「資産20億円の89歳、現役トレーダー」。それがシゲルさんこと、藤本茂氏です。
その肩書は誇張ではありません。
藤本氏は御年89歳にして、今なお毎日パソコンに向かい、デイトレードをこなし、相場から莫大な利益を上げ続けているのです。
そんな偉大な相場師の投資手法や保有している銘柄は、喉から手が出るほど気になりますよね。
この記事では、藤本氏の経歴から投資手法、最新の保有銘柄、そして投資界隈からの評判まで、その実像を徹底的に解剖していきます。
この記事を読み終えるころには、藤本氏の投資情報を活かす方法がわかり、自分の投資観をアップデートするヒントがきっと見つかるはずです。
藤本茂とは?「日本のバフェット」と呼ばれる伝説のトレーダー

まず、藤本茂氏がどのような人物か確認していきましょう。
その驚くべきプロフィールから、日々の活動、情報発信に至るまで、まずはその人物像に迫ります。
御年89歳の現役!プロフィールと経歴、家族構成
藤本氏は1936年兵庫県生まれ。2025年現在で、なんと御年89歳。
驚くべきことに、藤本茂は今もなお現役のトレーダーとして、日々市場と対峙しています。
投資の世界に足を踏み入れたのは19歳の時。きっかけは知人の紹介で証券会社に入社したこと。
そこで株式投資の魅力に取り憑かれ、以来、実に70年もの長きにわたり相場と向き合い続けています。
まさに「相場の生き字引」ですね。
その後、ペットショップを開業し、地価上昇を機に売却。雀荘経営では月収200万円を稼ぎ出すなど、起業家としても成功しました。
この起業家としての経験が、企業の価値を「経営者の目線」で分析する独自のスタイルの礎を築いたようです。
家庭面では奥様とお暮らしになられており、長年インコを飼育。代々「ピーちゃん」と名付けている愛鳥は現在13代目。
なお、お子さんについての情報は非公開です。
家族構成については公にされている情報は少ないですが、その人生の大部分を「相場」という名の家族と過ごしてきたともいえるかもしれません。
資産20億円!「ボケてる暇はあらへんで」を人生哲学に毎日取引
藤本氏を語る上で欠かせないのが、その驚異的な資産額です。
現在、株式資産は20億円を超えると公言されています。
70年間の投資人生で築き上げたその資産は、藤本氏の哲学と手法が本物である証明と言えるでしょう。
藤本氏の人生哲学は「ボケてる暇はあらへんで」。この一言に、その生き様が凝縮されています。

現在も午前2時起床、米国市場を確認後、寄り付きからデイトレードに挑みます。
本人いわく「デイトレは究極の脳トレ」だそうです。

情報発信メディアはX(旧Twitter)とコラム連載

藤本氏はSNSも活用しています。
アカウント(@ShigeruFujimot0)を持ち、自身の相場観や気づきを積極的に発信しています。
さらに「ダイヤモンド・オンライン」でのコラム連載、YouTubeやテレビ出演、海外メディアからのインタビューなど、発信活動は多方面。
80代後半でインフルエンサー化するあたり、「最新モデル」ぶりが際立ちます。
投資本の執筆活動も精力的に行う
藤本氏の影響力は、メディア露出だけにとどまりません。
自身の投資哲学とノウハウをまとめた書籍も執筆しています。
とくに、2023年に出版された『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え』は、12万部を超えるベストセラーとなりました。

投資本としては異例の売れ行きで、読者から「バイブル」との声もあります。
藤本茂はどう評価されている?リアルな評判・口コミ
さて、そんな藤本茂氏ですが、世間の投資家たちはどう見ているのでしょうか?
SNSなどからリアルな評判や口コミを拾い集めてみました。
経験と実績に裏打ちされた発言がタメになるとの声
SNS上で最も多く見られるのが、藤本氏の経験に裏打ちされた言葉への信頼と尊敬の声です。
やはり、バブル崩壊やリーマンショックなど、数々の修羅場を乗り越えてきた人物の発言は、単なるテクニック論を超えた説得力を持つようです。
その言葉には、確かな現場のにおいと、一筋縄ではいかないリアリティが宿っているのでしょう。
書籍が実践的で参考になると評価
著書に対する評価も非常に高いものがあります。
藤本氏のノウハウが、精神論だけでなく、すぐにでも実践可能な具体的なフレームワークに基づいている点が、高く評価されています。
「これを読めば勝てる」といった安易な煽り文句ではなく、投資家が知っておくべき「本質」を教えてくれる、そんな内容が多くの読者の心をつかんでいるようです。
ネガティブな評価・口コミはほとんどない
藤本氏に対する批判らしい批判はほぼ皆無です。
ただし、「ウォーレン・バフェットと比較するのは違和感」との声が一部にあります。
たしかに藤本氏はデイトレードを多用するため、長期投資家のウォーレン・バフェット氏とはスタイルが異なります。
「メディアに美化された成功談」。そうした穿った見方をする人たちがいても仕方ありません
藤本茂の投資手法【資産20億円のトレード術】
それでは、いよいよ本題である藤本茂氏の投資手法の核心に迫っていきましょう。
投資スタイルは規律と分析のハイブリッドアプローチ
投資スタイルの特徴は以下のとおりです。
- 独自スタイル「ファンダメンタルズ・デイトレーダー」
- 起業家経験に裏打ちされたビジネス視点
- 取引期間は1日~数週間
独自スタイル「ファンダメンタルズ・デイトレーダー」
「デイトレなのにファンダメンタルズ重視?」という矛盾を軽々と超えるのが藤本流です。
その理由は、「業績のよい企業のほうが株価が上がりやすいから」です。

よって、四季報を読み込み、増収・増益・増配の企業を探し、PER・PBRなどを基準に銘柄を選定します。
短期売買でも土台はしっかりが基本です。
起業家経験に裏打ちされたビジネス視点
藤本氏はペットショップや雀荘の経営を通じて、在庫管理の重要性、キャッシュフローの恐ろしさ、そして顧客需要の移ろいやすさを、身をもって学んできました。
この実体験があるからこそ、投資対象のビジネスの理解を重視しています。
自らの起業家時代の経験を活かし、単純な「数字」ではなく「ビジネス」として理解ことで、将来性のある企業を見極めるのが藤本流です。
取引期間は1日~数週間
デイトレードのイメージがある藤本氏ですが、実は全取引の2~3%程度に過ぎないそうです。
藤本氏の取引スタイルは、1日で手仕舞いする「デイトレード」と、数日から数週間で利益を狙う「スイングトレード」が半々とのこと。
よって、デイトレ-ダーという印象はメディアに作られた感があります。
銘柄選定のフレームワーク
では、具体的にどのようにして投資する銘柄を選んでいるのでしょうか?
主戦場は「中小型株」
藤本氏の主戦場は、時価総額が比較的小さい「中小型株」です。
なぜなら、中小型株は、大手証券会社のアナリストや機関投資家のカバーが手薄なためです。
得意なセクターとして「工業系銘柄」を挙げています。
これは、自身のビジネス経験から事業内容を肌感覚で理解しやすく、企業の強みや弱みを判断しやすいためです。
選定方法はファンダメンタルズ分析
銘柄選定の具体的なツールとして、藤本氏が「投資のバイブル」とまで呼んで愛用しているのが『会社四季報』です。
とくに、「事業内容」・「業績」・「記者コメント」を徹底的にチェックするとのこと。
その上で、健全な成長企業を見抜くための3つの条件を設けています。
それが「増収・増益・増配」です。
さらに、割安性の評価指標として、下記を目安にしています。
- PER(株価収益率):15倍以下
- PBR(株価純資産倍率):1倍以下
成長しているだけでなく、株価がまだ割安な水準にある銘柄に投資し、大きなリターンを狙うのです。
以下のポストも参考になりますので確認してみてください。
売買執行の技術
ファンダメンタルズ分析で有望な銘柄リストアップしたら、次はいよいよ売買のタイミングを計ります。
テクニカル分析でタイミングを判断
ここで登場するのが「テクニカル分析」です。
藤本氏は下記のように売買タイミングを把握しているとのことです。
- RSI(相対力指数)の重視:「30以下で買い、70以上で売り」というルールを遵守
- 出来高と売買代金の確認:トレンドの強さを支える市場の関心度を測る
- 岩井コスモ証券の「トレーダーNEXT」の活用:1分足や5分足のチャートでエントリーとエグジットのタイミングを計る
藤本氏には「株は上がったら下がるもの、だから上がったら売る」という哲学があります。
よって、RSIや出来高を使用し、株価の勢いを確認しているのでしょう。
独自の資金管理術「1:2:6のルール」
藤本氏は「1:2:6のルール」と呼ばれる資金管理術を重視します。
これは、一度に全力で投資するのではなく、3回に分けて資金を投入していく手法です。
- ステップ1:まず「1」(例:1,000株)で打診買いを行う
- ステップ2:株価が想定通りに動けば「2」(例:2,000株)を買い増す
- ステップ3:トレンドが確定的になったら「6」(例:6,000株)を投入し、利益の最大化を図る
いきなり全力投球するとそれで終わりです。
しかし、藤本氏のルールなら、もし最初の見立てが間違っていても損失を最小限に抑えられ、逆に読みが当たったときには大きな利益を狙うことができる利点があります。
非常に合理的で洗練されたテクニックといえるでしょう。
以上が藤本氏の投資方法についてですが、参考になるポストがありましたので貼っておきますね。
藤本茂が投資で70年間生き抜いてきた相場哲学
藤本茂氏の凄さは、こうした優れた投資手法だけに支えられているわけではありません。
70年という長きにわたり市場から退場せずに生き抜いてこられたのは、その根底に揺るぎない「相場哲学」があるからです。
相場との向き合い方
藤本氏の1日は、市場を中心に構築されています。
驚くべきことに、毎朝の起床時間は午前2時。
まず米国市場の終値の確認から始まり、新聞各紙を読み込み、その日の戦略を練ります。
取引時間中は片時もモニターから目を離さないといいます。
そして取引終了後にはその日の売買記録と分析を欠かしません。

この徹底した日々の儀式(ルーティン)こそが、藤本氏のパフォーマンスを支える基盤となっているのです。
もはや求道者の域ですね。
リスクとの向き合い方
藤本氏にも、もちろん手痛い失敗経験があります。
とくに、1990年代初頭のバブル崩壊では、築き上げた資産の80%を失うという壮絶な経験をしました。
しかし、藤本氏はこの失敗を「感謝だ」と笑い飛ばしています。
「リスク管理の重要性」という何物にも代えがたい教訓が得られたし、現在の規律正しいトレードスタイルにつなげているのです。
失敗すらも自らの血肉に変え、前進する力にする。
この姿勢こそ、藤本茂がただのトレーダーではないことを物語っています。
投資家としての心構え
藤本氏の心の中には、投資家として大切にしているいくつかの信念があります。
- 生涯現役:「投資に年齢なし」を信条に、デイトレを究極の脳トレと考える
- 楽しむ心:利益よりも市場分析そのものを楽しむ知的好奇心が原動力
- 孤独の価値:「相場師は孤独を愛す」を胸に、集中できる時間を重視
- 格言実践:「頭と尻尾はくれてやれ」「人の行く裏に道あり花の山」などの格言を指針とする
これらを軸に日々、トレードを望んでいるそうです。
やはりトレーダーや投資家というより、もはや求道者ですね。
【2025年最新】藤本茂が保有している株は?保有銘柄を調査!
さて、皆さんが最も知りたいであろう情報、それは「結局シゲルさんは今、何の株を持っているの?」ということではないでしょうか。
編集部がしっかり調査してみました!
監視銘柄は1,200銘柄を超える
まず驚くべきは、その監視銘柄数です。なんと1,200銘柄を超えているそう。
これはもはや個人投資家の域を超え、1つのファンドのようですね。
ただし、日常的に売買しているのはそのうちの約80銘柄に絞っているそうです。
大株主として保有している銘柄は6銘柄
保有銘柄すべての特定は不可能ですが、大量保有報告書などから、藤本氏が大株主として名を連ねている銘柄を確認することができます。
バフェット・コードの情報をもとに、2025年9月1日時点で確認できた銘柄は以下の通りです。
証券コード | 銘柄名 | 保有株数(千株) | 保有割合 |
2997 | 株式会社ストレージ王 | 90.8株 | 4.92% |
4239 | 株式会社ポラテクノ | 61.8株 | 0.14% |
5035 | HOUSEI株式会社 | 89.9株 | 1.3% |
168A | 株式会社イタミアート | 29.5株 | 2.0% |
3297 | 株式会社東武住販 | 30.7株 | 1.13% |
8851 | アーバンライフ株式会社 | 14.0株 | 0.45% |
こうして見ると、藤本氏が得意とする中小型株が中心であることがわかります。
今回確認できた6銘柄は、どれも時価総額が100億円以下ですので、超小型株といってよいです。
これらの銘柄が、藤本氏の厳しいファンダメンタルズ分析と、絶妙なタイミングでの売買によって選ばれたものであることは間違いありません。
もちろん、このリストを鵜呑みにしてすぐに買うのは禁物ですが、藤本氏の銘柄選定の「好み」や「視点」を知る上で、非常に興味深いデータと言えるでしょう。
【まとめ】89歳現役トレーダー藤本茂から得られる投資のヒント
藤本氏から学べるのは、テクニック以上に「姿勢」です。
規律、分析、孤独の受け入れ、そして「相場を楽しむ心」。
もちろん、その投資手法、とくに『会社四季報』の活用法や「1:2:6のルール」などは、明日からの私たちの投資にすぐにでも取り入れられる、実践的なヒントに満ちています。
藤本氏の生き方を参考に、自分の投資の軸を見直すことが、資産を増やす近道になるでしょう。
そして最後に――「ボケてる暇はあらへんで」。この一言に尽きます。
投資も人生も、結局は楽しんだ者勝ちなのです。
『藤本 茂(X)』の口コミ
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