「藤井英敏……ああ、株系メディアでよく見る名前ね」なんて思ったそこのあなた。
ちょっと待った。藤井氏の名前はよく見かけるけど、いざ正体を掘ってみると、そこには 「思ったより深い沼(?)」が広がっていたりするかもしれません。
一部では「藤井氏が紹介していた投資顧問会社が、金融庁から行政処分を受けた」なんていう、聞き捨てならない噂が……。
これって、本当なのでしょうか? もし本当なら、そんな人物が推奨する銘柄や投資手法を、我々か弱い個人投資家が信じてしまってよいのでしょうか?
本記事では、藤井英敏氏の経歴や評判、そして投資手法まで、徹底的にメス入れしてみました。
最後には「藤井氏の投資情報や投資判断に使う価値あるの?」という核心にズバッと迫ります。
先にざっと結論を言ってしまえば、「使い方を間違えなければアリ」。ただし、「地雷原を歩く覚悟」は必要かもしれません。
【疑惑の真相】カブ知恵と悪徳投資顧問との関係と行政処分
さて、いきなり核心から参りましょう。
藤井氏にまつわる最もヘビーな疑惑、それは「悪徳投資顧問を紹介していた」というものです。
火のない所に煙は立たぬ、と言いますが、果たしてこの煙の出所はどこなのでしょうか?
藤井英敏が紹介していた投資顧問とは?
藤井氏が過去に自身のメディア「カブ知恵」で下記の3つの投資顧問を紹介していました。
- AAA(トリプルエー)投資顧問
- ジャパンストックトレード(現・ミリオンストック投資顧問)
- 新生ジャパン投資
いやもう、怪しい名前ばかりで胸焼けしそうですね。
ご存じの方もいるかもしれませんが、これらの会社は非常に評判がよろしくないです。
とくに注目すべきは「ジャパンストックトレード(株式会社ストックジャパン)」。金融庁が2023年12月15日付で行政処分を下しています。
金融庁による行政処分の内容をわかりやすく解説

金融庁の発表を要約すると、処分の理由は以下のとおりです。
- 推奨銘柄を自分で先に買い、顧客の買い注文で株価が上がった後に売り抜ける「先回り買い」を実施。
- 助言実態がないにもかかわらず高額な報酬を請求したり、顧客の資産状況を無視した強引な勧誘を行うなど、業務運営も著しく不適切だった。
要するに、顧客を不当に搾取する行為があったのです。
控えめに言っても「悪徳」と断じざるを得ない、かなり悪質な手口です。顧客を自分の利益のための「カモ」としか見ていない、と言われても仕方ないでしょう。
もちろん、藤井氏自身が直接行政処分を受けたわけではありません。
ここで重要なのは、藤井氏がこの行政処分を受けたジャパンストックトレードを、過去に優良な投資顧問であるかのように紹介していたという事実です。
しかし、「あの藤井先生が勧めるなら……」と信じて契約し、被害に遭った投資家がいた可能性は否定できないです。
さらに、ジャパンストックトレードが行政処分を受ける直前に、カブ知恵のオススメ投資顧問から削除したという情報もあります。
いずれにせよこの件は、藤井氏の信頼性に大きな疑問符が付いた出来事だったのは間違いないしょう。
現在の「カブ知恵」の運営状況とサービス内容
現在もカブ知恵は健在です。

以前と変わらずに運営されているようですね(オススメ投資顧問は新生ジャパン投資だけになってましたが……)。
更新はほぼ毎日されており、PTS値上がりランキングや52週高値銘柄、IPO銘柄、増担保規制解除(増担解除)などの情報があります。

無料メルマガもあり、こちらでは厳選銘柄や特選情報、レーティング情報を配信してくれるそうです。

カブ知恵はサイトとメルマガ配信を含めて完全無料で利用できるとのこと。
しかし、ボランティアで活動しているわけはないため、メルマガに登録すると、おそらく有料コンテンツの案内があるのではないでしょうか。
藤井英敏の評判を調べたら仕手株スキームの情報あり
行政処分の一件だけでも十分に「ヤバい」のですが、藤井氏の評判をさらに探ると、別の疑惑も浮上してきます。
それは「仕手株」との関連です。
X(旧Twitter)では、以下のような投稿が見られます。
どうやら藤井氏がYahoo!ファイナンスの掲示板にて虚偽の情報を流した模様。
それを令和の相場師こと「トンピン」氏に指摘され、謝罪する事態になったそうです。
藤井氏は「保有株が含み損を抱えており嫌がらせと話題作りのためやった」と弁明していますが、株価操作の「仕手」が目的だったのではとの疑惑があります。
当然のように投資家から非難が集中。
「即刻引退しろ」「逮捕案件」など厳しい意見が飛び交っています。
ただし、ここで冷静にならないといけません。
これらの口コミはあくまで一例。藤井氏に関するネット上の口コミは、驚くほど数が少なく、その多くが断片的なものです。
そのため、「評判」という側面だけで彼を評価するのは、非常に危険であり、フェアではないでしょう。
噂は噂として認識しつつ、フラットな目線で他の情報も見ていくことが重要です。
藤井英敏は本当に怪しいのか?経歴と活動を調査

黒い噂ばかり見ていても気が滅入りますので、一度ニュートラルな視点に戻りましょう。
そもそも藤井英敏氏とは、どのようなキャリアを歩んできた人物なのでしょうか?
経歴と学歴、株式アナリストまでの道
藤井氏の経歴はダイヤモンドZAi(ザイ)や扶桑社などの情報をまとめると下記のとおりです。
学歴 | 1989年、早稲田大学政治経済学部経済学科 卒業 |
職歴 | ・日興証券(現:SMBC日興証券)入社 ・独立系投資顧問会社・株式会社フィスコ(執行役員リサーチ部長) ・2005年、株式会社カブ知恵を設立し独立 |
キャリアは意外と堅実です。
早稲田大学政治経済学部卒業、日興証券→フィスコ執行役員→独立という絵に描いたような「金融エリート街道」。途中で外れてスピンオフした感じですね。
2005年には「カブ知恵」を設立し、個人投資家向けのコメンテーターへと変貌。
これは当時のネット証券ブームにもうまく乗っかっていたと言えます。
経歴はしっかり開示しており、怪しいところもないため問題なしと言えるでしょう。
ただし、カブ知恵のプロフィールのリンクが機能していないのか、別の投資サービスにつながっているのが気になりましたが……。
メディアでの活動(ダイヤモンドZAi、マネーポストなど)と出版物
独立後は、その専門知識とキャラクターを活かし、メディアで大活躍します。
- 主要な寄稿メディア:『ダイヤモンドZAi』『ネットマネー』『マネーポスト』など
- 主な著書:『おいしい株の見つけ方』
とくに、個人投資家向けの雑誌でのコラム連載は常連。
ダイヤモンドZAiオンラインの『最下層からの成り上がり投資術!』は藤井氏の代表的なコラムでしょう。

メディアでは「断定的な物言い」と「わかりやすさ」がウケて、多くのファンを獲得しました。
曖昧な表現に終始しがちなアナリストが多い中で、彼の「買いだ!」「売りだ!」とはっきり言うスタイルは、迷える個人投資家にとって頼もしい灯台のように見えたのかもしれません。
X(旧Twitter)での情報発信の特徴
藤井氏はXでも情報発信をしています。

内容はカブ知恵のXアカウントのリポストが中心です。
カブ知恵のポストは、市況解説や注目テーマ、政治・経済ニュースへのコメントが中心となります。
1年で資産7倍?藤井英敏の「25日移動平均線」投資手法
藤井氏は2016年に100万円を投入し、日本株の短期売買でどの程度まで増やせるかを検証。
その結果、1年で7倍にも増やすことができたそうです。
そのときの手法が「25日移動平均線を活用した、テーマ株のスイングトレード」で、鉄則は以下の3つになります。
- 鉄則1:上昇トレンドの強い銘柄を狙う(順張り)
- 鉄則2:「イナゴタワー」を避けるための損切りルール
- 鉄則3:軸となるのは「国策」関連銘柄
鉄則1:上昇トレンドの強い銘柄を狙う(順張り)
まず大前提として、藤井氏が狙うのは「上昇トレンドにある銘柄」のみです。
いわゆる「順張り」というやつですね。
そして、その上昇トレンドを判断する最も重要な指標が「25日移動平均線」です。
- 買いの条件:株価が25日移動平均線よりも上にあること
- 売りの条件:株価が25日移動平均線を割り込むこと

「トレンドに乗れ」。これはトレーダー界隈の合言葉。
藤井氏も例に漏れず、25日移動平均線より株価が上にある銘柄を好む、いわゆる「順張り屋」のようです。
鉄則2:「イナゴタワー」を避けるための損切りルール
急騰した銘柄に投資家の買いが殺到し、高値づかみの投資家たちが逃げ遅れて大損する……。
「イナゴタワー」と呼ばれる、株式市場の風物詩(?)です。
この悲惨な末路を避けるため、藤井氏は株価の5日移動平均線割れで逃げろと説いています。
彼によれば、5日移動平均線割れはイナゴタワー崩壊の予兆とのこと。
そして、25日移動平均線を割ったら、倒壊はほぼ確実だそう。
よって、これらは確認したら問答無用で損切りするとしています。
鉄則3:軸となるのは「国策」関連銘柄
では、どの銘柄の「25日移動平均線」を監視すればいいのでしょうか。
その答えが「テーマ株」、特に「国策」です。
- 国策に売りなし:政府が巨額の予算を投じて推進する政策(例:防衛、DX、子育て支援など)に関連する企業は、長期的に業績が伸びる傾向あり
- カタリスト(きっかけ)重視:オリンピック、選挙、万博など、市場の注目を集める大きなイベントも、株価を動かす材料になり得る
つまり、世の中の大きな流れやニュースを常にチェックし、「次にお金が集まりそうなテーマは何か?」を先読みして、関連銘柄のチャートを監視する。
そして、株価が25日移動平均線の上で動き出したらエントリーする、というのが藤井流の真骨頂です。
というように、言葉でいうのは簡単ですが、どのテーマのどの銘柄が近々人気化するかなんて、予知能力者でもない限りわかりません。
ちなみに、藤井氏は2017年に「五洋インテックス(7519)」と「ディー・ディー・エス(3782)」という銘柄で大きな利益を上げたとのこと。

どちらも材料投下による一時的な急騰を捉えた感じですね。
こうした動きの銘柄には仕手株も含まれます。
そして仕手株はつかまされたら逃げる間もなくナイアガラ……。よって、取引する銘柄は流動性など注意したいですね。
藤井英敏は投資情報として利用する価値があるのか?
結論から言えば、「毒にも薬にもなる」というのが藤井英敏氏の評価です。
投資手法が一貫しておりわかりやすい点は評価できます。
また、数々のメディアに登場していることからも話はおもしろく、分析力もそれなりに評価されているのでしょう。
一方で、過去に行政処分を受けた業者を紹介していた点は見逃せません。
手法の再現には高いメンタルコントロールが必要で、安易に真似すると損失リスクが高まる点にも注意が必要です。
結局のところ、藤井氏という存在は「情報という道具」にしか過ぎません。
情報を武器にするも、毒にするも、扱う者次第。藤井氏の知見を「ツール」として使いこなせるなら、それはあなたにとって有益な選択肢になるでしょう。
ただし、道具の扱いを誤れば……はい、ご想像のとおりです。
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