日本の造船業が復活!造船株が注目される理由と厳選5銘柄を徹底分析

日本の造船業が復活!造船株が注目される理由と厳選5銘柄を徹底分析

日本の株式市場において、長らく不遇の時代を過ごしてきた造船関連株が、2025年後半から力強い復活を遂げています。

韓国や中国との熾烈な価格競争に晒された日本の造船業は、シェアの低下を余儀なくされてきました。

しかし現在は、世界的な環境規制の強化と老朽化による代船需要、そして地政学リスクによる重要性の見直しが重なり、好況期を迎えています。

本記事では、造船銘柄の株価が上昇している背景を整理し、2026年以降に投資家が注目したい本命銘柄と、投資に際してのリスク管理について詳述します。

造船銘柄の株価が上昇している理由は?

造船セクターの株価を押し上げている要因は、単一の事象ではなく、国家戦略や国際政治の変化が複雑に絡み合っています。

中国の台頭と日本政府の再生ロードマップ

かつて世界の海運を席巻した日本の造船業ですが、現在は中国や韓国の後塵を拝する状況に陥っています。

特に中国の台頭はすさまじく、世界シェアの半分を占めるようになっています。

しかし、2025年12月26日に国土交通省が「造船業再生ロードマップ」を公表しました。

日本の造船業は官民の協力により再生を目指す新たなフェーズに移行しています。

国土交通省が策定したロードマップでは、単なる建造量の拡大を目指すのではなく、高付加価値化による日本造船業の目指す姿が明確に示され、2035年までに官民で1兆円の投資を目指すとしました。

具体的には、アンモニアや水素を燃料とする「ゼロエミッション船」の社会実装を加速させるため、日本政府も予算を投じて研究開発を支援する方針を固めています。

環境規制の強化は、既存の老朽船を淘汰し、強制的な買い替え需要を創出するでしょう。

中国の造船所が汎用的な大型船の大量生産に注力する一方で、日本企業は高度な制御技術を要する次世代燃料船の分野で優位性を確保しようとしています。

参照:造船業再生ロードマップの策定(令和7年12月26日公表)(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk5_000090.html

トランプ大統領も造船の重要性に着目

2024年に再選を果たした米国のトランプ大統領が、海洋安全保障と自国の造船能力回復を優先課題に掲げた事実は、日本の造船業界に予想外の追い風をもたらしました。

米国政府は、中国の海事・物流分野に対する圧力を強める一方、日本や韓国といった同盟国の造船技術を米国国内のインフラ再建に取り込む方針を鮮明にしています。 

米国の港湾におけるクレーンや船舶の脱・中国依存は、日本のメーカーにとって非常に大きなビジネスチャンスとなります。

地政学的な対立が深まるほど、日米同盟を基盤とした造船サプライチェーンの重要性が増す構造が生まれています。

防衛予算増額による追い風

日本国内における防衛力の抜本的強化も、造船銘柄の収益基盤を支える強力な要素です。

日本政府が掲げる防衛力整備計画により、護衛艦や潜水艦の新造、さらに既存艦艇の近代化改修が急ピッチで進められています。 

民間向けの商船需要は世界景気のサイクルに左右されやすい側面を持ちますが、防衛省からの受注は安定しており、利益率も一定水準が担保されます。

造船各社にとって、防衛事業はドックの稼働率を維持するための命綱であり、業績の安定感を高める要因として投資家から高く評価されています。

今後も成長が期待できる造船株の見つけ方

造船株への投資で成功を収めるためには、単に船体を造る企業を見るだけでなく、サプライチェーンの付加価値に注目する必要があります。

「次世代燃料エンジン」の知財・技術力

船舶において、エンジンと推進システムの価値は大変重要なものです。

投資家が注目すべきは、アンモニアや水素といった次世代燃料に対応したエンジンの知的財産や独自技術を保有しているかという点です。 

環境規制が一段と厳しくなる2030年に向けて、海運会社はエンジンメーカーの技術力を基準に発注先を選別するようになります。

ライセンス収入を得られる立場にある企業や、世界シェアの高い基幹部品を握っている企業は、安定した利益を確保できる強みを持ちます。

「修繕・アフターサービス」に着目する

新造船の受注は景気循環の影響を強く受けますが、一度引き渡された船舶のメンテナンス需要は原則として船舶が稼働する限り続きます。

修繕用のドックを自社で保有し、定期検査やバラスト水処理装置の搭載工事などで稼げる体制があるかは、投資判断の重要な指標となります。

修繕事業は新造船事業に比べて営業利益率が高く、不況期の下支えとして機能します。

新造船の受注残高が数年先まで積み上がっている現在は、修繕部門の収益貢献度を確認することで、将来の景気後退期における耐性を測ることが可能となります。

2026年以降に注目したい本命の造船株5銘柄

2026年以降の市場において、独自の技術力と成長シナリオを持つ5つの本命銘柄を詳細に分析します。

名村造船所(7014):専業ならではの利益感応度に着目

株価4,715円
時価総額3,275億円
配当利回り0.85%
PER(連)21.82倍
PBR(連)2.78倍
ROE(連)28.55%

東証スタンダード市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年1月16日時点

名村造船所は、国内造船専業の大手であり、業界を代表する船舶銘柄といえます。

かつては厳しい経営状況にありましたが、佐世保重工業との統合によるシナジー効果が発現し、現在は営業利益率も大きく改善しました。

名村造船所の業績は、新造船価格の上昇をダイレクトに享受できる収益構造となっています。 

名村造船所が建造する大型ばら積み船は、世界的な資源需要に支えられており、2026年度も高い稼働率が維持される見通しです。

ただし、名村造船所は専業であるがゆえに、世界景気が冷え込み受注キャンセルが発生した際の下落幅は、多角経営を行う企業よりも大きくなる傾向があります。

三井E&S(7003):次世代エンジン開発の旗手

株価6,931円
時価総額7,145億円
配当利回り
PER(連)26.90倍
PBR(連)3.66倍
ROE(連)25.06%

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年1月16日時点

三井E&Sは、船舶用ディーゼルエンジンで国内首位を走るだけでなく、米国の港湾インフラ再建の象徴的存在として注目を浴びています。

2024年末にはトランプ政権下の米国で、中国製クレーンの代替需要を三井E&Sが取り込むことに成功しました。

この動きは、株式市場における評価の大きな見直しにつながったといえます。

また、三井E&Sはアンモニア燃料エンジンの開発でも世界をリードしており、技術的な優位性も非常に高いです。 

一方で、三井E&Sは過去に海外エンジニアリング事業で巨額の損失を出し、財務基盤を大きく毀損させた歴史を持ちます。

現在の自己資本比率は回復傾向にあるものの、依然として借入金の負担は軽くありません。

三井E&Sは、利益成長だけでなく、バランスシートがどこまで健全化されるかを冷静に見極める必要があります。

内海造船(7018):中型・フェリー特化型のニッチ戦略

株価1万7,770円
時価総額400億円
配当利回り0.23%
PER(連)15.06倍
PBR(連)2.52倍
ROE(連)9.87%

東証スタンダード市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年1月16日時点

内海造船は、大型船を競うのではなく、中型ばら積み船や国内フェリーに特化することで独自の地位を確立しています。

現在の物流業界では、トラックによる配送から環境負荷の小さい船舶や鉄道による配送に切り替える「モーダルシフト」が促進されています。

国内フェリーの更新需要は、物流のモーダルシフト加速により今後も堅調に推移する見通しです。

内海造船の魅力は、時価総額が小さいために業績の変化が株価に反映されやすい点にあります。

しかし、内海造船株は流動性が低いため、一度売買が集中すると価格が乱高下しやすいというリスクをはらんでいます。

内海造船への投資を検討する際は、短期的な値動きにまどわされず、長期保有を前提に大きな需要の流れを注視すべきでしょう。

東京計器(7721):航海計器で高シェア、さらに防衛銘柄の側面

株価7,330円
時価総額1,251億円
配当利回り0.55%
PER(連)42.11倍
PBR(連)2.95倍
ROE(連)9.83%

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年1月16日時点

東京計器は、船舶の進む方向を制御するジャイロコンパスや自動操舵装置で、世界的なシェアを持つ精密機器メーカーです。

日本の造船銘柄の中でも、船体そのものを建造する造船所とは異なり、航海計器という重要部を支える独自の立ち位置を確立しています。

東京計器の製品は現代の新造船に不可欠な装備であり、造船ブームの恩恵を確実に享受できるポジションにあります。

さらに、東京計器は艦艇搭載機器において防衛省向けの売上もあり、防衛予算増額の直接的な恩恵を受けている点も見逃せません。

護衛艦や潜水艦に搭載される慣性装置などは代替が難しく、日本の防衛予算増額は東京計器の業績を下支えする要因となります。

一方で、東京計器の業績は新造船が竣工して初めて収益が確定するため、受注から利益反映までに数年のタイムラグが生じる可能性がある点には注意が必要です。

古野電気(6814):船舶DXを支える電子機器メーカー

株価8,350円
時価総額2,663億円
配当利回り1.80%
PER(連)17.03倍
PBR(連)3.22倍
ROE(連)17.20%

東証プライム市場 出所:Yahoo!ファイナンス 2026年1月16日時点

古野電気は、船舶用レーダーで世界トップシェア、魚群探知機でも高いシェアを誇るグローバル企業です。

現代は船舶のデジタル化が加速しており、古野電気が提供する自動運航支援システムは新造船の標準装備となりつつあります。

また古野電気は、株主還元を強化する姿勢を鮮明にしており、配当利回りの面でも3年連続で増配中と投資家を惹きつけています。

注意すべき点としては、古野電気は海外売上高比率が高いため、為替相場の変動や地政学リスクの影響を受けやすい銘柄といえます。

古野電気の技術力が優れていても、世界貿易が停滞すれば、商船向けの受注は即座に影響を受けます。

造船株投資の3つの注意点

造船セクターは2026年現在、歴史的な活況の中にありますが、投資を検討する上では業界特有の構造的リスクを正しく把握する必要があります。

株価の上昇が目覚ましい一方で、造船業には他の製造業とは異なる特異な商慣習が存在するためです。

ここでは、投資家が必ず確認しておくべき3つの懸念事項を整理します。

受注から完成までの期間の長さ

造船業における最大のリスクは、受注から船体の引き渡しまでに2年~3年以上の歳月を要する点に集約されます。

2026年時点で受注した船舶が実際に完成し、売上として計上されるのは2028年以降の話となります。

この長い期間が、収益の見通しを不透明にする要因です。

契約締結から数年後の竣工までの間に、鋼材価格や原油価格が想定を超えて高騰した場合、そのコスト増分は造船企業の利益を直接的に圧迫します。

かつても、受注残高は豊富にあるにもかかわらず、原材料費の急騰によって赤字に転落する造船企業も存在しました。

投資家としては、造船企業の決算短信や説明資料において、この価格変動リスクを回避する仕組みがどの程度機能しているかをよく精査するべきでしょう。

鋼材価格の変動とエネルギーコストの影響

船舶の製造原価において、大きな割合を占めるのが厚鋼板などの鋼材費用です。

鉄鉱石といった資源価格が上昇すれば、鋼材価格に即座に転嫁され、造船企業の営業利益率を押し下げる要因となります。

また、エネルギーコストの上昇も無視できない要素です。

造船所では溶接やクレーンの稼働に膨大な電力を消費するため、電気料金の変動が直接的に製造コストへ波及します。

世界的なインフレ圧力が継続する状況下では、過去の低価格受注分が足かせとなり、見た目の受注高ほど利益が伸びないリスクに注意が必要です。

人材不足と技術継承という構造的欠陥

さらに日本の造船業界が直面しているもう1つの課題は、建造現場における人材不足です。

長年の不況期に採用を抑制してきた影響で、熟練工の高齢化が進行し、若手への技術継承が断絶している現場が少なくありません。

建造能力を維持するためには、労務コストを引き上げて人材を確保する必要がありますが、これは人件費の増大を意味します。

中堅・周辺機器メーカーにおいても、高度な技術を持つエンジニアの確保は至上命令です。

人材確保に失敗すれば、工期の遅延が発生し、海運会社に対する遅延損害金の支払い義務が生じるリスクもあります。

自動運航技術やDX(デジタルトランスフォーメーション)による省人化は進んでいますが、その導入費用もまた短期的には利益の押し下げ要因となります。

将来の景気後退期には、コスト管理が甘い企業は真っ先に苦境に立たされる可能性がある点には注意が必要でしょう。

まとめ】日本の造船業界は停滞を脱却し新たなフェーズに

2026年の日本の造船銘柄は、過去の停滞を脱却し、新たな成長フェーズに入ったと判断できます。

環境規制への対応という歴史的な転換点と、トランプ政権下での地政学的リスクの変化が、日本の技術力に注目が集まるチャンスとなっているといえるでしょう。

しかし、造船業が景気敏感業種であるという本質を忘れてはなりません。

供給過剰の歴史を繰り返さないか、あるいはコスト上昇を適切に価格転嫁できているか、投資家は各社の経営状況を常に精査する必要があります。

造船セクター全体が活況を呈している今こそ、真の技術力と財務の健全性を持つ銘柄を選別する力が、投資の成否を分けることになるでしょう。

※本記事内で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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株サイト比較ナビ

2016年に本サイトを設立。専門性・独自性を軸に多種多様な金融商品・サービスを調査&比較し、初心者から中上級者までの投資家の方々へお役立ち情報を提供しています。

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