資運用手法を提案が可能になっています。
『アルパカロボ』の口コミ
口コミ一覧