川合俊一氏は、元バレーボール日本代表キャプテンで現・日本バレーボール協会会長です。
実は川合氏には株式投資にも精通した「もう一つの顔」を持つことで知られています。
しかもかなりの本格派です。
株式投資で資産2億円を築いたほどの実力者なのです。
ただし、その頂点から、ライブドア・ショックでわずか数年のうちに1億5,000万円を失うというドラマチックな展開までセット。
この記事では、川合氏の波乱万丈な投資人生を追いながら、川合流の投資哲学、そしてそこから学べる教訓を徹底的に掘り下げていきます。
川合氏の成功と失敗の両面から、あなたが明日から実践できる資産形成の普遍的な教訓を一緒に見つけにいきましょう。
浮き沈みの激しい投資遍歴!川合俊一の資産推移

川合俊一氏の投資家としての道のりは、まさに天国と地獄です。
その資産推移を追うだけで、日本経済の大きなうねりを体感できるかのようです。
いったいどのようにして資産を築き、そして失い、また立ち上がってきたのか、本人のインタビュー記事から読み取ってみましょう。
【黎明期】バブル期に投資デビュー
川合氏が投資の世界に足を踏み入れたのは、日本中が熱狂に浮かれた1980年代後半のバブル経済の真っ只中でした。
当時の銀行預金の金利は7〜8%、「どの株を買っても上がる」といわれた、今では信じられないような時代です。
知人に「株なら安く買える」と勧められ、手持ちの140万円で大日本印刷と大日本インキ(現DIC)の2銘柄を購入。
海外遠征から帰国すると、なんと資産は倍に膨れ上がっていたそうです。

このビギナーズラックが、川合氏の「投資家魂」に火をつけたのは言うまでもありません。
「投資、チョロいじゃん!」と思ったかどうかは定かではありませんが、この成功体験が後の大胆な投資スタイルにつながっていったことは想像に難くないでしょう。
【ピーク期】未公開株投資の大成功で資産2億円へ
本格的に投資を再開してからの川合氏の快進撃は凄まじいものがありました。
とくに川合氏の資産を爆発的に増やしたのが、その広い人脈を活かした「未公開株」への投資です。
その代表例が、現在東証プライムに上場するネクシィーズグループへの投資でした。
まだ社員十数名の頃に創業者から直接「応援してほしい」と頼まれ、500万円を出資。
正直、当時は半信半疑だったそうですが、2002年にネクシィーズグループが見事上場を果たすと、その価値はなんと3,500万円にまで跳ね上がりました。

まさにホームラン級の大当たりです。
こうした成功がいくつも重なり、2006年のライブドア・ショック前には、川合氏の株式資産は自己最高の2億円にまで到達したのです。
誰もが羨む成功者、それが当時の川合氏でした。
しかし、株式市場というのは優しく微笑んでくれる時間が長く続く場所ではありません。
【暴落期】2つのショックで資産の75%を失う
絶頂期にあった川合氏を、悪夢が襲います。
2006年のライブドア・ショックです。
当時、川合氏のポートフォリオはIT関連の成長株に大きく偏っていました。
時代の寵児に乗っかる戦略は、市場が好調なときは資産を増やしますが、ひとたび風向きが変われば、そのダメージは計り知れません。
川合氏の資産は「朝起きるたびに500万円ずつ消えていく」という凄まじい勢いで減少し、ピーク時に2億円あった資産は、わずか5,000万円にまで激減しました。

実に75%もの資産を失うという壊滅的な打撃を受けました。
失った資産は、合計で1億5,000万円にものぼります。
普通なら心が折れて市場から退場してもおかしくない、まさに地獄のような経験です。
【回復期】猛勉強の末、資産1億円規模へ
常人ならトラウマになりそうな大失敗した川合氏ですが、そこはトップアスリート。
川合氏は諦めませんでした。
この大損失を「人間、お金を持ちすぎるとろくなことがない。神様がそうならないようにしてくれた」と、驚くべきポジティブさで受け止めます。
「2セット目を取られても3セット目がある。3セット目は戦い方を変えないといけない」
と、まさにバレーボール選手的な思考でリベンジを開始します。

そして、これまでの運や感覚に頼った投資を猛省し、経済ニュースを読み解き、テクニカル分析を学ぶなど、猛勉強を始めたとのこと。
失敗から学び、投資手法を改善し続けた結果、約10年かけて資産を1億円規模まで回復させたと伝えられています。
この驚異的な回復力こそ、川合氏の投資家としての真骨頂と言えるかもしれません。
川合俊一流!投資の哲学と3つの具体的戦略
1億5,000万円を失ってもなお株式市場に立ち続け、資産を回復させた川合俊一氏。
その投資スタイルの根底には、いったいどのような哲学や戦略があるのでしょうか?
一見すると破天荒なその投資術は、実は3つの柱で構成されています。
1. ニュースの「先読み」と「関連付け」
川合氏の戦略の根幹をなすのが、ニュースの裏側を読み解き、次に来るトレンドを予測する「先読み」の力です。
ただニュースを見るのではなく、「この出来事が起きると、次はどの業界が儲かるか?」という連想ゲームを常に頭の中で行っています。
例えば、日本近海でメタンハイドレートが発見されたというニュースが出たときのことです。
多くの人が「資源が見つかった」で終わるところを、川合氏は「海から採掘するなら船が必要だ!」と連想し、海運会社の株を購入しました。
結果、株価は急騰しました。

また、2020年のコロナ禍でマスク不足が深刻化した際には、いち早く不織布を扱う川本産業に目をつけ、大きな利益を上げています。
政府が宇宙ベンチャーに1,000億円の出資を決めれば、関連企業のIHI株を買う。
この一連の動きは、世の中の流れを敏感に察知し、素早く行動に移す、川合氏の真骨頂といえるでしょう。
2.「出来高」に注目したテクニカル分析
ニュースというマクロな視点だけでなく、川合氏は株価チャートの細かい動きにも注目します。
とくに重視しているのが、株の売買がどれだけ活発に行われたかを示す「出来高」です。
そのやり方は非常にユニークです。
普段は閑散としているのに、時々、何の前触れもなく出来高が急増し、またすぐに元に戻るような「クセのある銘柄」を複数リストアップしておくそうです。

そして、その動きを毎日観察し続け、「お、また来たな!」というタイミングを捉えて素早くエントリーします。
これは、もはや職人技の域かもしれません。
「早起きは三文の得」と語るように、朝9時の市場が開く前から画面に張り付く地道な努力が、この戦略を支えています。
3. 「縁」と「納得感」を重視する独自の哲学
川合氏の投資を最も特徴づけているのが、データや理論だけでは説明できない「縁」と「納得感」を大切にする姿勢です。
たまたま飲み会で出会った社長の会社の株を「何かの縁だから」と買ってみる。
父親が勤めていた会社と、自分がかつて所属した会社がコロナ治療薬を共同開発すると聞けば、「これは買うしかないだろう!」と投資を決断します。
誰かに勧められたから買うのではなく、「自分が理解できて、納得できるか」がすべて。
だからこそ、失敗しても他人のせいにせず、成功すれば心から喜べる。
このように、合理的に利益を追及するよりも、「自分の納得」を重視するのが川合流なのでしょう。
【世間の評判】川合俊一の投資スタイルへの口コミを調査
さて、川合俊一氏の投資スタイルについての世間の評価はどうなのでしょうか?
これだけオープンに投資について語る著名人も珍しく、そのスタイルに対する世間の評価は賛否両論、真っ二つに分かれています。
好意的な意見:失敗にへこたれないメンタルはさすが
やはり、多くの人が川合氏の驚異的な精神力に称賛の声を送っています。
- 元日本代表のキャプテンだけあってメンタルが強い
- 失敗しても切り替えて再挑戦するところは尊敬できる
- 投資エピソードが単純に面白い
このような声が多数です。
大金を失ったことを笑い話にできる器の大きさや、失敗をおそれずにチャレンジし続ける姿勢は、多くの人に勇気を与えているようです。
「川合さんの写真をスマホの待ち受け画面にしたら運気が上がる」なんていう都市伝説まで生まれるほど、そのポジティブなオーラは人を惹きつけています。
注意・批判的な意見:ハイリスクすぎて投資のイメージを悪くする
一方で、川合氏のハイリスクな投資手法に対しては、批判的な意見も少なくありません。
特に、経験豊富な投資家からは「やっていることはギャンブルと変わらない」「あまりにも無謀」といった厳しい指摘が見られます。
影響力のある人が投機的なスタイルで大損している話をTVで語ることで、「投資=ギャンブル」のイメージが強まってしまうと懸念されるのもしかたないでしょう。
【まとめ】川合俊一の投資から何が学べるのか?
川合俊一氏の投資人生は、成功と失敗が入り混じる「ジェットコースター」そのものです。
未公開株で資産2億円を築き、ショック相場で1億5,000万円を失い、それでも1億円まで回復させました。
まさに「勝っても負けてもコートに立ち続ける男」です。
川合氏の投資方法は、正直言って一般人には再現性が低いです。
しかし、失敗から学ぶ姿勢、損をしても笑える胆力、そして「自己責任で納得する覚悟」——これこそが真似すべき「川合流の本質」です。
川合氏の投資手法をコピーするのではなく、その経験を反面教師として、自分自身の投資戦略を見つめ直す。
それこそが、稀代の「アスリート投資家」川合俊一から学ぶべき、最も価値あることなのかもしれません。



『川合俊一 (@shunichi_kawai_1)』の口コミ
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