「インパクト投資」という言葉をニュースで耳にしたことはありますか?
「また新しい投資方法?どうせいつものマネーゲームでしょ?」
そう感じた方ほど、インパクト投資とは何かを整理して知っておく価値があります。
インパクト投資とは、「社会課題の解決」と「投資によるリターン」を同時に狙う、少し欲張りでかなり理知的な投資法なのです。
単なる理想論ではなく、実は金融庁も本腰を入れて注目している分野です。
この記事では、
- インパクト投資とは何か
- なぜ金融庁が国を挙げて推進しているのか
- 具体的にどんな「有望銘柄」や「ファンド」あるのか
について、できるだけ噛み砕いて解説します。
記事を読み終えたとき、あなたの投資基準に「納得できる軸」が1本、増えているはずです。
金融庁も注目の「インパクト投資」とは?わかりやすく解説!
インパクト投資は、単なる流行語ではありません。
2024年、金融庁が公式に「基本的指針」を出したことで、投資の1つのジャンルとして制度的に認知されました。
では、インパクト投資の正体を分解していきましょう。
定義は「社会課題解決」と「投資収益」の両立
インパクト投資の定義は極めてシンプル、かつ強欲です。
「社会の課題を解決し(インパクト)、しっかり儲ける(リターン)」。
これに尽きます。
これまでの常識では、社会貢献は「寄付」、金儲けは「投資」と完全に分断されていました。
しかし、インパクト投資はこの壁を壊します。
金融庁の指針によれば、単に「結果的に社会に良かった」では不十分です。
「この課題を解決するんだ」という明確な意図を持ち、その成果を測定し、そしてビジネスとして自律的に稼ぐこと。
これがインパクト投資の条件です 。
慈善事業ではありません。
持続可能な「商売」としての社会変革なのです。
なぜ今、インパクト投資が注目されているのか
なぜ今、このインパクト投資が熱いのでしょうか?
理由は単純、市場が爆発しているからです。
2024年度、日本のインパクト投資残高は17兆円を突破しています。

前年比でなんと150%増という、異常なほどの成長スピードです。
岸田政権が掲げた「新しい資本主義」においても、社会課題を成長のエンジンに変える切り札として位置づけられています。
少子高齢化、気候変動、地方衰退……日本は「課題先進国」です。
裏を返せば、それは「解決策(ソリューション)の宝庫」であり、投資家にとっては未開拓の金鉱脈なのです。
インパクト投資の事例
具体例がないとイメージが湧きませんよね。
世界で最も有名な事例といえば、やはり「テスラ」でしょう。
「電気自動車(EV)を普及させてCO2を削減した」という環境へのインパクト(成果)においては、世界最高峰の企業です。
新型コロナウイルスのワクチン製造で一躍有名になった「モデルナ」もその1つです。
モデルナ社は、2020年初めから約9ヵ月という異例の速さで新型コロナワクチンを開発し、実用化に成功しました。
その結果、2021年には年間8億回分以上を供給し、会社の規模は一気に拡大しました。
2017年と比べると、2022年には売上高は約94倍、総資産は約24倍に成長しました。
このように課題を解決しつつ、利益を得るのがインパクト投資なのです。
インパクト投資とESG投資との違いは「ベクトル」の向き
「インパクト投資とESG投資とは何が違うの?」
そう疑問に思う方も少なくないでしょう。
しかし、その違いは明確です。
「ベクトル(矢印の向き)」が真逆なのです。

ESG投資は、企業が社会から叱られないようにする投資です。
そのため「行儀の良さ」が重視されます。
それに対して、インパクト投資は社会課題から逆算して、企業を見る投資です。
よって、「攻め」です。
守るESG投資、切り拓くインパクト投資。
同じサステナブルでも、性格はかなり違います。
インパクト投資に注力している企業【国内株式銘柄3選】
「理屈はわかった。でも、具体的にどうすればいいの?」
そんな方のために、ここでは日本株でインパクト投資を実践できる銘柄を3つピックアップしてみました。
カチタス(8919):空き家問題の救世主

地方に行くと見かける幽霊屋敷のような空き家。
そんな空き家を宝の山に変えているのが「カチタス」です。
カチタスのビジネスは、放置された空き家を買い取り、ピカピカにリフォームして、新築の半額以下で販売するというもの。
空き家問題の解決と住宅弱者への供給を同時にこなす、インパクト企業です。
派手さはありませんが、政策的な追い風もビュンビュン吹いており、社会的にはど真ん中です。
メタウォーター(9551):水インフラを守る「ブルーボンド」の先駆け

蛇口をひねれば水が出る。
この当たり前が、上下水道の老朽化で崩れかけていることをご存じでしょうか?
「メタウォーター」は、この危機に立ち向かう水環境の守護神です。
上下水道の機械設備で国内トップクラスの実績を持ちますが、特筆すべきはファイナンスの姿勢です。
調達資金の使い道を水処理事業などに限定した「ブルーボンド」を国内企業で初めて発行しました。
AI(人工知能)を使った水質管理や、下水汚泥の燃料化など、技術力で水インフラを持続可能にしています。
水は生命の源。
ここへの投資は、文字通り未来への投資です。
東鉄工業(1835):災害に負けない「強靭な鉄道網」を作る

毎朝の通勤電車、止まると困りますよね。
JR東日本の線路メンテナンスでトップシェアを誇るのが「東鉄工業」です。
東鉄工業は単なる「線路の修理屋さん」ではありません。
近年激甚化する台風や豪雨に耐えるための「防災・減災工事」、そして駅のホームドア設置による「バリアフリー化」。
これらを通じて、誰もが安全・安心に移動できる社会基盤(インフラ)を物理的に支えています。
正直派手さはありませんが、都市機能の維持という巨大なインパクトを、確実な技術で支え続けているのです。
インパクト投資に注力している有望ファンド3選【実績あり】
「個別株は怖い。運用はプロに任せたい」
そんな方には、投資信託がおすすめです。
ただし、名前だけの「なんちゃってファンド」には注意が必要です。
ここでは、インパクト投資がテーマの中でも実績を備えたファンド3本を紹介します。
ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ)
ポジティブ・チェンジは、「真の長期投資家」として知られるベイリー・ギフォード社が運用しています。
5年、10年先を見据える超長期目線で、社会システムを変える企業だけを厳選しています。

2019年6月17日からの設定来リターンはプラス221%超えです。

ボラティリティ(値動き)は激しいですが、「社会課題の解決こそが最大の成長機会」という信念を、圧倒的なリターンで証明しています。
野村ACI先進医療インパクト投資
「儲けがそのまま研究費になる」。
そんな美しいエコシステムを持つのが、「野村ACI先進医療インパクト投資」です。
実質運用を行うACI社は、創業者が設立した医学研究所が株式の40%以上を保有しています。
つまり、運用収益の配当が、がんや難病の研究資金として還流される仕組みなのです。
投資先は、まだ治療法がない病気(アンメット・メディカル・ニーズ)に挑むバイオ企業などです。

2018年からの設定来のリターンはプラス112%です。

ヘルスケア分野は景気の影響を受けにくく、高齢化社会という構造的な追い風を受けています。
投資することが、誰かの命を救う新薬開発に直結する。
これ以上の「納得感」があるでしょうか。
りそなグローバルインパクト投資ファンド(気候変動)
脱炭素だけでなく、災害への適応までカバーするのが「りそなグローバルインパクト投資ファンド」です。
地球温暖化の時代、気候変動は最大のリスクであり、最大のビジネスチャンスです。
投資先は、インターネットのインフラ提供者「クラウドフレア」や、水不足を解決する「エコラボ」などです。

直近1年のリターンはプラス23.4%、2021年12月からの設定来だとプラス100.9%と好調です。

地球を守りながら資産も守る、現代的な選択肢です。
インパクト投資に対するネット・SNSでの評判は?
理想が高いインパクト投資ですが、実際の評判はどうなのでしょうか?
ネットやSNSの声を調べてみました。
社会貢献と利益の両立に期待の声
投資しながら貧困削減、環境保護、教育格差解消などの社会課題に貢献できる点に注目や期待が集まっています。
若年層や富裕層を中心に、こうしたポジティブな声が増えています。
数字が増えるだけの投資よりも、ストーリーのある投資に「心理的リターン」を感じている印象です。
情報が少なく評価ができないとの声
一方で、「本当に儲かるの?」という懐疑論も根強いです。
「新しい手法すぎて、過去のデータが少なく判断できない」
「普通にインデックスファンドに投資したほうがいい」
これらはもっともな指摘です。
インパクト投資はアクティブ運用が主体であり、どうしても信託報酬などのコストは高くなりがちです。
コストに見合う「未来の成長」を信じられるかどうかが、分かれ道となります。
見せかけの「インパクト・ウォッシュ」があるとの懸念も
最も警戒すべきは、「インパクト・ウォッシュ」です。
実態は空っぽなのに、マーケティング目的で「SDGs貢献!」と叫ぶ企業やファンドのことです。
「CO2削減しました(でも裏で川を汚しています)」 なんてことがあってはなりません。
だからこそ、金融庁も「測定」を厳しく求めています。

投資家である私たちも、雰囲気で選ぶのではなく、「具体的に何の数値を改善したの?」と問いかけるリテラシーを持つ必要があります。
【まとめ】インパクト投資は「納得感」と「成長性」を両立した新しい選択肢
インパクト投資について、駆け足で解説してきました。
最後に、要点をまとめます。
- インパクト投資は、社会課題の解決を手助けしながら、利益を得ようという欲張りな投資
- 数字だけでなく、「資金がどう使われるか」への納得感が、投資を続ける握力になる
儲かるかどうか、だけで決めない。
でも、儲からないものも選ばない。
その中間にある、賢くて誠実な投資が「インパクト投資」です。
まずは、関心のあるテーマ(気候変動、医療、教育など)のファンドや企業をチェックしてみてはいかがでしょうか?
※本記事内で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
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