5月決算の銘柄の中には、特定のニッチ市場で高いシェアを誇ることで、事業構造の変革によって株主還元を強化している高配当株が存在しています。
3月決算の銘柄に比べて市場の注目度が低い傾向にあるため、5月は優良な高配当株を適切な株価水準で購入する好機といえそうです。
本記事では、2026年5月に配当の権利が確定する銘柄の中から、購入の検討に値すると考えられる高配当株5銘柄を厳選しました。
配当金は資産形成における重要なインカムゲインですが、配当利回りの数字だけに目を奪われると、株価下落による元本割れのリスクを見落とす危険性があります。
権利確定に向けたスケジュールの確認から、各銘柄の個別分析、そして高配当投資において避けては通れないリスク管理の要点までを解説します。
■この記事の重要な3つのポイント
- 2026年5月27日の権利付最終日までに高配当株を買い付ける必要がある
- 事業再編やニッチ分野の強みを活かした収益基盤の分析が必要
- 配当落ち後の株価下落や業績悪化に伴う減配リスクに注意する
5月決算の高配当株の権利確定はいつ?配当はいつもらえる?
5月権利確定の高配当株投資を成功させるためには、権利確定スケジュールを正確に把握する必要があります。
配当金を受け取る権利を得るためには、各企業が定める権利確定日に株主名簿に名前が記載されていなければなりません。
2026年5月のカレンダーに基づき、投資家が守るべき日程を確認しておきましょう。
権利確定日の2営業日前にあたる「権利付最終日」までに買い付けが必要
まず株式の取引には、売買成立から名簿への登録まで2営業日を要する受渡日のルールが存在します。
そのため、権利確定日に株を購入しても配当は得られません。
投資家は、権利確定日の2営業日前にあたる「権利付最終日」までに買い付けを完了し、その日の市場取引終了時点で株式を保有している必要があります。
権利付最終日の翌営業日は「権利落ち日」となり、この日に売却しても配当を受け取る権利は維持されます。
2026年5月の権利付最終日と権利確定日のスケジュールを確認
2026年5月末の権利確定スケジュールは以下のとおりです。
5月31日が日曜日のため、2026年5月末の権利確定日は直前の営業日である5月29日となります。
- 権利付最終日:2026年5月27日(水)
- 権利落ち日:2026年5月28日(木)
- 権利確定日:2026年5月29日(金)
配当を得たい投資家は権利付最終日である5月27日の市場取引終了時点で株式を保有している必要があります。
5月28日の権利落ち日になれば売却しても配当を得る権利は消滅しませんが、配当額に相当する分だけ株価が下落する傾向がある点に留意してください。
配当金の入金時期と受取方法の目安
配当金の受取時期については、企業の決算発表後の株主総会を経てからとなるため、一般的には権利確定日から約2~3ヵ月後になるのが目安です。
5月決算銘柄であれば、8~9月頃にかけて指定の口座に入金されるスケジュールを想定しておくとよいでしょう。
要注目!5月権利確定の高配当株5銘柄を分析
5月に権利確定を迎える銘柄の中から、配当水準が高く、かつ事業内容に独自性を持つ高配当株5銘柄を選定しました。
利回りの高さだけでなく、その配当が企業の収益に裏打ちされているかを冷徹に見極める必要があります。
パソナグループ(2168):人材サービスと地方創生のハイブリッド経営【5月末権利確定】
| 株価 | 1,602円 |
| 時価総額 | 643億円 |
| 配当利回り | 4.68% |
| PER(連) | ー |
| PBR(連) | 0.47倍 |
| ROE(連) | ▲6.11% |

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
パソナグループは人材派遣業界の草分け的存在であり、事務職派遣からBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、再就職支援まで幅広い人材サービスを展開しています。
近年では兵庫県淡路島への本社機能移転や、保有する子会社株式の売却など、大胆な経営資源の再配置を行っている点が特徴です。
パソナグループは、保有していたベネフィット・ワンの株式売却などにより、多額のキャッシュを手中に収めました。
この資金を原資とした特別配当や株主還元の強化が期待されています。
人材流動化が進む日本経済において、パソナグループのBPO事業は官公庁や大手企業から安定した受注を得ており、収益の柱として機能しています。
一方で、人材派遣業は法改正による規制強化のリスクを常にはらんでおり、労働市場のルール変更が収益基盤を揺るがすおそれも否定できません。
ウェザーニューズ(4825):気象データはもはやビジネスインフラ【5月末権利確定】
| 株価 | 2,045円 |
| 時価総額 | 968億円 |
| 配当利回り | 3.91% |
| PER(連) | 25.93倍 |
| PBR(連) | 3.98倍 |
| ROE(連) | 15.12% |

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
ウェザーニューズは、世界最大級の民間気象情報会社として、海運、航空、陸上輸送などの産業向けから個人向けアプリまで多岐にわたるサービスを提供しています。
独自の観測網とAIを活用した予測精度は世界的にも高い水準にあり、気象リスクが経営課題となる現代において、ウェザーニューズの提供するデータは必要不可欠なインフラとなっています。
ウェザーニューズの最大の強みは、BtoB(対企業)事業におけるストック型の収益モデルです。
海運や航空といった専門分野では、ウェザーニューズの予測データが運航の安全性と効率性に直結するため、一度導入されると解約されにくい特性があります。
財務面では自己資本比率が80%を超える水準にあり、無借金に近い健全な経営を続けています。
この財務基盤の厚さが、景気動向に左右されない安定した配当の維持を可能にしています。
しかし、世界的に気象データの重要性が高まるなか、IBMやGoogleなどの巨大資本が気象予測分野への参入を強化しており、独自の付加価値をいかに守り続けるかが中長期的な課題です。
早稲田学習研究会(5869):高い合格実績を誇る学習塾経営企業【5月末権利確定】
| 株価 | 1,332円 |
| 時価総額 | 136億円 |
| 配当利回り | 4.65% |
| PER(連) | 13.26倍 |
| PBR(連) | 1.83倍 |
| ROE(連) | 15.02% |

東証スタンダード市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
早稲田学習研究会は、北関東で学習塾「W早稲田ゼミ」を展開し、高い難関校合格実績を背景に地域密着型の経営を続けています。
株主還元を積極的に行う姿勢が明確で、高い配当性向を維持している点が個人投資家の関心を集めています。
教育サービス業は設備投資負担が比較的小さく、キャッシュフローが安定しやすいため、利益を配当に回しやすい特性があります。
北関東エリアにおける高いブランド力は、少子化が進む中でも「子ども一人あたりにかける教育費の増加」というトレンドによって相殺されており、業績は安定しています。
一方で、早稲田学習研究会が直面する最大のリスクは、日本全体の人口減少と少子化です。
現在は難関校志望者の囲い込みで利益を確保していますが、ターゲットとなる子どもの数自体が減少するスピードが今後加速する点に注意が必要です。
ビーウィズ(9216):次世代コンタクトセンターの旗手【5月末権利確定】
| 株価 | 1,865円 |
| 時価総額 | 264億円 |
| 配当利回り | 4.13% |
| PER(連) | 37.67倍 |
| PBR(連) | 3.13倍 |
| ROE(連) | 4.99% |

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
ビーウィズは、コンタクトセンター運営を核としたBPOサービスを提供しており、急成長を遂げています。
自社開発のクラウド型コンタクトセンターシステム「Omnia LINK(オムニアリンク)」などを強みとし、デジタルの力でコールセンターの生産性を向上させている点が競合他社との差別化要因です。
ビーウィズは、単なる労働集約型のコールセンター運営から脱却し、ITを活用した効率化を進めている点が、高く評価できます。
人手不足を背景に、企業のバックオフィス業務を外部委託するニーズは年々高まっており、ビーウィズの受注環境は極めて良好といえます。
収益性の高さが余裕のある配当原資となり、配当額は着実な増加傾向にあります。
一方で、オペレーターの採用難に伴う最低賃金の引き上げは、ビーウィズのコスト構造を圧迫する点には注意が必要です。
ハニーズホールディングス(2792):流行と低価格を両立するレディースファッション企業【5月末権利確定】
| 株価 | 1,454円 |
| 時価総額 | 405億円 |
| 配当利回り | 3.78% |
| PER(連) | 11.26倍 |
| PBR(連) | 0.86倍 |
| ROE(連) | 8.34% |

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
ハニーズホールディングスは、幅広い層に向けた婦人服の製造販売を展開しています。
ショッピングセンターへの出店を主軸とし、企画から販売までを自社で一貫して行うことで、流行を迅速に取り入れた低価格な商品提供を可能にしています。
さらにハニーズホールディングスは、自己資本比率が80%を超える安定性の高い財務体質を誇ります。
ミャンマーの自社工場を活用したコストコントロールによる価格を抑えた商品展開で、顧客数の拡大を進めています。
しかし、ハニーズホールディングスの生産拠点であるミャンマーの政治情勢の不安定さは、サプライチェーンの断絶やコスト急騰を招くリスクとして認識しておくべきでしょう。
また、日本国内のショッピングセンター市場は飽和状態にあり、新規出店による大幅な成長は期待しにくい局面ともいえます。
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高配当狙いで株を購入する際の3つの注意点
高配当株投資において、配当利回りの数字だけに惹かれて安易に資金を投入することは危険です。
異常に高い利回りは、株価の低迷や減配リスクの予兆であるケースも少なくありません。
ここからは、投資家が注意すべき3つのポイントを解説します。
①権利落ち日における株価下落リスクと実質収支の把握
高配当株投資において最も頻繁に起こる失敗が、配当金で得られる利益を上回る株価下落に見舞われることです。
権利付最終日の翌日である権利落ち日には、配当金を受け取る権利が消滅するため、理論上は配当金額分だけ株価が調整されます。
特に5月決算の銘柄は、配当目的の短期資金が集中しやすく、権利落ち後にまとまった売りが出ることで、配当利回り以上の価格下落を招く場面が散見されます。
例えば、4%の配当利回りを得たとしても、株価が5%下落して売却を余儀なくされれば、トータルの収支はマイナスです。
「配当取りの失敗」を避けるためには、権利確定の直前に飛び付くのではなく、数ヵ月前から余裕を持って買い進める戦略や、配当落ち後の株価回復を数ヵ月単位で待つ長期的な視点が不可欠となります。
②配当性向の過度な上昇と本業の収益力低下による減配リスク
配当利回りが高く見える銘柄の中には、利益のほとんどを配当に回している「無理な還元」を行っている銘柄も含まれています。
配当性向が100%を超えていたり、業界平均を大きく上回る水準が続いていたりする場合、その配当は持続可能ではない可能性があります。
企業が将来の投資を削ってまで配当を維持している状態は、中長期的な企業価値を損なう行為です。
本業の営業利益が減少しているにもかかわらず、配当額だけを維持している銘柄は、一転して「大幅な減配」を発表するリスクが高まります。
企業の稼ぐ力が配当支払額を十分に上回っているかを確認することが、罠にかからないための方策です。
③NISA口座活用の有無による税引後利回りの変動
高配当投資において、税金の影響は無視できません。
通常の特定口座では、受け取る配当金に対して20.315%(=所得税+住民税+復興特別所得税)の税金が課されます。
配当利回りが4.0%の銘柄でも、手元に残る実質利回りは約3.18%まで低下します。
NISA(少額投資非課税制度)口座を活用すればこの税負担をゼロに抑えられるため、賢く活用したいところです。
一方で、注意すべきはNISA口座の取引は「損益通算ができない」という点です。
NISA口座で購入した株が値下がりし、損失を出した状態で売却しても、他の株の利益と相殺して税金を安くすることはできません。
つまり、NISA口座での高配当投資は、より「配当落ち後の株価回復」への確信が持てる銘柄に厳選して行う必要があります。
【まとめ】5月は株主還元に積極的な高配当銘柄が豊富!
2026年5月決算の銘柄は、3月決算の銘柄のような選択肢の多さはないものの、特定のテーマや地域で強みを持つ高配当株が豊富です。
また、そのような高配当株の中には高い株主への還元姿勢を持つ銘柄も存在します。
5月27日の権利付最終日に向けて、各社の財務状況や最新の決算短信を読み込み、その配当が「一時的なものか、持続可能なものか」を見極めることが、高配当株投資の成功への重要な要素となります。
投資家としては、配当金だけに注目するのではなく、その裏にある企業の収益や市場環境の変化にも気を配りましょう。
※本記事内で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
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