1つの銘柄に投資することで、手軽に分散投資ができる「ETF」(上場投資信託)。
最近では、複数の高配当株に分散投資が可能で、リスクを抑えながら魅力的な水準の分配金の受け取りが期待できる「高配当ETF」が注目を集めています。
この記事では、高配当ETFのメリット・デメリットを解説しつつ、注目したい高配当ETFを3銘柄ピックアップして詳しく紹介します。
そもそもETFとはどんな金融商品?
まずはETFとはどんな金融商品なのか、商品性が似ているとされる投資信託と何が違うのか、わかりやすく解説していきましょう。
ETFとは「株式市場に上場する投資信託」
ETFとは「Exchange Traded Funds」の頭文字を取ったもので、「上場投資信託」とも呼ばれます。
ETFは投資信託の一種ですが、株式と同じように東京証券取引所などの金融取引市場に上場し、市場が開いている時間であれば、リアルタイムで売買することが可能です。
株式と同様に、希望する価格を指定する「指値注文」も、価格を指定しない「成行注文」も可能です。
ETFを大きく分けると、以下の2種類があります。
①インデックス連動型ETF
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数、金価格などの指標に連動するETFです。
②アクティブ運用型ETF
運用会社やファンドマネージャーがあらかじめ定めた運用方針に沿って、組入銘柄や資産配分を選ぶことでベンチマークを上回る投資成果を目指すETFです。
ETFは投資対象とする資産に幅広く分散投資するため、1つの銘柄だけに投資するよりもリスクを低減できるとされています。
例えば、日経平均株価に連動するETFを1本保有することによって、日経平均株価に採用されている225銘柄を保有するのと同じ効果が期待できます。
ETFの手数料:信託報酬と売買手数料
投資信託の一種であるETFは、保有している期間中「信託報酬(運用管理費用)」がかかります。
投資信託もETFと同様に信託報酬がかかりますが、一般的にETFは投資信託に比べて、信託報酬が低い傾向があります。
なおETFの場合、購入時や売却時には、株式と同様に売買手数料がかかります。
ETFの値段の仕組み:基準価額と市場価格
一般的な投資信託は、1日1回算出される基準価額(投資信託の1口あたりの値段)で、1日1回しか取引することができません。
基準価額は、投資信託の「純資産総額」を投資信託の「総口数」で割って計算されます。
なお、投資信託の購入や解約(売却)の申し込みをする時点では、取引する際の基準価額はわかりません。
投資信託の一種であるETFにも基準価額があります。
ただし、東京証券取引所などの金融市場に上場するETFは、リアルタイムに動くその時々の取引価格で売買されます。
そのため、ETFの場合、「取引価格」と1口あたりの値段である「基準価額」に乖離が生じることがあります。
取引価格(市場価格)が基準価額よりも高い場合は割高(プレミアム)な状態、取引価格が基準価額よりも安い場合は割安(ディスカウント)な状態と判断することができます。
割高または割安な状態が発生すると、マーケットメイカーなどの市場参加者(証券会社や専業トレーディング会社等の事業者)が、「割高なETFを売る」または「割安なETFを買う」といった「裁定取引」と呼ばれる取引を行い、取引価格を基準価額に近づけます。
高配当ETF4つのメリット
ETFにはさまざまな種類の銘柄がありますが、配当利回りが高い銘柄で構成される株価指数に連動する「高配当ETF」が人気を集めています。
高配当ETFにはどんなメリットがあるのか、4つの視点で見ていきましょう。
①定期的に魅力的な水準の分配金を受け取れる
配当利回りが高い銘柄(高配当株)を保有していると、定期的に配当金を得ることが期待できます。
複数の高配当株で構成される株価指数に連動するETFは、配当利回りが高い銘柄に分散投資したのと同じ効果が期待できます。
高配当ETFの場合、年2回や年4回など定期的に魅力的な水準の分配金を受け取れることが大きな魅力です。
また、ETFで受け取る分配金の原資(分配原資)は、主に投資する株式から受け取った配当金です。
そのため、一般の投資信託(非上場の投資信託)のように、元本払戻金(特別分配金)がなく、自分が投資した元本が分配金として戻ってくることがないのも魅力です。
②手軽に分散投資ができる
高配当ETFは複数の高配当株に分散投資するため、1銘柄だけに投資するよりもリスクを低減する効果も期待できます。
手軽に分散投資ができることも魅力のひとつといえるでしょう。
③市場動向を見ながら取引できる
ETFは取引時間中いつでもリアルタイムで売買することができます。
そのため、自分が好きなタイミングで売買できるメリットもあります。
指値注文をして自分が希望する価格で売買することも可能です。
④NISA口座なら非課税で分配金を受け取れる
高配当ETFの中には、NISAの成長投資枠の対象銘柄になっているものも多くあります。
NISA口座で対象となる高配当ETFを購入すれば、定期的に支払われる分配金はもちろん、売買益も非課税で受け取ることができます。
高配当ETF3つのデメリット
高配当ETFには上記のようなメリットがある一方で、デメリットもあります。
具体的にどのようなデメリットがあるのか、3つのポイントから解説します。
①大きな価格の値上がりは期待できない可能性も
高配当株には成熟企業が少なくありません。
そのため、今後の大きな成長が期待される企業(成長株)に比べると、安定した経営が期待できる一方で、価格の大きな上昇は期待しにくいといえそうです。
②組み入れ銘柄が減配、無配になることも
高配当ETFでは、市場平均に比べて魅力的な水準の配当を出す銘柄に分散投資しています。
ただし、組み入れている(ETFが投資している)銘柄の業績が悪化したり、景気が悪くなったりした場合には、配当金が減ったり(減配)、配当金が出なくなる(無配)になることもあります。
組み入れ銘柄が減配や無配になった場合、ETFの分配金が減る可能性もあります。
③分配金は自動的には再投資されない
一般的な投資信託の中には、分配金を自動的に再投資してくれるタイプもあり、放っておいても複利運用が期待できるものもあります。
ですが、高配当ETFでは分配金を自動的に再投資してくれません。
受け取った分配金を運用する場合には、分配金を受け取ったあとに自分で同じETFを買う必要があります。
複利効果を期待する場合には、分配金を自動的に再投資してくれる投資信託に比べると、少し手間ヒマがかかるといえるかもしれません。
高配当ETFの注目3銘柄を徹底分析
下記の図表は、東京証券取引所(東証)に上場する、国内株を投資対象とした高配当ETFのうち、純資産総額が上位の5銘柄を表したものです。
■高配当ETFの純資産総額上位5銘柄
| 名称 | 運用会社 | 基準価額 | 純資産総額 |
| NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型ETF 『愛称:NF・日経高配当50ETF』 | 野村アセットマネジメント | 2,957円 | 4,942.0億円 |
| NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型ETF 『愛称:NF・日本株高配当70ETF』 | 野村アセットマネジメント | 50,778円 | 1,945.6億円 |
| iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF | ブラックロック・ジャパン | 4,739.08円 | 1,492.39億円 |
| iFreeETF TOPIX高配当40指数 | 大和アセットマネジメント | 273,571円 | 920.25億円 |
| One ETF 高配当日本株 | アセットマネジメントOne | 40,711円 | 826.93億円 |
※2026年1月9日時点
高配当ETFには、インデックス連動型の銘柄もあれば、アクティブ運用型の銘柄もありますが、上記の時点では、純資産総額上位の5銘柄はすべてインデックス連動型となっています。
このうち上位の3銘柄に注目して、その特徴や魅力を詳しく見ていきましょう。
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
| 銘柄名 | NEXT FUNDS 野村日経平均高配当株50指数連動型上場投信 『愛称:NF・日経高配当50ETF』 |
| 証券コード | 1489 |
| 運用会社 | 野村アセットマネジメント |
| 取引価格(終値) | 3,016円 |
| 基準価額(1口あたり) | 2,957円 |
| 純資産総額 | 4,942.0億円 |
| 売買単位 | 1口 |
| 分配金利回り | 3.15% |
| 分配の方針 | 1月、4月、7月、10月 |
| トータルリターン(3年) | 年30.59% |
| 信託報酬 | 年率0.308% |
※2026年1月9日時点(取引価格は1月13日)
「日経平均高配当株50指数(トータルリターン)」に連動する投資成果を目指すインデックス連動型ETFです。
日経平均高配当株50指数(トータルリターン)とは、日経平均株価の構成銘柄のうち、予想配当利回りの高い原則50銘柄で構成される株価指数です。
日経平均高配当株50指数(トータルリターン)は、予想配当利回りおよび流動性を加味したウエートを用いて、2001年12月28日の指数値を10,000ポイントとして計算されています。
2026年1月9日時点での純資産総額は約4,942億円で、東証に上場する高配当ETFの中では、最も純資産総額の大きいETFです。
組入上位銘柄には、資源開発最大手のINPEX(1605)やJT(2914)、アステラス製薬(4503)、ホンダ(7267)、みずほフィナンシャルグループ(8411)などの銘柄が並びます。
少額から投資できる「はじめの一歩」的な高配当ETF
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信の過去3年間のトータルリターン(年率)は30.59%となっています。
ただし、このトータルリターンの数字は、分配金をすべて再投資したものとして計算されています。
また、分配金利回りは3.15%(2026年1月9日時点)となっています。
日経平均株価の平均配当利回り(予想)は1.74%ですから、魅力的な水準の分配金が期待できるといえるのではないでしょうか。
1株単位から購入でき、2026年1月13日の取引価格(終値)は3,016円です。
少額から投資できるので、高配当ETF投資のはじめの一歩として考えるのにいいかもしれません。
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信(1577)
| 銘柄名 | NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 『愛称:NF・日本株高配当70ETF』 |
| 証券コード | 1577 |
| 運用会社 | 野村アセットマネジメント |
| 取引価格(終値) | 51,740円 |
| 基準価額(1口あたり) | 50,778円 |
| 純資産総額 | 1,945.6億円 |
| 売買単位 | 1口 |
| 分配金利回り | 2.92% |
| 分配の方針 | 1月、4月、7月、10月 |
| トータルリターン(3年) | 年率30.59% |
| 信託報酬 | 年率0.352% |
※2026年1月9日時点(取引価格は1月13日)
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信は、「野村日本株高配当70(配当含む)」に連動する投資成果を目指すETFです。
野村日本株高配当70(配当含む)は、国内の上場株式の中から、予想配当利回りが高い70銘柄を選んで構成銘柄とした等金額型の株価指数です。
配当継続性を重視し、予想配当ゼロの銘柄は除外
配当継続性に配慮して、過去3年間に経常利益がマイナスとなったことのある銘柄は組入対象から除外しています。
また、予想配当を定期的にモニタリングし、予想配当がゼロとなった構成銘柄は除外して、今期の予想配当利回りが高い銘柄で補完していることも大きな特徴です。
四半期ごと(1月・4月・7月・10月)に分配金を支払うことを重視し、構成銘柄は決算期が3月・6月・9月・12月の銘柄に限定しています。
流動性を担保するために、時価総額や売買代金が小さい銘柄を排除する工夫も行われています。
2026年1月9日時点での分配金利回りは2.92%となっています。
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478)
| 銘柄名 | iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF |
| 証券コード | 1478 |
| 運用会社 | ブラックロック・ジャパン |
| 取引価格(終値) | 4,846円 |
| 基準価額(1口あたり) | 4,739.08円 |
| 純資産総額 | 1492.39億円 |
| 売買単位 | 1株 |
| 分配金利回り | 2.19% |
| 分配の方針 | 2月、8月 |
| トータルリターン(3年) | 年率28.59% |
| 信託報酬 | 年率0.2090%程度 |
※2026年1月9日時点(取引価格は1月13日)
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETFは、「MSCIジャパン高配当利回り指数(配当込み)」への連動を目指すETFです。
MSCIジャパン高配当利回り指数(配当込み)とは、日本国内の証券取引所に上場する大型、中型株を対象に、配当継続性や配当性向、財務体質(ROE、負債・自己資本比率、収益の変動性)などの基準を満たした企業の中から、MSCIジャパン指数の配当利回りの130%を超える利回りを持つ銘柄を構成銘柄として算出する時価総額加重平均型の株価指数です。
三井物産やトヨタ自動車、KDDIなどの優良銘柄に分散投資
組入銘柄の上位には、三井物産(8031)やトヨタ自動車(7203)、KDDI(9433)、東京海上ホールディングス(8766)、ホンダ(7267)など誰もが知っている企業が並びます。
1株から投資でき、2026年1月13日時点の取引価格(終値)は4,846円で、分配金利回りは2.19%(2026年1月9日時点)です。
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETFは、5,000円以下で優良企業に分散投資できるだけでなく、日経平均株価の平均利回りを上回る分配金利回りを享受できる可能性を秘めています。
※本記事内で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
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