「簡単に稼げる」「選ぶだけ」。
これはSNS上でまん延している「バイナリーオプション」という金融商品の広告のキャッチフレーズです。
人気お笑いコンビ「さらば青春の光」はYouTube動画にて、まさにそのバイナリーオプションに挑戦しました。
動画に登場したゲストのお笑いコンビ・きつねの大津広次氏は、バイナリーオプションを「FXバカラ」と表現し、結局のところ最終判断はまさかのタロット任せとなりました。
最終的に取引結果は12万5,000円のマイナスに…。
なぜ彼らはバイナリーオプションの取引を専門知識ではなく、「占い」に頼らざるを得なかったのでしょうか?
この記事では、バイナリーオプションの仕組みから、「なぜバイナリーオプションが危険と言われるのか」「バイナリーオプションはやるべきかどうか」の判断材料まで、動画の具体例を交えながら解説します。
そもそもバイナリーオプションとは?
バイナリーオプションはSNSで『投資』として紹介されがちですが、その仕組みは株式投資やFX(外国為替証拠金取引)とは根本的に異なります。
バイナリーオプションとはいったい何なのか、まずはその正体から見ていきましょう。
仕組みは「上がるか・下がるか」を予測する取引
バイナリーオプションとは、為替や株価指数の「ある時点で上がるか下がるか」を予測してお金を賭ける取引です。

名前の「バイナリー(Binary)」は「二者択一」を意味し、その結果は0か1かのみです。
例えば、「1ドル=150円の時に、30分後に円安になるか円高になる」を予測するだけというものです。
上がる(円安になる)と思えば「High」、下がる(円高になる)と思えば「Low」を選択します。
的中すれば定額のペイアウト(たとえば1,000円)がもらえ、外れれば投資額はゼロになります。
一見シンプルで、誰でもできそうな取引ですよね。
さらば青春の光のYouTube動画でも「上か下か選ぶだけ」ときつね大津氏が語っていました。
しかし、そこが最大の罠なのです。
FXや株式投資との決定的な違い
FXや株式投資と比較すると、その違いは一目瞭然です。
| バイナリーオプション (BO) | FX (レバレッジ取引) | 株式投資 (現物) | |
| 性質 | 投機 | 投機 | 投資 |
| 時間軸 | 短期 (国内は最短2時間) | 短期~中長期 | 短期~中長期 |
| 損失リスク | 投資額の全額 | 投資額の一部または全部 (ロスカット) | 投資額の一部 (全損はまれ) |
| リスク管理 | 不可 (全損かペイアウトのみ) | 可能 (損切り注文) | 可能 (損切り注文、分散) |
| 期待収益率 | 構造的にマイナス | 市場次第 (ゼロサム) | プラス (経済成長に伴う) |
| 業者との関係 | 利益相反 (カウンターパーティ) | 利益相反(OTC) または 中立(ECN) | 中立 (仲介) |
最大の違いは、「損失の仕方」と「時間の制約」にあります。
FXや株式投資は、価格が下がっても、「損切り(ストップロス)」注文で損失を限定したり、価格が戻るまで「待つ(塩漬け)」という選択が(推奨はされませんが)可能です。
損失は投資額の一部が残る可能性があります。
それに対して、バイナリーオプションは「判定時刻」という厳格な時間制限が特徴です。
予測がたとえ0.1銭でも外れれば、投資額は「全額没収」され、損切りといったことはできません。
つまり、株やFXは「時間を味方につけて」戦えるのに対し、バイナリーオプションは「ピンポイントで上がるか下がるか」を当てなければならないのです。
バイナリーオプションが「やめとけ」と言われる5つの深刻な理由
「バイナリーオプション」と検索すると、「やめとけ」「危険」という警告が目に入ります。
これには明確かつ深刻な理由が存在するのです。
さらば青春の光のYouTube動画で見られた「占い頼み」の姿にも、そのヒントが隠されています。
理由1:【構造的欠陥】期待値がマイナスの不利なゲーム「FXバカラ」
一見50%の確率で勝てそうなバイナリーオプションですが、実際は違います。
ペイアウト倍率は2倍ではなく1.8〜1.9倍程度に設定されており、数学的にプレイヤーが必ず損をするよう設計されています。
つまり、1000円賭けて勝っても1900円。負ければ0円。確率50%で繰り返せば、1回ごとに50円ずつ減るゲームなのです。
これはまさに「ハウスエッジ付きのカジノ」といってよいでしょう。
さらば青春の光のYouTube動画できつね大津氏がバイナリーオプションを「FXバカラ」と呼んだのは、笑いではなく真理でした。
よって、 バイナリーオプションは統計的に勝ち続けるのは不可能なのです。
さらば青春の光のYouTube動画でも、最終的に約51万円の投資に対し、12万5,000円の損失を出しています。

これは、期待値マイナスのゲームに挑んだ結果としては、極めて順当な結果といえるでしょう。
理由2:【金融リスク】「ピンポイント予測」は専門家でも超困難
金融庁も警告しているように、「一定時間後のレートを正確に当てる」のは専門家でも極めて難しいです。

さらば青春の光のYouTube動画では、投資に詳しいきつね大津氏も難しいとお手上げとのこと。
最終的に、もう一人のゲストの占い師・ギブ↑大久保氏の「タロット占い」に投資判断が丸投げされました。

為替は経済指標や政治発言、AIの売買アルゴリズムなど無数の要因で動くため、「数分後に0.1円上がるか下がるか」なんて、人間に予測するのは困難です。
ピンポイント予測は、「勘」でしかない世界なのです。
理由3:【心理的リスク】「ギャンブル依存症」を誘発するスロットマシンの罠
バイナリーオプションが「やめとけ」と言われる最も根深い理由の1つが、そのギャンブル性の高さです。
その取引の特性は、深刻なギャンブル依存症を誘発するように設計された、最先端のデジタル・スロットマシンと酷似しています。
- 単純な操作:「High/Low」をクリックするだけ。動画でもタロット占いの結果を聞いてボタンを押すだけでした。
- 即時の結果:国内業者は最短2時間ですが、違法な海外業者なら数十秒で結果がわかります。
- 連続的な機会:判定が終われば、すぐに次の取引ができてしまいます。
このループが「マシンゾーン」と呼ばれる依存状態を生み出します。
負けても「もう1回やれば取り返せる」と錯覚し、冷静な判断を失う。
さらば青春の光のYouTube動画でも、「あと1分!」「もう少しでまくれる!」と声を張り上げる彼らの姿は、まるでパチンコ台にかじりつく人間そのものでした。
笑えるうちはいいですが、本気でリアルマネーを突っ込めば笑えない未来が待っています。
理由4:【投資詐欺の温床】SNSの「絶対儲かる」は間違いなく100%詐欺
バイナリーオプションの周辺には、ハイエナのように初心者を狙う投資詐欺が蔓延しています。
「バイナリーオプション」とSNSで検索してみてください。
豪華な暮らしをアピールし、「初心者でも簡単」「レクチャーします」「絶対儲かる」と誘う怪しげなアカウントが大量に見つかるはずです。
その多くは、警察庁や金融庁が警告する「SNS型投資詐欺」の入口です。
最終的に投資詐欺グループに騙され、多額の損失を出したという相談が後を絶ちません。
理由5:【違法業者】海外の無登録業者は「投資詐欺集団」そのもの
前述の投資詐欺の「舞台装置」として使われるのが、「海外の無登録業者」です。
金融庁に登録していない海外業者は、日本人にサービスを提供すること自体が違法です。
無登録業者について「業務の実態などの把握が難しく、仮にトラブルが生じたとしても業者への追及は極めて困難」と強く警告しています。

最も多いトラブルは「出金を求めても応じてもらえない」(出金拒否)なのですが、無登録業者は金融商品取引業者などではなく、金融商品の外観を悪用した純粋な投資詐欺集団である可能性が極めて高いのです。
さらば青春の光のYouTube動画でも、きつね大津氏が最初に紹介した投資手法が「イースター諸島共和国経由」という怪しさ満点のものでしたが、調べた結果「非合法」と判明しています。
こうした違法な投資詐欺っぽい話は身近にあふれていますので注意しないといけません。
バイナリーオプションにメリットはあるのか?
これだけリスクを並べ立てると、「バイナリーオプションのメリットはゼロなのか?」と思われるかもしれません。
金融商品として、他の投機(FXなど)と比較した場合の(唯一ともいえる)メリットは存在します。
わかりやすく損失額が限定されているのがメリット
バイナリーオプションは、FXのような「レバレッジ」がありません。
したがって最大の損失は、最初に支払った「購入金額(オプション料)」に限定されます。
予測が外れた場合、その購入額は全額失いますが、それ以上の損失(追証など)を請求されることはありません。
「負けても失うのはこの金額だけ」と、リスクの上限が取引開始前に明確に決まっている点はメリットといえるでしょう。
もしやるとしても、国内業者一択(ただし推奨はしない)
それでも「バイナリーオプションをやってみたい」と思うなら、絶対に国内の登録業者を使いましょう。
「楽天証券」や「GMOクリック証券」など、金融庁登録済みの金融機関は出金拒否などの詐欺リスクはほぼゼロです。
さらば青春の光のYouTube動画でも、楽天証券のバイナリーオプションを使用していました。
とはいえ、構造的には依然としてバイナリーオプションはマイナス期待値なのは忘れてはいけません。
【さらば青春の光の体験からの教訓】バイナリーオプションは投資でなく「ギャンブル」
ここまで見てきたように、バイナリーオプションは、中長期的な資産形成を目指す「投資」の手段には絶対になり得ません。
その本質は、期待値が構造的にマイナスであり、依存症を誘発する心理的リスクを抱えた、カジノやスロットマシンとなんら変わらない、極めて不利な「投機(ギャンブル)」です。
さらば青春の光のYouTube動画は、その現実を見事に(そして皮肉たっぷりに)描き出しています。
合理的な分析が不可能なため、彼らは「タロット占い」という「運」に50万円以上のお金を賭け、そして(ギャンブルとして)順当に負けました。
動画に登場していた占い師・ギブ↑大久保氏が最後に占ったときに出たタロットカードが「うまくいかない」だったというオチまで含めて、この動画はバイナリーオプションの真実を伝える最高の教材といえるかもしれません。
SNSの「簡単」「儲かる」という言葉に踊らされてはいけません。
「投資」をしたいのであれば、バイナリーオプションは選択肢から外すべきです。
全額失っても構わない「娯楽費(ギャンブル予算)」として、国内の正規業者で「遊ぶ」というのであれば止めません。
しかし、そこに「資産を増やす」という期待を抱くのは、占いに頼ってバカラに挑むのとまったく同じことなのです。
■きつね大津氏の投資について知りたい方はコチラ


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