投資家であれば誰もが一度は夢見る「テンバガー(株価10倍株)」。
資産を一気に拡大させるチャンスがある一方で、数ある銘柄の中から原石を見つけ出すのは至難の業です。
しかし、過去に大化けした銘柄を分析すると、そこには驚きの「共通点」が存在することをご存じでしょうか?
本記事では、過去のデータに基づいた「テンバガー候補8つの共通点」を解説し、最新の市場環境に合致した2026年のテンバガー候補5銘柄を厳選して紹介します。
テンバガー候補8つの共通点を解説
テンバガー(株価10倍株)を狙う際、闇雲に銘柄を探しても時間は過ぎるばかりです。
過去に株価が10倍、20倍へと成長した企業のデータを紐解くと、上場初期の段階で特定の条件を満たしているケースが非常に多いことがわかっています。
ここでは、テンバガー株を発掘するための「8つの共通点」を解説しましょう。
テンバガー達成しやすい銘柄の条件リスト
まずは、スクリーニングの基準となる8つの条件を挙げます。
- 時価総額500億円以下
- 増収増益、もしくは黒字転換
- 上場から5年以内
- グロースやスタンダードなど新興市場の株
- 創業者・オーナーの株保有率が45%以上
- テーマ性がある(トレンド・国策)
- 加盟店ビジネス、ストック型ビジネス
- BtoC事業
それでは、なぜこれらの条件がテンバガーにつながりやすいのかを解説しましょう。
①時価総額500億円以下
小型株は成長余地が大きく、株価が数倍から10倍へと跳ね上がる可能性を秘めています。
すでにある程度成長して時価総額が数千億円規模になっている企業では、そこからさらに10倍成長することはハードルが高いと考えられます。
そのため、まだ成長前の段階と考えられる時価総額500億円以下の水準が目安となります。
ただし、規模が小さい分、資金調達力や市場耐性が弱い点には注意が必要です。
②増収増益、もしくは黒字転換
テンバガー候補は必ずしも安定黒字企業ではありません。
赤字から黒字へ転換するタイミングで株価が急騰するケースも多く見られます。
とくにSaaS(インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービス)やAI(人工知能)の関連企業は初期投資が重く、黒字化の瞬間に市場が評価を大きく変える傾向があります。
とはいえ、単なる一時的黒字ではなく、持続的な増収増益が確認できるかが重要です。
③上場から5年以内
新興企業は市場からの期待値が高く、株価が大きく動きやすい傾向があります。
上場から5年以内の企業は成長ストーリーが鮮明で、投資家の関心を集めやすいのが特徴です。
ただし、上場直後は業績予想が不安定で、株価変動が激しいため、冷静な判断が求められます。
④グロースやスタンダードなど新興市場の株
東証プライム市場に比べ、グロース市場やスタンダード市場には成長志向の企業が多く集まっています。
とくにグロース市場はベンチャー色が強く、テンバガー候補が生まれやすい土壌があります。
一方で、流動性が低く値動きが荒い点はリスク要因となります。
⑤創業者・オーナーの株保有率が45%以上
経営者が高い持株比率を維持している企業は、株主と経営者の利害が一致しやすく、長期的な成長戦略を取りやすい傾向があります。
一方で、支配力が強すぎるとガバナンス面で懸念が生じることもあります。
⑥テーマ性がある(トレンド・国策)
テンバガー株は時代のテーマとリンクしています。
AI、脱炭素、DX(デジタルトランスフォーメーション)、セキュリティなど、国策や社会的トレンドに沿った事業を展開する企業は市場からの評価が高まりやすいです。
ただし、テーマ性だけに依存すると、競合過多や政策変更で失速するリスクもあるため、事業の独自性が問われます。
⑦加盟店ビジネス、ストック型ビジネス
安定収益を生むストック型モデルは、テンバガー候補の大きな条件です。
サブスク(サブスクリプション/月額や年額の料金を支払い、利用する権利を購入する仕組み)や加盟店ビジネスは、顧客基盤を積み上げることで収益が継続的に拡大します。
短期的な売上依存型よりも、長期的に積み上げられるモデルが株価上昇の持続力を支えます。
⑧BtoC事業
一般消費者向け事業は市場規模が大きく、認知度の拡大とともに株価が急上昇する可能性があります。
SNSやEC、クラウドサービスなどはユーザー数の増加がそのまま成長につながりやすい分野です。
ただし、競争が激しく、顧客獲得コストが膨らむと利益を圧迫するため、効率的な成長戦略が不可欠です。
ここまで、テンバガー銘柄の8つの共通点を解説しました。
できる限りこれらの条件を満たす銘柄を見極めることがテンバガー銘柄探しの第一歩です。
ただし、必ずしもこれらをすべて満たす必要はありません。
条件を1つや2つクリアできなくとも、その他の面で有望と考える理由があれば、十分に投資対象となり得ます。
テンバガー探しには、基本的な共通点の理解と企業の将来性を予測する柔軟性が求められるのです。
【2026年版】テンバガー候補5銘柄を厳選
ここからは、前述した「8つの共通点」の多くに合致し、2026年以降に飛躍的な株価上昇が期待されるテンバガー候補5銘柄を具体的に紹介していきます。
今回選定した銘柄は、単に時価総額が小さいだけでなく、「国策(サイバーセキュリティ・DX)」「ストックビジネス」といった強力なカタリスト(株価変動のきっかけ)を内包している企業ばかりです。
もちろん、リスク要因がないわけではありませんので、メリットとリスクの両面を理解した上で、投資判断の参考にしてください。
note(5243):クリエイター経済のインフラへ
| 株価 | 1,662円 |
| 時価総額 | 277億円 |
| 配当利回り | ー |
| PER(連) | 82.24倍 |
| PBR(連) | 10.07倍 |
| ROE(連) | 5.75% |

東証グロース市場上場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年11月28日時点
| 8つの共通点を確認 | ||
| 1.時価総額500億円以下 | 〇 | 277億円 |
| 2.増収増益、もしくは黒字転換 | 〇 | 2025年11月期第3四半期増収増益 |
| 3.上場から5年以内 | 〇 | 2022年12月21日 |
| 4.グロースやスタンダードなど新興市場の株 | 〇 | 東証グロース |
| 5.創業者・オーナーの株保有率が45%以上 | ✕ | |
| 6.テーマ性がある(トレンド・国策) | 〇 | SaaS |
| 7.加盟店ビジネス、ストック型ビジネス | 〇 | ストック型 |
| 8.BtoC事業 | 〇 | |
※「2.増収増益、もしくは黒字転換」は前年同期比
まず紹介するのは、メディアプラットフォーム「note」を運営するnoteです。
個人向けのイメージが強いnoteですが、近年は法人向けSaaS「note pro」が収益の柱として急成長しています。
企業のオウンドメディア需要を取り込み、ストック型の収益基盤を確立しました。
さらに、AIアシスタント機能の実装により、記事作成のハードルを下げ、ユーザーの継続率を高めている点も評価できます。
一方で、成長スピードの鈍化には警戒が必要です。
国内の認知度はすでに高く、徐々にユーザー数の伸びが鈍化するフェーズに入っていくでしょう。
今後は、既存ユーザーの単価をどれだけ引き上げられるかが勝負となりそうです。
エクサウィザーズ(4259):企業、自治体、教育機関のAI実装をサポート
| 株価 | 723円 |
| 時価総額 | 626億円 |
| 配当利回り | ー |
| PER(連) | ー |
| PBR(連) | 18.45倍 |
| ROE(連) | ▲70.55% |

東証グロース市場上場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年11月28日時点
| 8つの共通点を確認 | ||
| 1.時価総額500億円以下 | ✕ | 626億円 |
| 2.増収増益、もしくは黒字転換 | 〇 | 2026年3月期第2四半期増収増益 |
| 3.上場から5年以内 | 〇 | 2021年12月23日 |
| 4.グロースやスタンダードなど新興市場の株 | 〇 | 東証グロース |
| 5.創業者・オーナーの株保有率が45%以上 | ✕ | |
| 6.テーマ性がある(トレンド・国策) | 〇 | AI |
| 7.加盟店ビジネス、ストック型ビジネス | 〇 | ストック型 |
| 8.BtoC事業 | ✕ | |
※「2.増収増益、もしくは黒字転換」は前年同期比
2026年の市場テーマとして外せないのが「生成AI」です。
エクサウィザーズの強みは、単なるAI開発にとどまらず、ビジネス現場へAIを定着させるサポート力にあります。
独自プラットフォーム「exaBase」を活用したストック収入の比率が高まっているなかで、法人向けのみならず自治体向け、あるいは教育機関向けのAIサービスも展開しており、幅広い顧客を対象としている点も同社の強みといえるでしょう。
また、少子高齢化による労働力不足は国策レベルの課題であり、AIによる業務効率化は避けて通れません。
ただし、AIコンサルティング領域は競合が激化しており、大手との競争も避けられません。
投資家としては、四半期ごとの利益率推移を注視する必要があります。
トヨクモ(4058):高い契約維持率を誇り、Kintone(キントーン)と連携
| 株価 | 2,792円 |
| 時価総額 | 307億円 |
| 配当利回り | 0.72% |
| PER(連) | 27.71倍 |
| PBR(連) | 8.03倍 |
| ROE(連) | 27.63% |

東証グロース市場上場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年11月28日時点
| 8つの共通点を確認 | ||
| 1.時価総額500億円以下 | 〇 | 307億円 |
| 2.増収増益、もしくは黒字転換 | 〇 | 2025年12月期第3四半期増収増益 |
| 3.上場から5年以内 | ✕ | 2020年9月24日 |
| 4.グロースやスタンダードなど新興市場の株 | 〇 | 東証グロース |
| 5.創業者・オーナーの株保有率が45%以上 | 〇 | |
| 6.テーマ性がある(トレンド・国策) | 〇 | DX |
| 7.加盟店ビジネス、ストック型ビジネス | 〇 | ストック型 |
| 8.BtoC事業 | ✕ | |
※「2.増収増益、もしくは黒字転換」は前年同期比
トヨクモはクラウド型業務アプリを提供する企業で、とくに「安否確認サービス」が強みです。
災害対策や企業のBCP(事業継続計画)に直結するサービスは、国策や社会的ニーズと一致しており、安定した需要が期待できます。
サイボウズ社の業務アプリ作成ツール「Kintone(キントーン)」と連携するサービスを展開しており、Kintoneの普及とともに業績が伸びる「勝ち馬に乗る」ビジネスモデルを確立しました。
一度導入すれば乗り換えが起きにくいストック型ビジネスであり、解約率の低さは注目すべきレベルです。
ただし、「プラットフォーム依存」のリスクには注意が必要です。
事業の一定割合がKintoneに依存しているため、サイボウズ社の戦略や仕様変更の影響を良い面でも悪い面でもダイレクトに受けます。
サイバーセキュリティクラウド(4493):サイバーセキュリティはもはや国策
| 株価 | 1,853円 |
| 時価総額 | 192億円 |
| 配当利回り | 0.27% |
| PER(連) | 26.67倍 |
| PBR(連) | 4.57倍 |
| ROE(連) | 33.18% |

東証グロース市場上場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年11月28日時点
| 8つの共通点を確認 | ||
| 1.時価総額500億円以下 | 〇 | 192億円 |
| 2.増収増益、もしくは黒字転換 | 〇 | 2025年12月期第3四半期増収増益 |
| 3.上場から5年以内 | ✕ | 2020年3月26日 |
| 4.グロースやスタンダードなど新興市場の株 | 〇 | 東証グロース |
| 5.創業者・オーナーの株保有率が45%以上 | ✕ | |
| 6.テーマ性がある(トレンド・国策) | 〇 | サイバーセキュリティ |
| 7.加盟店ビジネス、ストック型ビジネス | 〇 | ストック型 |
| 8.BtoC事業 | ✕ | |
※「2.増収増益、もしくは黒字転換」は前年同期比
地政学リスクの高まりとともに、国家レベルで重要性が増しているのがサイバーセキュリティ領域です。
サイバーセキュリティクラウドはWebサイトへの攻撃を遮断する「WafCharm(ワフチャーム)」や「攻撃遮断くん」を提供しており、国内で高いシェアを誇ります。
特筆すべきは、積極的なグローバル展開です。
とくに米国市場への進出を強化しており、AWS(Amazon Web Services)向けのセキュリティ製品が好調です。
国内市場の成長に加え、巨大な海外市場での成功が可視化されれば、時価総額の桁が変わるポテンシャルを秘めています。
懸念点は、海外展開に伴う広告宣伝費や採用コストの増大です。
米国市場は巨大ですが、競争環境も国内とは比較にならないほど過酷であるため、先行投資により一時的に利益が圧迫される局面も予想されます。
kubell(4448):チャットツールから中小企業のDXに貢献
| 株価 | 386円 |
| 時価総額 | 163億円 |
| 配当利回り | ー |
| PER(連) | 215.64倍 |
| PBR(連) | 9.14倍 |
| ROE(連) | ▲58.31% |

東証グロース市場上場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年11月28日時点
| 8つの共通点を確認 | ||
| 1.時価総額500億円以下 | 〇 | 163億円 |
| 2.増収増益、もしくは黒字転換 | ✕ | 2025年12月期第3四半期増収減益 |
| 3.上場から5年以内 | ✕ | 2019年9月24日 |
| 4.グロースやスタンダードなど新興市場の株 | 〇 | 東証グロース |
| 5.創業者・オーナーの株保有率が45%以上 | 〇 | |
| 6.テーマ性がある(トレンド・国策) | 〇 | DX |
| 7.加盟店ビジネス、ストック型ビジネス | 〇 | ストック型 |
| 8.BtoC事業 | 〇 | |
※「2.増収増益、もしくは黒字転換」は前年同期比
2024年に社名を「Chatwork」から変更したkubell(クベル)は、中小企業のDXを支えるインフラ企業へと進化を遂げつつあります。
ビジネスチャットツールとしては、圧倒的な使いやすさを武器に、国内中小企業で高いシェアを維持しています。
現在、kubellが推し進めているのが、単にツールを提供するだけでなく、業務プロセスそのものをアウトソーシングで請け負うモデルへの転換です。
チャットで囲い込んだ顧客に対し、経理や採用、労務管理など代行業務をクロスセルすることで、顧客単価向上が見込まれます。
最大の脅威は、国内テック企業のみならず外資系テック企業との競合です。
また、メインターゲットである中小企業は価格に敏感であり、サービス単価の値上げが解約に直結しやすいリスクがあります。
テンバガー候補銘柄の3つの注意点
ここまで2026年に飛躍が期待されるテンバガー候補銘柄を紹介してきましたが、投資に「絶対」はありません。
ここでは、大切な資産を守り、かつ大きく増やすために心に留めておくべき3つの注意点を解説します。
①値動き(ボラティリティ)の大きさを覚悟する
最大のハードルは、メンタルを揺さぶる激しい株価変動です。
時価総額が小さいテンバガー候補銘柄は、業績が高い期待に応えられない場合や市場全体の地合いが悪化する場合など、短期間に20~30%程度下落することも珍しくありません。
しかし、過去の多くの大化け銘柄も、一直線に上昇したわけではないのです。
激しい値動きは、大きなリターンを得るための「必要経費」だと割り切るタフさが求められます。
②「成長シナリオ」が崩れたら即座に撤退する勇気を持つ
銘柄選定時に描いた「購入根拠」を、四半期ごとの決算で常にアップデートすることも重要です。
たとえば、「黒字転換」を期待して買ったのに赤字が拡大した、あるいは「新サービスの実施」が延期になったなど、前提条件が崩れた場合は要注意です。
期待で買われる新興株は、成長鈍化が確認されると、PER(株価収益率)の評価が一気に見直され、株価が暴落するリスクをはらんでいます。
どれほど有力なテンバガー候補銘柄であっても、シナリオが崩れた時点で「損切り」を決断する冷徹さが、トータルでの勝利につながります。
③銘柄分散でリスクをコントロールする
最後に、一点集中投資は避けるべきです。
どんなに自信がある銘柄でも、不祥事や予期せぬ規制強化などで株価が再起不能になる可能性はゼロではありません。
テンバガー候補銘柄を3~5銘柄程度に分散させることで、仮に1つの銘柄が失敗しても、他の銘柄が10倍になれば資産全体では大きくプラスになります。
【まとめ】テンバガーへの道は「冷静な分析」と「継続的な業績チェック」が必要
本記事では、過去のデータに基づいた共通点から、2026年以降のテンバガー候補5銘柄を解説してきました。
ここで紹介した企業は、時代の潮流に乗るビジネスモデルを持ち、今後大化けするポテンシャルを十分に秘めています。
しかし、成長株投資は平坦な道ばかりではありません。
期待先行で株価が乱高下する局面は必ず訪れますし、事業環境の変化でシナリオが崩れるリスクも常に隣り合わせです。
だからこそ、一度買ったら放置するのではなく、四半期ごとの決算を継続的にチェックし、当初の投資根拠が維持されているかを見極める姿勢が不可欠となります。
テンバガーへの道には、「冷静な分析」と「継続的な業績チェック」が欠かせないのです。
なお、過去の記事でテンバガーの8つの共通点について過去のデータ等を用いて詳細に説明していますので、この機会にご覧ください。
テンバガー候補8つの共通点と大化け期待株7選[2024年最新版]
※本記事内で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
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