「株とiDeCoで老後資金を作る」染田美里さん【丙午世代インタビュー】

「株とiDeCoで老後資金を作る」染田美里さん【丙午世代インタビュー】

2026年がスタートしました。

60年に1度の丙午(ひのえうま)の年です。

60年前の丙午である1966年に生まれた「丙午世代」の方々にとっては定年の時期でもあり、これまでの来し方を振り返るのと同時に、行く末に想いを馳せる人もいるでしょう。

そんな丙午世代の方たちへ「人生とお金」をテーマにインタビューをしていく連載企画をスタートします。

記念すべきインタビューの第1回は、医療機関で働いている染田美里(仮名/1966年11月生まれ)さんです。

医療機関の仕事が楽しくて、あっという間に時間が過ぎました

――1966年生まれの方は「バブル入社組」などと言われ、就職は比較的楽だったように思います。染田さんはいかがでしたか。

染田 私はきょうだいが多くて、8人兄弟のなかで育ちました。

私はそのきょうだいの中で2番目になります。

いろいろと生活に制約があったものですから、高校を卒業した後すぐに就職せず、実家の近所でアルバイトなどをしていました。

今は医療機関で眼科の検査員として働いています。

仕事内容は、視力検査や眼圧測定など、患者さんの目の健康状態を評価するための検査を行うことです。

眼科医の指示に基づいてさまざまな検査を行い、その結果を医師に報告します。

仕事上、患者さんと直接コミュニケーションを取る機会も多く、したがってコミュニケーション能力も問われます。

眼科で働き始めたのが23歳の時ですから、正式な社会人になったのは1990年です。

正直、好きな仕事をしているうちに、あっという間に時間が過ぎたという感じです。

――お仕事はどういうところが気に入ったのですか。

染田 正直なところで言いますが、収入の額を気にしたことはほとんどありませんでした。

それよりも仕事が楽しくて仕方がなかったのです。

仕事で何が楽しかったのかというと、「学ぶ機会に恵まれた」ことです。

私は眼科の先生のもとで働いてきたのですが、その先生には、

「自分でどんどん学び、患者さんからの質問に何でも答えられるような検査員になりなさい」

と言われました。

患者さんの質問に答えられるようになると、自然と患者さんとの距離も縮まりますし、信頼していただけるようになります。

その積み重ねによって、ますます仕事が面白くなっていきました。

患者さんは、高齢者の方が中心になるのですが、皆さんご自身の家族のことから、健康に対する不安のことまで、いろいろと話してくださります。

こうして患者さんと直接、コミュニケーションを取れることが、これまでの仕事における、大きなモチベーションになっていました。

染田美里さん1
「仕事で楽しかったのは、『学ぶ機会に恵まれた』こと」と語る染田美里さん

定年退職か雇用延長か…自分の今後の働き方に悩んでいます

――60歳という区切りの歳を迎えられるわけですが、この先、お仕事については雇用延長で働くのか、それともいったん、お休みされるのか、そのあたりをどのように考えていらっしゃいますか。

染田 私と同じように60歳で一区切りされる会社員の方も多いと思います。

その後は5年間の雇用延長で、65歳まで働く人も結構いらっしゃるでしょう。

私も65歳までの雇用延長を選ぶという手はあるのですが、そこは思案のしどころというか、少し悩んでいます。

もちろん、今の職場は同僚との人間関係も良くて、そこに不満はないのですが、医院の経営方針がこれから変わっていく可能性があることを考慮すると、今の職場にこだわる必要もないと考えています。

数年前から、雇用延長に応じるか、それとも新しい道を歩むか、考えているところです。

――新しい道というと、何か具体的なプランを考えていらっしゃるのですか。

染田 一番下の弟が不動産投資をしていて、投資しているうちの物件が最寄り駅から徒歩5分という好立地にあります。

ただ、そこは再建築不可の物件なので、建て直しができません。

そのため、好立地であるにもかかわらず空き部屋があるので、そこを利活用してできることはないか考えています。

父は6年前に他界したのですが、母が83歳で自宅から車で5分程度のところに住んでいます。

今でも父のことを生前、十分に面倒を見てあげられなかったことを後悔しており、母とはできる限り、コミュニケーションを取り続けていきたいと考えています。

そのこともあり、通勤に時間のかかるようなところで働き続けたいとは思っていませんし、その点では私の自宅からも近い場所にある空き家を利活用して何かができれば、それが理想形に近い働き方になると思います。

株式投資からスタート。iDeCoで退職金運用に注力しています

――これから新しい働き方をするにしても、雇用延長をするにしても、気になるのは「お金」だと思います。老後に向けて資産形成はなさっていますか。

染田 私は8人兄弟という大家族で育ってきたので、正直なところ生活は必ずしも豊かではありませんでした。

その経験があったからか、23歳で社会に出てからは、とにかくお金を貯めなければならないという考えに強く囚われていたのも事実です。

毎月の給与から生活費を差し引いた残りは全額、預金にしていました。

その考え方が変わったのは、2002年に結婚してからです。

たまたま結婚したパートナーが資産運用に詳しい人だったこともあり、貯めるだけでなく、殖やすことの大切さを教えてもらいました。

そこで始めたのが株式投資です。

――いきなり株式投資ですか? 具体的には、どのような銘柄で運用を始めたのですか。

染田 いわゆる「資産株」から始めました。

具体的にいうと、東京電力(現・東京電力ホールディングス/9501)です。

何しろ、当時の東京電力株といえば資産株の王道みたいな銘柄で、株価は比較的安定しており、かつ高配当というのがウリでした。

それが大きく変わってしまったのが、東日本大震災による福島第一原発の事故です。

何しろ、その事故が発生するまで、東京電力の株価は2,000円台前半から半ばの範囲で推移していたのですが、2011年3月の安値は461円でした。

安定しているはずの株価が大暴落したのです。

その後も、いつかは上がるだろうなどと淡い期待を抱いて株価を見ていたのですが、結局は上がらず終いだったので、すべて売却して損切りしました。

まだ上場しているので「終い」という言葉が適切かどうかわかりませんが、直近、2025年12月でも、株価は800円を少し割る水準で推移していることからすると、当時の私の判断は決して間違ってはいなかったと思います。

――その後、株式投資は続けたのですか。

染田 はい、今も保有している銘柄はあります。

個別銘柄投資で成功したのは伊藤忠商事(8001)ですね。

ウォーレン・バフェット氏が投資したことで一躍注目を集めましたが、それ以前から割安だなと思っていて、2016年7月に投資しました。

伊藤忠商事を購入した時の株価は1,267円です。

今はどうかというと、2026年1月9日で2,005円です。

ただ、伊藤忠商事は2025年12月31日に1株を5株に分割したので、分割前の株価で計算すると1万25円になります。

伊藤忠商事は配当利回りが高いので、これからも配当を楽しみに持ち続けようと考えています。

染田美里さん2
iDeCoでは現在ゴールドファンドと定期預金に分散運用しています(染田さん)

――伊藤忠商事の株式以外には、何に投資しているのですか。

染田 iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)を活用して投資信託を保有しています。

当初、iDeCoを始めた時は、デフォルト商品の定期預金にずっと置いたままでした。

もちろん、それでも掛け金の全額所得控除により年末調整の還付金があったので、おトクだったのですが、殖えるところまではいかなかったので、途中から、

・米国株のインデックスファンド

・国内株のアクティブファンド

・海外債券のファンド

・ゴールドファンド

・バランス型ファンド

などに分散投資をしました。

これも2024年に大きく入れ替えをし、現在はゴールドファンドと定期預金の2種類だけにしてしています。

ゴールドファンドだけにしたのは、今後も金価格がこれからも上がっていくだろうという見通しによるものですが、保有するのは2026年12月までと考えています。

というのも、その時点で定年を迎えますし、2026年11月にはiDeCoの積立が終了するので、そこでどうしようかと思案しているところです。

――ちなみに、ある程度はどのようにするか決めていらっしゃるのですか。

染田 引き出して、退職金を合算したうえで、その後どうするかはまだ決めていません。

正直なところ、安定した資産で保有しておきたいという気持ちもありますし、そこは2026年の夏くらいから考えていこうと思います。

――本日はありがとうございました。

取材を終えてひと言

60歳といえば、誰もが次の人生をどう生きるか考える年齢でもあります。

完全リタイヤを決め込むか、雇用延長に応じるか、新しい道を選ぶか。

それは人それぞれですが、誰もが共通で取り組んでおくべきことがあります。

それは「資産運用」です。

若い人にとって老後の生活費を賄うための資産を形成するのは、あまりにも遠すぎる話に感じると思いますが、現実に60歳前後になると案外、あっという間です。

我が身を振り返ると、資産形成は早めに始めるに越したことはないことを実感しました。

■取材&構成:鈴木 雅光(金融ジャーナリスト) 

岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て2004年に独立。投資信託、資産運用を中心に原稿を執筆するのとともに、単行本の企画、ライティングも行う。

株サイト比較ナビ 編集者

株サイト比較ナビ

2016年に本サイトを設立。専門性・独自性を軸に多種多様な金融商品・サービスを調査&比較し、初心者から中上級者までの投資家の方々へお役立ち情報を提供しています。

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