「10万円から1億円」というキャッチーなフレーズとともに、投資ジャンルにおいて一躍有名になった遠藤洋氏。
遠藤氏の名前を冠した書籍は、多くの個人投資家から支持を集めています。
その一方で、
「遠藤氏の投資手法に再現性があるのか?」
「遠藤氏が主宰する投資コミュニティは本当に利用価値があるのか?」
といった懐疑的な評判も散見されるのが実情です。
果たして、遠藤氏が提唱する「小型株集中投資」は、本当に勝てる手法なのでしょうか?
本記事では、遠藤氏の経歴や出版した複数の書籍の内容から、その投資哲学・手法の核心に迫り、さらに遠藤氏自らが主催する投資コミュニティ「ixi(イクシ)」の実態について徹底解説します。
遠藤氏の投資手法がどのような投資家に適しているのか、あるいは適していないのか、多角的に紐解いていきましょう。
遠藤洋とは何者?経歴と代表的な書籍を紹介

出典:ixi公式サイト
まず遠藤洋氏がどのような経歴を持ち、どのような書籍を通じてその名を知られるようになったのか。
遠藤氏のバックグラウンドから確認していきます。
遠藤洋の経歴。26歳で投資家として独立
遠藤氏は、1987年埼玉県生まれの投資家であり、「自由人」を標榜しています。
遠藤氏の投資家としてのキャリアは、東京理科大学在学中にスタートしました。
公表されているプロフィールによれば、大学時代、家庭教師のアルバイトで貯めた資金を元手に、知識ゼロの状態から投資を開始したとされています。
その過程で、分散投資ではなく「小型株集中投資」こそが、実は低リスク・高リターンであるという独自の結論に至ったようです。
大学卒業後に一度ベンチャー企業に就職し、新規事業の企画や広告、採用といった実務経験を積んでいます。
そして約4年後の26歳の若さで、投資で得た資金を元手に投資家として独立を果たしました。
公表しているプロフィールでは、実績として最大年間利回り+600%、1銘柄での最大投資益+1760%(1銘柄で億単位のリターン)といった、驚異的な数字が示されています。
遠藤洋の代表的な書籍
遠藤氏の投資哲学・手法が広く知られるようになった大きな理由は、出版した複数の書籍です。
代表的なものは以下の通りです。
『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』

『投資をしながら自由に生きる』

『お金知識ゼロ! 普通の会社員でも株で1億円つくる方法をイチから教えてください!』
『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 実践バイブル』
『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円』
上記の書籍が支持される理由の1つに、その明快さが挙げられます。
タイトルからもわかる通り、「10万円から1億円」という具体的な目標設定と、「小型株集中投資」という明確な手法を提示しています。
株式投資の初心者や、これまで大きな成果を出せずにいた投資家にとって、「これなら自分でもできるかもしれない」という希望を与える内容となっています。
遠藤洋の投資哲学・手法:「小型株集中投資」のメリット・デメリット
遠藤洋氏の投資哲学・手法の根幹を成すのは、出版した複数の書籍でも一貫して語られている「小型株集中投資」です。
一般的な投資のセオリーとされる分散投資とは一線を画す小型株集中投資というアプローチが、遠藤氏の資産を飛躍的に増大させたとされています。
ここでは遠藤氏がなぜ「小型株」にこだわるのか、さらには小型株の銘柄選定術と、小型株集中投資に潜むメリット・デメリットについて詳しく掘り下げていきます。
なぜ小型株なのか?遠藤流の小型株集中投資の極意とメリット
遠藤洋氏が小型株を選ぶ最大の理由は、その「成長性(伸びしろ)」にあるとしています。
例えば、すでに時価総額が数兆円に達している巨大企業(例:トヨタ自動車、NTTなど)の株価が、短期間で3~4倍くらいになることは現実的に考えにくいでしょう。
しかし、遠藤氏は時価総額がまだ300億円以下の小型株であれば、事業が軌道に乗り、市場の注目を集めることで株価が数倍になる可能性が十分にあると考えています。
とはいえ、玉石混交の小型株の中から、成長する銘柄を見つけ出すのは至難の業です。
そこで遠藤氏は独自の小型株の銘柄選定基準を公開しています。
- 上場して5年以内の会社
- 時価総額300億円以下
- 社長や経営幹部が大株主
- 高学歴の新卒社員がいる
- 社員の平均年齢が若い
- みんなが欲しいと思う商品を提供している
- 株価チャートが上昇トレンド
「上場して5年以内の会社」「時価総額300億円以下」というのは、まさにこれからの成長が期待できる、フレッシュな小型株を絞り込むためのスクリーニング条件です。
次に注目すべきは「人」と「組織」に関する基準でしょう。
「社長や経営幹部が大株主」であれば、経営陣の利益と株主の利益が一致し、株価上昇への強いインセンティブが働きます。
「高学歴の新卒社員がいる」「社員の平均年齢が若い」といった点は、その企業に勢いがあり、優秀な人材を引きつける魅力があることの証左と捉えているようです。
「みんなが欲しいと思う商品を提供している」という基準は、事業の本質的な価値を問いかけるものです。
「株価チャートが上昇トレンド」というテクニカルな要素を加えることで、いくら業績が良好な企業でも市場から注目されていなければ意味がない、という現実的な投資タイミングも考慮されています。
デメリットは?小型株集中投資の落とし穴
前述の基準で選び抜いた小型株の銘柄に集中投資する遠藤流の投資術は、確かに当たれば資産を爆発的に増やすことができます。
しかし、その裏には高いリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。
小型株には、流動性リスク(売りたいときに売れない、買いたいときに買えないリスク)が常に伴います。
何らかの悪材料が出た場合や金融危機などのタイミングで、買い手がつかないまま株価が連日暴落(ストップ安)する危険性が、大型株と比較して非常に高いです。
値動きの激しさ(ボラティリティ)も小型株の特徴です。
株価が数倍になる可能性もあれば、数分の1になる可能性もあり、価格変動リスクはあきらかに大型株よりも高いものです。
また、「集中投資」にもリスクがあります。
選定した銘柄が思惑通りに上がればリターンは青天井ですが、もし見立てが外れた場合、投資した資産の大部分を一気に失う致命的な結果を招きかねません。
遠藤洋が注目した3銘柄を徹底分析・検証
遠藤洋氏が過去に注目した銘柄の株価推移を見ることで、投資手法の有効性とリスクの両面を確認できます。
遠藤氏が提唱する小型株投資が、実際にどのような結果をもたらしたのか、3つの銘柄をピックアップして検証してみましょう。
北の達人コーポレーション(2930)

出典:Yahoo!ファイナンス(2025年10月28日時点)
まずは、著書『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円』で、遠藤氏の成功体験として紹介されている「北の達人コーポレーション」を見てみましょう。
北の達人コーポレーションは健康食品や化粧品をWeb上で販売展開する企業です。
遠藤氏が注目したとされる2017年3月頃、北の達人コーポレーションの株価はまだ数十円(株式分割考慮後)のレベルにありました。
しかし、その後の業績急拡大とともに株価は爆発的な上昇を見せます。
わずか1年後には株価14倍以上という、まさに「テンバガー」を地で行くようなパフォーマンスを達成しています。
この一点を見れば、遠藤氏の小型株の選定眼が優れていたことは事実でしょう。
一方で、注意すべきはピーク時には700円を超えていた株価も、高値圏を維持できた期間は短く、現在は100円台まで下落している点です
株価14倍を達成したとしても、それを適切なタイミングで利益確定できなければ、リターンは「幻」に終わってしまう小型株投資の難しさが顕著といえます。
セルソース(4880)

出典:Yahoo!ファイナンス(2025年10月28日時点)
次に検証するのは、再生医療関連事業を手がける「セルソース」です。
セルソースは、2020年にWeb上の記事で公開された遠藤氏のおすすめ銘柄です。
2020年頃、遠藤氏が注目した時点での株価は500円台でした。
その後、再生医療分野への期待感から株価は急騰し、2022年には一時8,000円台の最高値を記録します。
これもまた、遠藤氏の銘柄選定が的中し、短期間で10倍以上のリターンを生み出す可能性を示した事例です。
しかし、北の達人コーポレーションと同様、その後の株価推移は厳しいものがあります。
最高値をつけた後、株価は急落し、現在は再び500円前後の水準まで戻ってきてしまいました。
MTG(7806)

出典:Yahoo!ファイナンス(2025年10月28日時点)
遠藤氏の銘柄選定能力と指導力を別の角度から検証するため、美容・健康機器の「SIXPAD」や「ReFa」で知られる「MTG」を見てみましょう。
MTGは、約4年前に遠藤氏がYouTube企画において、投資初心者にアドバイスするかたち(企画)で取り上げられた経緯があります。
初心者が選定した銘柄に対し、遠藤氏がコメントするという内容だったようです。
企画で取り上げられた後、投資が実際に投資が行われたMTGは、株価が一時的に上昇する場面もありました。
しかし、収録直後の決算発表の内容が市場の期待に応えられなかったことから、株価は大きく下落してしまいます。
そして、その後の経過について、当該YouTubeチャンネルでは企画の更新が止まってしまったようです。
情報を受け取った側としては「放置された」という印象を抱いても不思議ではないでしょう。
上記の3つの事例から見えてくるのは、遠藤氏の投資手法が確かにテンバガーを発掘する可能性を秘めている一方で、小型株特有の激しい株価変動には注意が必要だという点です。
遠藤洋のオンラインサロン「ixi」の実態
遠藤洋氏の活動を語る上で欠かせないのが、遠藤氏が主宰する投資コミュニティ(オンラインサロン)「ixi(イクシ)」の存在です。
遠藤氏のプロフィールには、投資家としての華々しい実績が並びますが、現在最も力を入れている活動の1つが、この「ixi」の運営であると見受けられます。
「ixi」の理念と提供するコンテンツ
「ixi」が公式サイトで掲げる目的は、単なる資産拡大だけではありません。
1つの柱として人生の充実を挙げており、これが「ixi」の投資コミュニティとしての特徴といえます。
公式サイトに掲載されている写真を見ても、真剣な勉強会の様子だけでなく、メンバー同士が楽しそうに交流するイベントの風景が多く見られます。
株式投資は孤独な作業になりがちですが、「ixi」はそうした投資家同士がつながる「仲間づくりの場」としての機能も重視しているようです。
提供される主なコンテンツは、以下の通りです。
- ixiメンバー専用サイト
- Facebookグループ(ixiメンバー専用)
- 勉強会・セミナー(オンライン・オフライン)
- 銘柄発掘システム(完全独自開発)
- イベント(非日常体験やメンバーとの交流)
高額設定すぎる料金プランに疑問アリ?
充実した内容に見える「ixi」ですが、多くの個人投資家が直面する最大のハードルは、その価格設定でしょう。
提示されている料金プランは、非常に高額な設定となっています。
■ゴールドコース(スタンダードなコース)
- 年会費(新規):720,000円(税込)
- 年会費(継続):540,000円(税込)
■プラチナコース(よりレベルの高い環境を求める方向け)
- 年会費(新規):1,920,000円(税込)
- 年会費(継続):1,440,000円(税込)
「ixi」の価格設定は、著書のタイトルである「10万円から始める」というフレーズとは、大きなギャップがあると言わざるを得ません。
遠藤洋の評判を徹底調査!読者や「ixi」利用者の反応は?
ここまで遠藤洋氏の経歴や書籍の内容、「小型株集中投資」という独自の手法、高額なオンラインサロン「ixi」の実態について解説してきました。
では実際に、遠藤氏の書籍を読んだり、サロンに参加したりした人々は、遠藤氏をどう評価しているのでしょうか?
遠藤氏に関するネットやSNS上で見られる評判を収集し、肯定的な意見と批判的な意見、その両面から利用者の本音を探っていきます。
【肯定的な評判】「小型株の魅力に気づけた」「解説がわかりやすい」
まずは、遠藤氏の投資手法や発信を高く評価する声から見ていきましょう。

出典:X(旧Twitter)

出典:X(旧Twitter)

出典:X(旧Twitter)
とくに目立つのは、「投資の視野が広がった」という感謝の意見です。
「投資といえば、有名な大企業の株かインデックスファンド」と思い込んでいた個人投資家にとって、遠藤洋氏が提唱する小型株集中投資という戦略は、まさに目からウロコだったようです。
また、遠藤洋氏自身の解説のわかりやすさを評価する声も目立ちます。
難解になりがちな企業分析や銘柄選定のロジックを、初心者にも理解できるよう平易な言葉で説明するスタイルが、多くの支持を集めています。
投資の入門書として、あるいは新たな投資スタイルを模索する中級者にとって、遠藤氏の書籍や発信が、次のステップに進むための気づきを与えていることは間違いなさそうです。
【批判的な評判】「再現性が低い」「サロン費用が高い」
一方で、遠藤氏の投資手法やビジネスモデルに対して、懐疑的あるいは批判的な評価も存在します。

出典:X(旧Twitter)

出典:X(旧Twitter)


とくに多く聞かれる批判の1つが、その「投資手法の再現性」に対する疑問です。
「書籍に書かれている『時価総額300億円以下』『社長が大株主』といった基準は理解できるが、いざ自分で銘柄を選ぼうとすると、どの企業が本当に買いなのか判断できない」
という趣旨の不満です。
「遠藤氏が投資に成功したのは、本人に分析力や経験値、あるいは運の要素があったからであり、誰もが同じ結果を出せるほど甘くはない」
という現実的な指摘があります。
さらにシビアな評判が、投資コミュニティ「ixi」の費用対効果についてです。
「金額に見合うだけのリターンが得られなかった」
といった、コストパフォーマンスに疑問を呈する声が存在します。
「コミュニティとしての交流は楽しいが、投資サロンとして期待していたほどの具体的な成果は出ていない」
といった意見も見受けられました。
書籍を入り口として、小型株集中投資に夢を抱いた読者が、さらに具体的なノウハウを求めて「ixi」の門を叩こうとした際、高額な費用が大きな壁となります。
勇気を出して「ixi」に入会したものの、期待したほどの「答え(=儲かる銘柄)」が得られなかった場合、その不満は「高額な情報商材ビジネスではないのか?」という、遠藤氏のビジネスモデルへの懐疑的な視線へと変化していくようです。
【まとめ】評判から分析!遠藤洋の投資手法が向いている人or不向きな人は?
遠藤洋氏が「10万円から1億円」という強烈なメッセージとともに、「小型株集中投資」の魅力と可能性を多くの個人投資家に知らしめた功績は大きいといえます。
一方で、小型株集中投資の再現性や、高額なコミュニティ運営というビジネスモデルについては、賛否両論の評判が存在するのも事実です。
遠藤氏の書籍は、投資の勉強を始める上での入門書として有効で、書籍で基礎知識を得る、というアプローチは合理的でしょう。
しかし、小型株集中投資は、戦略(集中投資)と対象(小型株)の両面から、非常にハイリスク・ハイリターンな手法です。
小型株集中投資は、投資のセオリーである分散投資とは真逆の手法です。
選定した小型株の銘柄の業績が悪化すれば、資産に致命的なダメージを受ける可能性があります。
小型株には高いボラティリティ(価格変動)や流動性リスク(売買のしにくさ)も伴います。
小型株集中投資は、安定的な資産形成を目指す人には全く向いていない手法ですが、遠藤氏の書籍では、上記に挙げたリスクについて深くは語られていない点に注意が必要です。
さらに、遠藤氏のノウハウの核心部分や、より具体的な情報を求めてオンラインサロン「ixi」の門を叩く場合、年間数十万円という高額な費用が発生します。
高額な費用を払ってでも得たい情報がそこにあるのか、冷静な判断が求められます。
とくに「10万円から」という言葉を信じて投資を始めようとする初心者や未経験者にとって、ixiの会費はおそらく投資元本を大きく上回るものであり、本末転倒になりかねません。
遠藤氏の書籍から学ぶことは多いですが、その手法を実践するかどうか、あるいは高額なコミュニティに参加するかは、そのリスクを十分に理解した上で、ご自身の投資目的と資産状況に照らし合わせて判断すべきでしょう。
■遠藤洋氏を過去に検証したコチラの記事もご覧ください



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