ファーストリッチ投資顧問は、行政処分を受けたわけで無いものの、2019年に廃業した投資顧問会社です。
廃業の原因として、上昇が予想される株式の銘柄選定や、アナリストの能力に対する評判の悪さが推測されます。
本記事ではファーストリッチ投資顧問の評判や運営情報、投資実績などを解説。
既に廃業した同社ですが、これから投資助言サービスを検討している人には役立つ情報も含まれるため、参考にしてください。
目次
ファーストリッチ投資顧問とは?
ファーストリッチ投資顧問は、関東財務局に正規の登録をしている投資顧問業者。まずは運営会社とサービスの概要について見てみましょう。
また、投資実績や主な在籍アナリスト、そして2019年に廃業している点についても説明します。
運営は株式会社ファーストリッチ投資顧問
投資情報サイト「ファーストリッチ投資顧問」の運営母体は、株式会社ファーストリッチ投資顧問で、東京都渋谷区に本社を構えていました。
代表取締役を務めていたのは岸津昭彦氏。元日興證券の社員という経歴を持ち、複数の証券会社を渡り歩いた後、同社代表を務めています。
投資顧問業界には、無免許で有料情報を提供する悪質業者も存在します。しかし、ファーストリッチ投資顧問はそうではなく、関東財務局に正式登録を行った、合法的な投資顧問業者でした。
ファーストリッチ投資顧問のドメイン取得日は「2014年12月9日」。過去の推奨銘柄実績とドメイン取得日に相違が無いか確認しましたが、推奨銘柄実績の偽造は無い様子です。
ただ、1日に何銘柄提供しているのか?と思う程、推奨銘柄実績の数々が気になります。きっと数打てば当たる作戦で数多く無料銘柄を提供し、上昇したら実績として掲載しているんでしょう。
無料銘柄の大量提供は、有料銘柄で実績出すことが出来ない三流の投資顧問サイトがやること。銘柄実績を全て鵜呑みにして、有料銘柄を購入するのは控えた方が賢明です。
続いて、特商法に表記されている所在地「東京都渋谷区松濤一丁目29番2号松尾松濤ビル3階」をグーグルストリートビューで検索してみた結果、該当した建物がコチラです。
コチラの「松尾松濤ビル」を調べた結果、地上8階建ての賃貸オフィスビル。
想像していたビルよりグレードが低い以外に気になる点は見当たりません。
サービス概要|サポート体制に難あり
ファーストリッチ投資顧問は、自社の魅力として、以下の4点を挙げていました。
- 独自の情報力
- ハイレベルなテクニカル分析
- 手厚いサポート体制
- 利益追求への徹底的なこだわり
謳い文句は「プロの売買現場最前線を知る圧倒的な情報力」で、サービスとしては、無料と有料コンテンツの両方を提供。
無料コンテンツは、投資コラムの提供や注目銘柄の紹介、市況の解説など。
有料コンテンツは、次の3プランが用意され、専用の推奨銘柄情報が提供されていました。
- スポットプラン
- ライトトレードプラン
- プレミアムトレードプラン
さらに、同社は銘柄に関する相談など、サポート体制にも力を入れているとしていたので、実力を確かめる為にも管理人自ら無料銘柄診断を利用。
結果は…
無料銘柄診断を依頼して2日経過しても、回答が返ってくる気配がありません…。有料コンテンツの利用を斡旋するメルマガは送られてくるのですが、何故?
やはり、プロではなく素人が銘柄診断する為、銘柄に関する他サイト記事を探すのに時間が掛かっているのか?
どちらにせよ、リアルタイムの判断を必須とする株式投資で、このレスポンスの遅さは致命的と酷評せざるを得ません。
更に、「希望価格から何%OFFにしたいか?」と綴られたアンケートに返答したが、放置状態でした。お話になりません。
また、2016年12月30日に届いた「【12/30-まとめ】 今年もお疲れ様でした。」という題名のメルマガ。
年末になると色々な投資顧問・株予想サイトから届く至って普通のメルマガですが、「最強!!株トレード投資顧問」と酷似していたのです…。
小見出しや、営業スケジュールが酷似している他、メルマガ下部の「商品のご購入に関する案内」は丸々一緒です。
この事から、疑惑として挙がるのは以下の2つになります。
- どちらかのサイトがメールマガジンをパクっている
- 最強!!株トレード投資顧問とファーストリッチ投資顧問が実は系列
上記の疑惑どちらか本当である事は確定的ですが、いずれにせよ完全やらかしちゃってますよね汗
この重大な疑問に関して、サポート宛に問い合わせたところ
といった内容の回答が返ってきました。
茶を濁した感じの回答が来るだろうと思っていたが、それにしても投げやり。事実確認をするような誠意を見せようとは思わないんですかね?
関係性云々の以前に、利用を検討したいとは思えない回答内容です。
テンプレなのか「またご不明な点等ございましたら、お気楽にお問い合わせください。」と記載されていますが、不明点だらけで頭の中が???で埋め尽くされています(苦笑)
もう少し不明点を無くす努力をして欲しいものです。
投資実績は良くない
ファーストリッチ投資顧問は廃業しているため、公表されている投資実績はありません。
ただし、現存する口コミや評判からすると、よい投資実績では無かったと推測され、「推奨銘柄が当たらない、銘柄選定の理由が稚拙」といった評判が見受けられます。
また、「助言を行う人材のスキルが低い(足りない)」といった意見もあり、投資顧問としての運用能力自体が低かったようで、このことが廃業の原因となった可能性も。
圧倒的な情報力と言っていながら、個別銘柄を推奨する理由が移動平均銭のゴールデンクロスのような比較的初歩的な理由もあったようです。
アナリスト情報が乏しい
ファーストリッチ投資顧問のアナリストで、氏名が確認できたのは次の3名です。
- 鳥丸好一氏
- 島田幸男氏
- 中村喜広氏
鳥丸好一氏は「相場の鉄人」と称され、同社の看板。元日興證券の株式部に所属しており、相場に長く携わった経験あるアナリストです。
コラムの執筆も手がけていました。
島田幸男氏は「テクニカルの名手」と紹介される、元成瀬証券投資コンサル部のアナリスト。しかしながら、それ以上の情報は得られませんでした。
中村喜広氏は「急騰ゴールデンアイ」と紹介されており、元三菱証券の営業部であったようです。島田氏同様、それ以上の情報は得られませんでした。
同社のWebサイトや広告を見ると、他にもアナリストがいる表現も見られますが、具体的な氏名が確認できるのは、上記3名のみ。
3名ともアナリストとしての具体的な実績が乏しく、能力の評価が難しいと言えます。
2019年6月に廃業
ファーストリッチ投資顧問は2019年6月に全サービスを終了し、投資助言業を廃業しています。
廃業の理由は、「諸般の事情」として明確にはされていません。
連絡文章を見ると、契約期間が1ヶ月程度残っている顧客に対して返金を実施し、連絡から2ヶ月程度問い合わせ対応を行っており、行方を晦ます事はしなかったようです。
ファーストリッチ投資顧問の評判
続いて、ファーストリッチ投資顧問の評判を見ましょう。
銘柄選定やアナリストの能力に対して厳しい意見が多いが、中には良い意見もあるようです。
良い口コミ|無料情報が参考になった
ファーストリッチ投資顧問は全体的にネガティブな評判が目立ちますが、中にはサービス内容に満足したという肯定的な意見も存在。
具体的には、「無料情報が参考になった」。推奨銘柄について「はずれもあるがあたりの割合が多い」との意見もありました。
提供された銘柄情報に基づいて投資を行い、利益を得られた経験を持つ顧客も。
さらに、「対応も悪くない」と、顧客からの問い合わせに対して、相談に乗ってくれる姿勢を評価する人もいました。
悪い口コミ|厳しい評価が多め
ネット上には利用していた顧客からの口コミが残っています。全体的に厳しい評価が多く、サービス内容に不満を抱いていた顧客が多かったようです。
これらの悪い口コミから、高額料金を支払い利用したにも関わらず、成果を得られなかった不満が窺えます。
情報漏洩の危険性
似たような口コミ・評判が、管理人の元に複数寄せられています(2016年1月)。
他の口コミサイトを確認してみると、同様の口コミが多数書き込まれており、身分証の提示に際してユーザーが「個人情報を悪用されるのでは?」と不安を抱いている様子が伺えます。
補足情報ですが、上記の他にも圧倒的に多い優良口コミに対して、内部(サクラ業者)の書き込みを疑うユーザーも発見…。
そもそも、銘柄情報を購入するにあたり、「身分証のコピーが必要か?」理解できません。
そこで、貴重な個人情報を提示してまで利用すべき投資顧問サイトか否か?
信頼度を確かめる為に検証を進めたところ、会社の顔である社長「岸津昭彦」の挨拶が、「アストマックス投信投資顧問株式会社」の代表者挨拶と酷似している事が判明しました…。
文章を同グループ内で使い回している可能性もあるので、両サイトの関連性を疑いましたが、アストマックス投信投資顧問株式会社とファーストリッチ投資顧問の運営方針は異なるので、その可能性は低いと考えました。
そうなると、アストマックス投信投資顧問株式会社より後に運営を始めたファーストリッチ投資顧問が、記事の無断転載を働いていると判断できます。
ファーストリッチ投資顧問の評価
廃業している事から、ファーストリッチ投資顧問の評価は良くありません。
しかし、今後投資助言サービスを検討する際に、具体的なメリットとデメリットを知っておく事は、失敗を回避する事に役立つでしょう。
メリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリットは無料情報のみ
ファーストリッチ投資顧問は、無料コンテンツについて評価する声も一部ありました。具体的には、投資コラムや市況解説など、無料で役立つ情報が提供された点。
また、注目銘柄を紹介する事もあり、利益を出したケースもあったようです。
もちろん、全ての銘柄が成功したわけで無く、投資は常にリスクが伴うことを忘れてはなりません。
しかし、無料で有益な情報を得られた点で、一定の評価は出来るでしょう。
デメリット3選
ファーストリッチ投資顧問は、メリットよりデメリットが目立つ投資顧問会社。
投資助言サービスの利用を検討している人にとって、以下のデメリットを理解しておく事が今後の選定に役立つでしょう。
銘柄推奨能力の不足
まず、銘柄推奨能力の不足。期待通りのパフォーマンスを見せず、損失を出した口コミが多く見られました。
投資顧問サービスの重要な要素である銘柄推奨において、能力を発揮できなかった事は大きなデメリット。
背景には、アナリストの実力不足が考えられます。経験豊富なアナリストであれば、市場を的確に分析し、有望な銘柄を推奨できるはず。
しかし、同社アナリストに関する情報は乏しく、実績や経歴も不明瞭でしたので、ア実力に疑問符が付くのも無理はありません。
有料プランの費用が高額
さらに、有料プランの費用が高額だった事もデメリット。
無料コンテンツで顧客を集め、高額な有料プランへ誘導するビジネスモデルを採用したが、その費用に見合う価値を提供できたか疑問です。
銘柄推奨能力の不足を考えると、高額費用を支払い有料プランに加入する事は、大きなリスクを伴いました。
そして、有料プランへの誘導自体も問題視されていました。
無料コンテンツは限定的で、「有料プランの加入を促す手段」と感じた人も少なくありません。
短期間で廃業
最後に、経営基盤が弱く、短期間で廃業したことも大きなデメリットです。
2019年に廃業した事で、顧客は突然サポートを失い、不安や混乱を招く事になりました。
投資顧問会社を選ぶ際は、経営基盤の長期的な安定性も重要な要素。
これらのデメリットを総合的に見ると、ファーストリッチ投資顧問は、顧客にとって魅力的な選択肢と言えなかったですね。
ファーストリッチ投資顧問のコンテンツ
ファーストリッチ投資顧問のコンテンツは無料と有料があり、内容が異なります。
有料コンテンツには「1ヶ月45万円」と高額プランも。加入には費用対効果を慎重に検討する必要がありました。
具体的にどのようなコンテンツがあったか、確認できたものを紹介します。
無料コンテンツ4種
ファーストリッチ投資顧問は、いくつかの無料コンテンツを提供。具体的には、以下が確認できています。
本日のプロ注目銘柄
アナリストが選定した注目銘柄を毎営業日提供。
緊急配信銘柄
タイムリーな銘柄情報を無料提供。
プロ相場観(レポート&コラム)
株式市場に関する最新動向や、今後の見通しをまとめたレポートを無料で提供していました。看板アナリスト「鳥丸氏」のコラムも掲載されたようです。
「他サイトの記事無断転載の件もあり、慎重に検証を進めたが、特に記事の転載等は見受けられませんでした。」
…と言いたいですが、私の目は騙せません。
記事全体を無断転載するのでは無く、いくつかのサイト記事を抽出して組み換え、1つのレポートにしている事実が判明。
これは悪質な偽装方法ですね…。
コンテンツ紹介欄には「最新の相場動向を把握するプロアナリストによる市況レポート」と説明がありますが、直ちに「最新の相場動向を転載する株素人による市況レポート」に訂正して欲しいと思います。
無料銘柄相談・銘柄売買指示サポート
保有する個別銘柄や購入予定の銘柄について、アナリストに相談できるサービスを提供。
有料コンテンツ3種
ファーストリッチ投資顧問は、複数の有料コンテンツを提供。
しかし、高額な費用設定や、サービス内容に対する疑問点から、慎重に検討する必要がありました。主な有料コンテンツは以下の通りです。
スポットプラン
- 「短期急騰銘柄」を1契約につき1~5銘柄助言
- 提供価格は公開銘柄や助言内容により変動
- 短期的な利益を狙いたい顧客向け
ライトトレードプラン
- 短期売買で利益を出したい人向け
- 月に2~4銘柄を助言し、スイングトレードを想定
- 費用は1ヶ月5万円、3か月10万円
プレミアムトレードプラン
- 月に2~4銘柄を助言。
- 上昇期待度の高い個別銘柄情報を、アナリストと相談しながら助言を受ける
- 費用は3ヶ月45万円、6ヶ月75万円、12ヶ月120万円
『ファーストリッチ投資顧問』の口コミ
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