5月に株主優待の権利が得られる銘柄の中には、ドラッグストアやネット通販、外食など、私たちの日常生活に密着したサービスを展開し、実用性の高い優待を提供する企業が多く存在します。
また5月の株主優待株には、権利確定日が「20日」と「月末」の2種類の銘柄が混在しているのが特徴的です。
上記のように特殊なスケジュールを正確に把握していないと、せっかくの優待を得る権利を逃してしまうリスクがあるため、事前の準備が欠かせません。
本記事では、5月の権利確定スケジュールとともに、5月に狙いたい株主優待の5銘柄も詳しく解説します。
この記事の重要なポイントは以下の3点です。
- 5月の株主優待株には権利確定日が「5月20日」と「5月末日」の2種類がある
- 優待内容だけではなく、各社の業績推移と投資リスクを把握する必要がある
- クロス取引で優待を獲得しつつ株価変動リスクを回避する
5月の株主優待の権利確定日はいつ?
株主優待を取得するためには、企業が定める権利確定日に株主名簿へ記載されている必要があります。
2026年5月の権利確定のスケジュールを正確に理解することは、優待株投資の第一歩となります。
5月は珍しい「20日権利確定」の銘柄が含まれる月であるため、一般的な月末銘柄と同じ感覚でいると、権利付最終日を過ぎてしまう可能性があります。
2026年5月のカレンダーに基づき、投資家が把握しておくべき日程を整理します。
5月末の権利確定銘柄における権利付最終日はいつ?
まずは、多くの日本企業が採用している月末権利確定のスケジュールを確認します。
5月末は通常なら31日が権利確定日になるのですが、2026年5月31日は日曜日に該当するため、権利確定日はその直前の営業日となります。
■5月末の権利確定の銘柄
- 権利付最終日:2026年5月27日(水)
- 権利落ち日:2026年5月28日(木)
- 権利確定日:2026年5月29日(金)
投資家は、権利付最終日である5月27日の市場取引終了時点で株式を保有している必要があります。
なお、5月28日の権利落ち日に保有株式を売却しても、5月末の権利確定日には名簿に記載されるため、優待を受け取る権利は維持されます。
5月20日の権利確定銘柄における権利付最終日に注意!
5月の優待株投資で注意すべき点は、5月20日を基準日とする銘柄の存在です。
例えば、クスリのアオキホールディングスやアスクルといった銘柄が5月20日権利確定の日程を採用しており、5月末銘柄よりも10日ほど早く権利確定日が到来します。
■5月20日の権利確定の銘柄
- 権利付最終日:2026年5月18日(月)
- 権利落ち日:2026年5月19日(火)
- 権利確定日:2026年5月20日(水)
2026年の場合、5月20日権利確定の銘柄で優待を得るためには、5月18日の取引終了までに買い付けを完了させなければなりません。
「5月優待=5月末」という思い込みを捨て、銘柄ごとの日程を各社サイトの公表情報でチェックしましょう。
要注目!5月権利確定の優待株5銘柄
5月に株主優待の権利が確定する銘柄の中から、実用性と業績の安定性を兼ね備えた5つの銘柄を厳選しました。
各銘柄の特徴に加えて投資家が知っておくべきリスクも解説します。
クスリのアオキホールディングス(3549):3%割引または地方名産品【5月20日権利確定】
| 株価 | 3,735円 |
| 時価総額 | 3,571億円 |
| 配当利回り | 1.50% |
| PER(連) | 23.48倍 |
| PBR(連) | 2.56倍 |
| ROE(連) | 13.88% |


東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
クスリのアオキホールディングスは、北陸地方を拠点に関東、東海、関西へとエリアを拡大しているドラッグストアチェーンです。
クスリのアオキホールディングスの最大の特徴は、ドラッグストアでありながら生鮮食品の取り扱いを強化している点にあります。
「食の強化」戦略により、消費者の来店頻度を高めることに成功しており、スーパーマーケットの代替としての地位を確立しつつあります。
株主優待は、自社店舗で利用できる「割引カード」のほか、「Aocaギフトカード」「Visaギフトカード」「地方名産品」のいずれかを選択する形式です。
100株保有で2000円相当の地方名産品を選択した場合、2026年5月1日現在の株価水準(3,735円)で計算すると、優待利回りは約0.5%(=2,000円÷(3,735円×100株)となります。
配当利回りの1.5%と合わせると、総合利回り(=配当利回り+優待利回り)は約2.0%程度(=2.0%+0.5%程度)になります。
一方で注意すべきは、ドラッグストア業界におけるオーバーストア状態です。
マツキヨココカラ&カンパニーやサンドラッグなど他の多くの同業者との競合に加えて、他の業種からの参入も考えられ、競争の激化は避けられない業界といえます。
他社との差別化を明確にし効果的な販促を行わないと、販売促進費の増大が利益率を圧迫するリスクがあります。
アスクル (2678): LOHACOで使える割引クーポン【5月20日権利確定】
| 株価 | 1,182円 |
| 時価総額 | 1,061億円 |
| 配当利回り | 0.85% |
| PER(連) | ー |
| PBR(連) | 1.90倍 |
| ROE(連) | 11.62% |


東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
アスクルは、オフィス用品の通信販売で国内トップシェアを誇る企業です。
近年は個人向けECサイト「LOHACO(ロハコ)」の育成に注力しており、ビジネス・個人の両面から需要を取り込んでいます。
物流センターの自動化など、DX(デジタルトランスフォーメーション)への投資でも業界をリードする存在です。
アスクルの株主優待は、LOHACOで利用可能なクーポン2,000円分が年に2回贈呈されます。
株価1,182円で計算すると、100株保有時の優待利回りは年間で約3.38%(=(2,000円×2回)÷(1,182円×100株))に達します。
配当利回りも0.85%期待できるため、総合利回りは約4.23%(=0.85%+3.38%)と5月決算銘柄の中でも高い水準となります。
LOHACOは日用品のラインアップが充実しており、重い飲料や洗剤を自宅まで配送してもらえる利便性は、特に都市部の共働き世帯から高い支持を得ています。
アスクルはBtoB事業も安定した収益源となっており、企業の備品購入のデジタル化が進む中で堅調に推移しています。
一方で懸念されるのが、配送コストの増大です。
物流業界の人件費高騰とそれに伴う物流コストの上昇は、現在の日本における大きな問題となっています。
アスクルにおいても例外ではなく、配送経費の上昇が利益を削る構図が続いています。
これを価格転嫁だけで補えるかについて、今後の動向に注意が必要です。
ユニシアホールディングス (3547):串カツ田中など自社グループ店舗で使える食事優待券【5月末権利確定】
| 株価 | 1,843円 |
| 時価総額 | 203億円 |
| 配当利回り | ー |
| PER(連) | 47.41倍 |
| PBR(連) | 2.85倍 |
| ROE(連) | 22.68% |


東証スタンダード市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
ユニシアホールディングスは、2026年3月に「串カツ田中ホールディングス」から社名を変更しました。
主力である串カツ事業だけでなく、新しい飲食カテゴリーを展開することで、グループ全体の持続的な成長を目指しています。
この社名変更は、ユニシアホールディングスが第2の創業期に入るための決意表明といえます。
ユニシアホールディングスの株主優待ですが、100株以上保有で2,000円相当の食事優待券が年2回獲得できます。
100株保有時の優待利回りは、株価1,843円換算で約2.17%(=(2,000円×2回)÷(1,843円×100株))となります。
しかし、飲食業界では、人件費と原材料費の高騰が経営の重荷となっています。
飲食業界全体が深刻な人手不足に陥る中で、質の高いサービスを維持し続けられるか、冷静にチェックするべきでしょう。
マネーフォワード (3994):家計簿アプリ「マネーフォワード ME」半年分クーポン【5月末権利確定】
| 株価 | 4,721円 |
| 時価総額 | 2,629億円 |
| 配当利回り | ー |
| PER(連) | ー |
| PBR(連) | 6.25倍 |
| ROE(連) | 4.16% |



東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
家計簿アプリ「マネーフォワード ME」やバックオフィスSaaSを提供し、日本のフィンテック業界を牽引するのがマネーフォワードです。
これまで成長投資を優先し優待を実施していませんでしたが、2026年5月期より株主優待制度の導入を開始しました。
これは個人投資家のファン形成を強く意識した施策と捉えることができます。
優待内容は、マネーフォワード MEのプレミアムサービスを無料で利用できる特典で、5月末と11月末で年2回獲得できます。
プレミアムサービスの月額料金を540円と仮定すると、年間で6,480円相当の価値が発生します。
2026年5月1日現在の株価(4,721円)で計算した場合、優待利回りは1.37%程度(=6,480円÷(4,721円×100株))となります。
なお、プレミアムサービスの半年クーポンは2026年11月末以降で、100株以上保有かつ半年以上の継続保有が取得の条件となりますので注意してください。
マネーフォワードは売上高の成長率が非常に高く、法人向けサービスの契約数は順調に積み上がっています。
しかし、投資上の注意点として、株価の変動率の高さが挙げられます。
代表的なグロース株であるため、金利の動向や市場心理の変化によって、優待価値の数倍に及ぶ株価変動が起こる可能性は否定できません。
ブックオフホールディングス(9278):全国店舗で利用可能なクーポンまたは買物券【5月末権利確定】
| 株価 | 2,020円 |
| 時価総額 | 415億円 |
| 配当利回り | 1.49% |
| PER(連) | 14.77倍 |
| PBR(連) | 1.71倍 |
| ROE(連) | 10.81% |


東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年5月1日時点
ブックオフホールディングスは、書籍やCDのリユースで高い知名度を誇る企業です。
最近ではトレーディングカード、高級腕時計、アパレルなど、高単価商品の取り扱いを強化しており、単なる「古本屋」からの脱却を果たしています。
物価高の影響で消費者の節約志向が強まる中、リユース市場の拡大を追い風にしている企業です。
優待内容は、全国のブックオフの店舗で利用できる2,000円相当の買物券と書籍買取金額アップクーポンです。
3年以上の継続保有で優待金額が増額される長期保有特典も用意されています。
株価2,020円で計算すると、100株保有時の優待利回りは約1.0%(=2,000円÷(2,020円×100株))で、配当利回りと合わせると総合利回りは2.5%程度(=1.49%+1.0%)になります。
本や中古品を頻繁に購入する層にとっては、現金同様に使える非常に実用的な優待です。
業績は、トレーディングカードブームやアパレル部門の好調により、経常利益が拡大傾向にあります。
一方で、メルカリやヤフーなど他のリユース業者との競合は激化の一途を辿っています。
消費者がリユースECサイトで自ら出品しやすい環境が整ってきており、ブックオフホールディングスへの買取持ち込みが減少するリスクが存在します。
また、店舗の老朽化に伴うリニューアル費用や、都市部での家賃上昇も利益を圧迫する要因です。
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株主優待投資にはクロス取引が効果的
株主優待を取得したいと考える投資家の多くが懸念するのが、権利落ち日以降の「株価の下落」です。
せっかく数千円もの価値がある優待を手に入れても、株価がそれ以上に値下がりしてしまえば、トータルの収支はマイナスになってしまいます。
このリスクを回避するために編み出された手法が「クロス取引」です。
クロス取引とは、現物株式の購入と同時に、信用取引を使って同じ銘柄の空売りを行う手法を指します。
これにより、株価が上がっても下がっても、買いと売りの損益が相殺されます。
株価変動リスクを実質的に排除しながら、優待権利だけを獲得できる点が最大のメリットといえるでしょう。
一般信用取引の活用による逆日歩リスクの回避策
クロス取引を行う際、最も推奨されるのが「一般信用取引」の活用です。
この方法であれば、後述する「逆日歩」という予想外の手数料が発生しません。
あらかじめ決められた貸株料を支払うだけで済み、コスト計算が非常に容易になります。
人気銘柄は多くの証券会社で一般信用の在庫が用意されます。
ただし、権利付最終日が近づくにつれて株の在庫は減少し、争奪戦となることがあります。
権利日の数週間前から在庫状況をチェックし、手数料との兼ね合いを見ながら適切なタイミングでクロスを開始する戦略が求められます。
早すぎるクロスは貸株料を増大させますが、遅すぎれば在庫がなくなってしまうという点に注意が必要です。
制度信用取引における高額逆日歩の発生メカニズムと注意点
一方で、証券会社に在庫がない場合でも利用できるのが「制度信用取引」です。
しかし、こちらは「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という深刻なリスクを伴います。
逆日歩とは、空売りが殺到して株が不足した際に、証券会社が外部から株を調達するために発生するコストです。
逆日歩は市場の需給によって決まるため、事前に正確な金額を予測することは不可能です。
人気の優待株においては、優待価値を超える逆日歩が発生した過去の事例も存在します。
制度信用取引を利用する場合は、致命的なコストが発生しないかを見極める判断力が必要です。
【まとめ】5月優待銘柄はスケジュール管理と業績見極めがカギ
5月権利確定の株主優待株投資は、ドラッグストアやEC、外食などバラエティ豊かな銘柄がそろっており、投資家にとっては非常に楽しみな時期です。
しかし、この記事で繰り返し強調した通り、権利確定日が「20日の銘柄」と「月末の銘柄」が存在しているスケジュールを正確に把握することが、5月の優待株投資には欠かせません。
公表情報を確認し、各銘柄の権利確定スケジュールを確認することから始めましょう。
なお、優待クロス取引を活用してリスクを限定するにせよ、現物保有で長期的な成長を享受するにせよ、最終的な投資判断の根拠は「その企業の将来性を信じられるか」という点に集約されます。
優待内容だけで投資するのではなく、本質的な企業価値を見失わないことが重要です。
※本記事内で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
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