SBI証券のファンドラップで、興味や目的に合わせた2つの資産運用コースを用意しているSBIラップですが、各コースの特色や実績、利回りはどのようになっているでしょうか。
また、競合他社のファンドラップや資産運用アプリ等と比較しますので、気になる方は最後までご覧ください。
SBIラップとは?運営会社概要や確定申告など
SBIラップの運営会社概要や、契約・解約方法を見ていきましょう。
運営「株式会社SBI証券」の概要

SBIラップを運営するのは、東京都港区六本木に本社を構える株式会社SBI証券です。
株式会社SBI証券の歴史
1944年3月、「大沢証券株式会社」設立
1999年4月、「イー・トレード証券株式会社」に商号変更
1999年10月、インターネット取引開始
2003年6月、イー・トレードが「ソフトバンク・インベストメント」に吸収合併され子会社化
2004年12月、旧ジャスダック証券取引所に株式を上場
2005年12月、オンライン専業証券会社として初の月間売買代金が10兆円超え。以下のような証券会社を次々に吸収
- 機関投資家向けの「フィデス証券」
- 法人投資家向け未公開株式売買の「ソフトバンク・フロンティア証券」
- 50歳以上の富裕層向け対面営業の「ワールド日栄証券」
2006年7月、イー・トレード証券株式会社から「SBIイー・トレード証券株式会社」に商号変更。
2008年7月、現在の「株式会社SBI証券」へと商号変更
2021年、「三井住友フィナンシャルグループ」と連携。三井住友カードで投資信託の積立投資が可能に
2024年7月時点、総合講座数1300万口座を超えて野村證券の約539万口座を上回り、ネット証券業界では最王手となり楽天証券と双璧を成しています。
SBI証券の特徴は国内の株式から、
- 米国株
- 中国株
- 韓国株
- ロシア株
- ベトナム株
など、世界各国2600本以上の投資信託に加えて、
- 海外ETF
- REIT
- 国債
- 社債
- 外債
- FX
- S株
- 国内株式PTS
- 夜間取引
- 貸株サービス
- 日経225先物取引
- 日経225オプション取引
といった、多岐に渡る取引を行っています。
契約・解約方法
SBIラップの契約方法や解約方法について解説していきます。
まず、契約の手順は以下のとおり。
- SBI証券の口座を開設
スマートフォンやパソコンなら最短で当日に口座開設可能。 - 口座開設後、会員ページにログイン。SBIラップの申し込み・契約手続きを行う
個人情報の入力や規約事項の同意が13時までに完了すると、翌日16時頃には契約の締結が完了し初回購入の取引が可能。 - 申込み完了後、SBI証券の口座に入金。注文・購入を行う
毎営業日15時25分までに注文すると翌営業日に注文が確定し、3営業日後に約定結果が反映。
続いて解約方法ですが、マイページからアカウントを選択し、解約ページに移ります。ここで、解約を行いたいコースのボタンを押し、「解約ボタン」を押すと解約完了です。
なお、解約期間は以下の通り。
- 月曜〜金曜の前日16時〜15時25分の申込み
当日15時25分まで取り消し可能。 - 月曜〜金曜の当日15時25分〜16時の申し込み
当日17時まで取り消し可能。 - 土日祝日の前日16時〜当日16時の申し込み
当日17時まで取り消し可能。
税金の確定申告は必要?
SBIラップでは各取引によって確定申告の要否が異なりますので、下記をご覧ください。
取引種類 | 確定申告要否 |
---|---|
特定預り(特定口座原生聴取あり) | 原則不要 |
NISA預り ジュニアNISA預りの取引 | 喘息不要 |
特定預り(特定口座原生聴取なし) | 原則必要 |
一般預り | 原則必要 |
先物・オプション FX(外国為替保証金) eワラント CFD 商品先物 SBI株オプション(コール・プット) | 原則必要 |
金・銀・プラチナ | 原則必要 |
SBIラップの仕組みやコースの違い
SBIラップには「AI投資コース(AIラップ)」「匠の運用コース(匠ラップ)」の2種類のコースが存在。
利用者の興味や資産運用の目的に合わせたコース選択が可能で、2コースの併せ持ちも可能です。
以下では、各コースの特徴について解説していきます。
AI投資コースの概要

資産運用の世界においてAIによる資産運用の分野では、AIが人間の知能を超える革新をもたらすと期待されています。
予測が難しい時代だからこそ、市場動向を先取りするAI投資が求められており、あらゆる相場環境への対応を目指しているようです。
そんなSBIラップの、AI投資コースの主な特徴は下記のとおり。
- 約1000種類の特徴を解析。正確な将来予想が予測できる
- AI予測に基づいた投資配分で冷静な投資判断を目指す
- 機械学習で年月の経過に併せて予測モデルの継続的な改善に期待できる
AI投資コースは、選考性の高いマーケットデータを厳選してAIが解析し、マーケットの変化に機動的に対応。約1000種類の特徴を多角的に解析できるため、高い予測精度が期待できるとのこと。
また、AI技術と伝統的な金融工学理論を融合し、ネット情報や思い込みなどによる人的感情に左右され無いため、冷静な売買タイミングをAIが見極めてくれます。AIの予測に基づいて自動で投資配分を変更してくれるため、合理的な投資判断が可能です。
そして、AIが市場の変動要因や傾向などを分析し年月の経過に合わせて機械学習を行うため、予想モデルの継続的な改善が期待できます。
匠の運用コースの概要

匠の運用コースは、SBIラップのプロに運用を全てお任せするファンドラップサービス。大手資産運用会社の野村アセットマネジメントの運用戦略を活用し、FOLIOが運用を行います。
資産配分には、野村アセットマネジメント独自の「オールウェザー・ファクターアロケーション戦略」を取り入れ、厳選したアクティブファンドに投資する事で、高いパフォーマンスを目指しているとのこと。
匠の運用コースの特徴は下記のとおり。
- 長期に渡って安定した運用実績を誇る独自の投資戦略を活用
- 市場環境に応じ臨機応変な対応を行う運用戦略
- 積極的に収益を追求するアクティブファンドへの投資
野村アセットマネジメント独自のオールウェザー・ファクターアロケーション戦略は、長期間に渡って安定した実績を残しており、国内外で複数のアワードを受賞しています。
また、オールウェザー・ファクターアロケーション戦略は、過去の膨大なデータを用いた定量戦略と、野村アセットマネジメントの「グローバルマクロ戦略委員会」での定性戦略を組み合わせて投資判断を行っています。
定量戦略と定性戦略の特徴や投資判断、リスクファクターの詳細は下記をご覧ください。
定量戦略の詳細
- 特徴:感情を排除した客観的な判断。膨大なデータ分析が可能
- 投資判断の時間軸:1〜5年
- 着目するリスクファクター:「プレミアム」「景気」「物価」など
- 市場環境の判断:「ファクターの値動き」「経済指標」などから判断
定性戦略の詳細
- 特徴:市場変動に対する柔軟な判断。資産運用のスペシャリストの知見が結集
- 投資判断の時間軸:数ヶ月〜1年程度
- 着目するリスクファクター:「成長期待」「市場流動性」などその時の市場テーマとなるリスクファクター+資産別のリスクファクター
- 市場環境の判断:野村アセットマネジメントが毎月開催する「グローバルマクロ戦略委員会」で判断
また、匠の運用コースでは、野村アセットマネジメントの数多くの運用戦略の中から厳選した国内外の株式・債券・REIT別に、9つのアクティブファンドへの投資を積極的に行います。
各戦略で市場平均を超える成果を目指すと共に、日本資産への投資や為替ヘッジを取り入れ、円高時にも対応できる運用を行っている事が分かりました。
手数料の違い
SBIラップの手数料ですが、AI投資コース年間0.660%、匠の運用コース年間0.770%と、コース別で異なります。
また、信託財産留保額の手数料がAI投資コースでは無料ですが、匠の運用コースでは最大0.3%が掛かります。
そして、実質的な信託報酬については、AI投資コースは年間で約0.294%、匠の運用コースは年間で約0.691%と設定されていました。
実績や利回りの違い
SBIラップの実績と利回りですが、直近2024年12月の実績について紹介します。
AI投資コースの米国不動産は金利上昇の影響で大きく下落しましたが、円安・ドル高の影響もあり、最終的に米国不動産以外の全ファンドが上昇。
米国不動産多めの保有がマイナス要因となったものの、米国株式や金の保有がプラスに働き、2024年12月の月間パフォーマンスは+2.17%でした。
匠の運用コースですが、12月は米国の長期金利上昇の影響でグローバルREITや円安・ドル高の恩恵を受けにくい外国債券(国債型)が下落。
一方で、「日本株」は円安・ドル高の影響で、外国債券(米国ハイ・イールド)は金利上昇への耐性から上昇しています。
そして、比較的多く保有していた世界株(バリュー)や世界株(グロース)がプラスに貢献したものの、外国債券(国債型)の下落が足を引っ張り、12月のパフォーマンスは+1.27%となったようです。
SBIラップの評判
SBIラップの概要やコースについて紹介しましたが、ここからは、ネット上の賛否両論ある評判について紹介していきます。
良い口コミ|手軽に始められる
まず、良い口コミから見ていきましょう。
SBIラップは、「投資初心者でも手軽に資産運用を始められる」という声も多く見られます。
悪い口コミ|結果が出ないなど
一方で、悪い口コミも見られました。
「SBIラップを始めてみたものの結果が出なかった」「手数料が高い」などのコメントも見られます。
SBIラップの特徴
SBIラップはネット上で様々な意見が見られましたが、続いて紹介するのは、SBIラップの特徴について。メリット・デメリット別で紹介します。
メリット3選
SBIラップを利用するメリットは以下のとおりです。
- 最低投資金額1万円からスタート可能
- AIによって最適解な投資が可能
- 安心安全の安定した運用実績を誇る
SBIラップは最低投資金額が1万円からなので、手軽に資産運用が出来るメリットがあります。
また、AI投資コースでは人を凌駕する分析により最適解な投資が可能で、匠の運用コースでは長期に渡って安定した運用実績を誇っているため、安心して資産運用が出来るでしょう。
デメリット2選
一方で、SBIラップのデメリットは下記の内容が挙げられるでしょう。
- 手数料が掛かる
- NISA口座が使えない
SBIラップを利用する場合、年間手数料や信託財産留保額の手数料が掛かってきますし、NISAに非対応でNISA口座が使用できません。
他社のロボットアドバイザーではNISAに対応している所も多いため、不満に感じる方もおられるかもしれませんね。
SBIラップを比較
ここからは、SBIラップと同業他社サービスを比較したいと思います。
ウェルスナビ

ウェルスナビは、SBIラップと同じく自動で資産運用を可能とするサービス。NISAに対応しており、SBIラップが投資信託であるのに対して、ウェルスナビではETFです。
また、手数料はSBIラップのAI投資コースは年間0.660%。匠の運用コースは年間0.770%となっていますが、ウェルスナビの場合は年間1.1%と言われているため、SBIラップの方が手数料は安く設定されていますね。
ROBOPRO

ROBOPROは、SBIラップと同じようにAI投資が可能な資産運用サービス。投資対象は海外ETFとなっています。
手数料は、SBIラップAI投資コース年間0.660%、匠の運用コース年間0.770%と比べROBOPROは1.1%。SBIラップの方が手数料が安いです。
また、最低投資金額がSBIラップの場合は1万円からですが、ROBOPROでは最低10万円からとなっています。
S&P500
S&P500はアメリカ企業に分散投資できる投資信託(積立投資)。
数十年間に渡って最低積立金額100円から、といった少額の資金投資を続けることを対象としている一方で、SBIラップは自身の希望に沿って資産運用ができ、短期間で利益を出すことも可能。
そのため、SBIラップの資産運用とは似て非なるものとなっています。手数料に関してもS&P500の場合は掛かりません。
【まとめ】SBIラップは誰におすすめ?
ここまで、SBIラップのサービス概要や特徴など紹介しました。
最後にSBIラップの利用をおすすめできる方と、おすすめできない方について紹介していきます。
おすすめできる人
SBIラップの利用をおすすめできる方は、下記の方々です。
- 資産運用を始めたい初心者の方
- 少額投資で資産運用を試したい方
資産運用をした事が無く、「投資に関しては右も左も分からないけど資産運用を始めてみたい」という方は、運用実績を誇り、AI投資で市場を予測した投資が出来るSBIラップがおすすめです。
また、「いきなり何十万もの資産運用を始めるのは心配」という方は、最低投資金額が1万円から始められるのでおすすめ。
おすすめできない人
SBIラップをおすすめできない方は、下記のとおりです。
- 手数料を払いたくない方
- 辛抱強くない方
SBIラップを利用する場合、手数料が掛かってきますので、「手数料を払いたくない」「手数料が気になる」という方はあまりおすすめ出来ません。
また、結果が出ない日々が続くと解約したくなる方も、おすすめ出来ないでしょう。
運用期間が長期間になるに連れ利益が出てくるため、辛抱強くない人はSBIラップの利用は控えたほうが良さそうです。
『SBIラップ』の口コミ
口コミ一覧