地銀株の上昇理由は?今後の見通しと注目5銘柄を解説!配当・株主優待が魅力

地銀株の上昇理由は?今後の見通しと注目5銘柄を解説!配当・株主優待が魅力

地銀(地方銀行)株は、日本国内の金利環境の変化に連動して収益性が改善するとの見方が強まっており、多くの銘柄で上昇基調が見られます。

各行が実施している地域密着型の優待制度や高い利回りは、中長期の保有を前提とした個人投資家にとって魅力的な選択肢です。

この記事では地銀株の特徴や上昇理由、魅力的な地銀株5銘柄、さらには地銀株投資の注意点などを詳しく解説します。

■この記事の重要ポイント

  • 国内金利の上昇局面への移行に伴い地銀の利ざやが改善
  • 地域特性を活かしたカタログギフトなどの株主優待や高い配当利回りが魅力
  • 魅力的な地銀株5銘柄は、千葉銀行、ひろぎんホールディングス、十六フィナンシャルグループ、七十七銀行、あおぞら銀行

地銀株とは?わかりやすく解説

地方銀行(地銀)は、特定の都道府県や地域を中心に、個人・中小企業向けの金融サービスを提供する役割を担っています。

地域住民の預金を預かり、地元の企業へ融資を行うビジネスモデルを構築しているため、地元の景気動向と深く結びついているのが特徴です。

メガバンクと比較すると、地銀は営業基盤の広さや資金の総量において規模が小さくなります。

一方で、地元の優良企業や中小企業との関係性は非常に濃密であり、細やかな情報収集能力を持っています。

地銀株の株価上昇&下落の理由は?金利がポイント?

地銀の株価動向を読み解くためには、さまざまな要因がどのように作用しているのかを理解することが大切です。

ここでは、株価を動かす具体的な要因について検証していきます。

金利の上昇局面が地銀の利ざや拡大を促す仕組み

日本銀行(日銀)による金融政策の正常化に伴い、国内金利が上昇傾向にあることが地銀株価の上昇理由として挙げられます。

長年の低金利環境下では、貸出金利と預金金利の差である利ざやが縮小し、地銀の収益を圧迫していました。

金利が上昇する局面では、預金金利の上昇を一定程度に抑えつつ、貸出金利を引き上げることが可能になります。

この利ざやの拡大が収益性の向上に直結するという期待が、株価を押し上げる要因となっています。

国債の価格下落による含み損の発生が地銀株価を下押しする要因

金利の上昇は好材料ばかりではなく、地銀のバランスシートに悪影響を及ぼす懸念も含んでいます。

債券の金利が上昇すると、すでに発行されている国債などの債券価格は下落するという特性があります。

地銀は保有する運用資産の中に大量の国債を組み入れている場合が多く、金利の急激な上昇によって大きな含み損が発生するリスクを抱えています。

地域経済の景気動向が貸出金の焦げ付きリスクに与える影響

地銀の業績は、地盤とする地域の経済状況に大きく左右されます。

金利が引き上げられた場合、地元の取引先企業にとっては毎月の利息負担が増加することを意味します。

業績がもろい中小企業が金利上昇に耐えきれず倒産した場合、地銀にとっては貸出金が回収不能となる不良債権の増加につながります

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地銀の株主優待の特徴は?

地銀の株主優待の多くは、本拠地とする都道府県の名産品を集めたカタログギフトの形式を取り入れています。

例えば、豊かな自然を持つ地域であれば高級なお肉や新鮮な海産物、加工食品などを選ぶことができます。

投資を通じて、日本全国のさまざまな地域のグルメや文化を自宅で楽しめる点が好評です。

商品による還元だけでなく、銀行の本来のサービスにおいて恩恵を受けられる優待制度も存在します。

指定された金額以上の株式を保有する株主に対して、店頭での定期預金の金利を上乗せする優待などが一例です。

地銀株の配当利回りは高い?

多くの地銀は、東証プライム市場全体の平均と比較して、高い水準の配当利回りを提示しています。

安定した利益を生み出すインフラ企業としての側面があるため、分配できる資金を豊富に蓄えていることが理由です。

株価が解散価値を下回る水準で推移している銘柄も多いため、結果として配当利回りの計算上の数値が高くなる傾向があります。

また、東京証券取引所からの改善要請を受け、各行の経営陣は株価の引き上げに向けた株主還元方針を相次いで打ち出しています。

地銀株の今後の見通しは?

中期的な地銀株の見通しとしては、日本の金融政策の正常化が進むことで、収益の拡大基盤が強化される可能性が高いと考えられます。

追加の利上げが実施されれば、住宅ローン金利や企業向け貸出金利への波及が進み、収益の柱である資金利益が改善します。

一方で、長期的な地銀株の見通しにおいては、深刻な人口減少と少子高齢化という日本が抱える課題が重くのしかかります

地方の過疎化が進むと、地元の利用客や中小企業の数が減少し、融資を行う対象そのものが細ってしまいます。

今後の環境変化に対応するため、地銀の間では広域的な経営統合やアライアンスの動きが加速するでしょう。

有望な地銀株の見つけ方

有望な地銀株を見つけるステップとして以下のポイントが挙げられます。

地銀株の「割安度」と「安全性」

まずは財務指標から割安度と安全性をチェックします。

純資産に対して株価がどの程度かを示すPBR(株価純資産倍率)を確認し、1倍を大きく下回っているものは改善余地が大きいと判断できます。

同時に、銀行の支払能力の余裕を示す自己資本比率が国内基準である4%(国際基準は8%)を大幅にクリアしているかを確認します。

財務のクッションが厚い銀行ほど、予期せぬ不況が訪れた際にも減配や倒産の確率を低く抑えることが可能です。

営業基盤の「経済環境」

次に、その地銀が主要な営業基盤としている都道府県の経済環境を評価する必要があります。

人口の流入が続いている大都市圏周辺や、主要な製造業の工場が集積している地域は、企業の設備投資や住宅ローンの需要が旺盛です。

また、店舗の統廃合や人員の適正配置、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による経費率の削減も重要なチェックポイントです。

地銀株の注目5銘柄を分析

市場での評価や特徴を踏まえ、5つの地銀グループについて、それぞれの特徴とリスク、そして気になる株主優待の中身を解説していきます。

千葉銀行(8331):圧倒的な経済圏を持つ地銀のガリバー

株価2,491円
時価総額1.9兆円
配当利回り2.57%
PER(連)16.25倍
PBR(連)1.38倍
ROE(連)7.83%

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年6月19日時点

千葉銀行は、地銀の中でトップクラスの規模を誇り、首都圏の一角である千葉県を盤石な地盤としています。

成田空港や東京ディズニーリゾートなどの巨大なインフラを抱える地域であり、東京へのアクセスも良いため、人口動態が安定している点が強みです。

その潤沢な資金力を活かして東京都内や埼玉県、神奈川県などの近隣地域へも積極的に店舗網を広げ、メガバンクと対等にわたり合っているといえます。

千葉銀行の株主優待は、千葉県の名産品や特産品を選択できるカタログギフトです。

このカタログ優待を受け取るためには、1,000株以上かつ1年以上の保有が必要となります。

一方で、千葉銀行のリスクとしては千葉県内における競合他社やネット銀行との金利競争が激化している点が挙げられます。

特に低金利の住宅ローン市場においては、顧客の奪い合いが発生しており、利ざやの確保に向けた工夫が求められます。

ひろぎんホールディングス(7337):ギフトカードや地元スポーツ応援特典が魅力

株価2,080.5円
時価総額6,352億円
配当利回り3.36%
PER(連)12.18倍
PBR(連)1.09倍
ROE(連)8.15%

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年6月19日時点

ひろぎんホールディングスは、広島県を中心に中国地方全域に強いネットワークを展開する広島銀行を中核とする持株会社です。

マツダをはじめとする自動車産業や造船業など、ものづくりが盛んな地域経済を支えています。

ひろぎんホールディングスの株主優待は、100株以上ならギフトカード、1,000株以上なら定期預金金利の優遇もしくは広島県の名産品を集めたギフトカタログと、保有株数に応じて内容が異なります。

さらに、地元で絶大な人気を誇る広島東洋カープやサンフレッチェ広島の観戦チケット、広島交響楽団の定期演奏会チケットの「抽選権」を選ぶことも可能であり、ファンの心をつかむ工夫がなされています。

ひろぎんホールディングスの課題としては、製造業の海外シフトや原材料価格の高騰が地元の取引先企業の業績に与える影響が軽視できない点です。

グローバルな景気後退が起きた際、地元の製造業が打撃を受けると、連動して融資の焦げ付きリスクが高まる特性を持っています。

十六フィナンシャルグループ(7380):モノづくり経済圏を支える地元密着の地銀

株価2,179円
時価総額4,131億円
配当利回り2.29%
PER(連)13.78倍
PBR(連)0.82倍
ROE(連)6.17%

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年6月19日時点

十六フィナンシャルグループは、岐阜県で最大のシェアを誇る十六銀行を中心とした金融グループです。

隣接する愛知県名古屋市周辺の広大な経済圏にも根を下ろしており、日本を代表するモノづくり産業の一大拠点を顧客に抱えています。

自動車関連産業のサプライチェーンに属する企業が多いため、設備投資や資金調達の需要が日常的に発生しています。

十六フィナンシャルグループの株主優待は、200株以上保有ならミネラルウォーター、1,000株以上保有なら地元の名産品となっています。

十六フィナンシャルグループの留意すべき課題は、愛知県周辺が日本国内でも金融機関の競争が激しい地域の1つであるという点です。

メガバンクだけでなく、多くの周辺地銀や信用金庫がひしめき合っており、融資を巡る金利の引き下げ競争が激しく、収益性を保つための難易度が高い環境です。

七十七銀行(8341):仙台を拠点とする東北地方を代表する地銀

株価3,317円
時価総額7,628億円
配当利回り3.14%
PER(連)12.03倍
PBR(連)1.07倍
ROE(連)8.53%

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年6月19日時点

七十七銀行は、宮城県仙台市に本店を置く、東北地方で最大規模の地銀です。

仙台市は東北地方における行政や経済の中心都市であり、周辺地域からの人口流入が継続している地方都市の1つです。

住宅ローンや地域再開発に伴う融資が非常に活発な地域を地盤としています。

仙台駅周辺の再開発プロジェクトや、地域の再生可能エネルギー事業への融資など、大規模な案件を単独で主導できる実力を持っています。

七十七銀行の株主優待は、宮城県が誇る美味しいグルメを集めた名産品カタログギフトもしくはギフトカードなどです。

こちらは500株以上、かつ継続保有1年以上で権利を獲得することができます。

七十七銀行のリスクとしては、宮城県以外の東北5県においては、過疎化や高齢化が全国平均を上回るスピードで進行しているという現実です。

仙台市単体での成長はしっかりしているものの、東北地方全体の経済地盤の沈下を防ぎ、いかに広域での融資残高を維持していくかが今後の焦点となります。

あおぞら銀行(8304):独特の立ち位置で地銀ネットワークを持つ高配当株

株価2,791円
時価総額3,901億円
配当利回り3.58%
PER(連)14.30倍
PBR(連)0.81倍
ROE(連)5.53%

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年6月19日時点

あおぞら銀行は、特定の都道府県に本拠地を置く通常の地銀とは異なり、全国の地銀や金融機関と共同でビジネスを行うという、ユニークな立ち位置を確保している銀行です。

店舗数は限られていますが、不動産ファイナンスや海外投資など、専門性の高い金融ソリューションを全国展開しています。

あおぞら銀行の最大の特色は、高い配当利回りにあります。

年4回の四半期配当を実施しており、こまめにインカムゲインを受け取りたい投資家から支持されています。

なお、あおぞら銀行は現在、株主優待を実施していません。

あおぞら銀行の注意点としては、海外の商業用不動産向け融資などの高リスクな運用資産を多く抱えている点です。

過去には海外の不動産市況の悪化によって巨額の引当金を計上し、業績が悪化して株価が急落した経緯があります。

地銀株に投資する際の2つの注意点

投資の成果を最大化するためには、メリットだけでなく潜在的なリスクにも目を向ける必要があります。

地銀という特有の業態が抱える、構造的な2つの注意点について解説します。

①特定の都道府県や経済圏に経営リスクが集中する問題点

地銀はその定義のどおり、特定の地域と運命を共にする組織です。

メガバンクであれば、特定の地域で不況が起きても、他の地域や海外の利益で相殺することが可能です。

しかし、地銀の場合は、本拠地とする都道府県で大きな自然災害が発生したり、地域を支えていた基幹企業の工場が閉鎖されたりした場合、その打撃をそのまま受けることになります。

リスクの分散が効きにくいという単一地域依存の問題点は、地銀株を長期保有する上で常に意識すべきリスクです。

②日本国内の金融機関が多いことによる過当競争

日本国内には、数多くの地方銀行や第二地方銀行、信用金庫が存在しており、限られたパイを奪い合う状態が続いています。

いわゆる「オーバーバンキング」と呼ばれる現象です。

地方の人口や企業数が減少しているにもかかわらず、金融機関の数が多すぎるため、融資を獲得するために金利を極限まで引き下げる消耗戦に陥りやすい構造があります。

【まとめ】金利動向を見極め、地銀株の配当・優待の魅力を得よう

地銀の株式は、長年にわたる日本国内のマイナス金利や低金利環境の終わりを背景に、収益構造が転換する局面を迎えています。

各行が打ち出している

  • PBR改善に向けた増配
  • 地元のグルメが楽しめる個性豊かな株主優待

などは、インカムゲインを目的とする個人投資家にとって非常に大きなメリットです。

しかし、地銀株のおすすめ銘柄を選ぶにあたっては、日本の構造的な課題である地方の人口減少や、過当競争という逆風の存在も忘れてはなりません。

投資戦略としては、日本銀行の金融政策や金利の推移を冷徹に見極めつつ、それぞれの銀行が持つ地域の経済活力や財務の健全性を細かくチェックすることが重要です。

※本記事内で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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株サイト比較ナビ 編集者

株サイト比較ナビ

2016年に本サイトを設立。専門性・独自性を軸に多種多様な金融商品・サービスを調査&比較し、初心者から中上級者までの投資家の方々へお役立ち情報を提供しています。

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