「資産形成を始めたいけれど、有名企業の株は高すぎて手が出ない…」。
そんな思いで二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今、改めて注目したいのが、少額の資金から狙える「優良低位株」です。
単価が安い銘柄は、資金が限られる個人投資家にとって強力な武器となります。
しかし、単に「株価が安い」という理由だけで飛びつくのは危険です。
中には業績不振で安値に放置されている銘柄も混ざっているからです。
本記事では、業績好調で将来性のある2026年版の低位株の注目銘柄や、失敗しない低位株を選び方を解説します。
2026年以降に化ける!伸びる低位株の見つけ方
株式投資の世界には「ボロ株」と呼ばれる、業績悪化によって株価が下がったままの銘柄が存在します。
しかし、私たちが探すべきはそうした銘柄ではなく、将来的に大きく化ける可能性を秘めた「優良低位株」です。
ここでは、2026年の相場で利益を狙うために必要な、低位株に対する基本的な考え方を説明します。
「低位株」とは何か:株価1,000円未満の銘柄
一般的に「低位株」とは、購入単価が低い銘柄のことを指します。
明確な定義はありませんが、株式市場では株価が数百円台(1,000円未満)の銘柄を指す傾向にあります。
投資初心者が陥りやすい最大の誤解が、「株価が安い=小さな会社」と思い込んでしまうことです。
しかし、株価は時価総額を発行済株式数で割って算出されるため、株価の安さと企業の規模は必ずしも比例しません。
例えば、日本を代表する通信大手のNTT(9432)は、株式分割を行った結果、現在の株価は100円台の水準ですが、時価総額は十数兆円規模の巨大企業です。
逆に、株価が数千円あっても時価総額が数十億円しかない小型株も存在します。
つまり、低位株の中には「これから成長する小型株」もあれば、「発行株数が多く安定している大型株」、そして「人気がなく放置されている不人気株」も混在しているのです。
低位株の最大の魅力は、なんといっても「買いやすさ」でしょう。
株価が500円なら、1単元(100株)購入するのに必要な資金は5万円です。
100円以下の銘柄であれば、1万円以下でお釣りがくる計算になります。
お小遣い程度の資金でポートフォリオに組み込めるため、投資初心者でも手が出やすい点は大きなメリットといえます。
低位株の3つの特徴
低位株の主な特徴は次の3点に集約されます。
【1】買いやすい
まず1つ目は、物理的に買いやすいことです。
数万円の資金で100株を購入できるため、投資初心者でも参入障壁が低く、手軽に始められます。
【2】株価水準が企業規模と関係ない
2つ目は、株価の水準は「企業規模と関係がない」という点です。
業績悪化で安くなっている銘柄ばかりでなく、株式分割によって意図的に購入単価を下げた優良な大企業も存在します。
【3】株価変動が大きい傾向がある
3つ目は、株価変動が大きい傾向がある点です。
特に時価総額の小さい低位株は、好材料で株価の大きな上昇が期待できる一方で、下落幅も大きくなりやすい特徴があります。
大化け期待銘柄の見つけ方:業績好調な銘柄を狙う
株価が数倍に跳ね上がる「大化け」を狙うなら、企業の成長力に焦点を当てましょう。
特に重要なのが業績が好調であるかどうかです。
株価が低迷している理由が「一時的な不人気」であればチャンスですが、「構造的な赤字」であれば投資対象から外すべきです。
スクリーニングの際は、増収増益が継続されているか、あるいは黒字転換のタイミングかをよく確認してください。
特に低位株の場合、利益が薄くても売上が急伸していれば、将来的に利益率が改善した際に株価が上昇する可能性があります。
また、ずっと赤字だった企業が黒字に転換する、あるいは最高益を更新するタイミングは、株式市場の評価が一変するチャンスです。
高配当銘柄の見つけ方:配当性向と減配リスクを考慮
キャピタルゲイン(値上がり益)だけでなく、インカムゲイン(配当金)を重視して低位株を選ぶ戦略も有効です。
この場合、株価の変動よりも「減配リスクの低さ」を見極める必要があります。
「配当利回りが高いから」という理由だけで飛びつくのは危険です。
業績悪化で株価が下がった結果、見かけ上の利回りが高くなっているだけという「高配当株の罠」もしばしば見受けられます。
まずは、企業に安定的に配当を支払える体力があるかを確認しましょう。
企業規模が一定以上あり、財務基盤が安定しているか、さらに自己資本比率の高さや現預金の保有量は重要な指標です。
また、配当性向と時価総額のバランスもチェックしましょう。
配当性向(利益のうちどれだけ配当に回しているか)が高すぎる企業は、今後の増配余地が乏しく、業績が悪化した際に減配するリスクがあります。
資産の増加を加速させる!2つの低位株の賢い活用法
低位株投資の真価は、単に「安いから買いやすい」という点だけに留まりません。
資金効率を最大化し、ポートフォリオ全体のリスクをコントロールするためのツールとして活用してこそ、そのメリットを享受できるのです。
【1】リスクヘッジを効かせた分散投資を行う
賢い活用法の1つ目は、リスクヘッジを効かせた分散投資です。
1単元(100株)で数百万円もするような値がさ株の場合、限られた資金では1銘柄に集中せざるを得ず、その企業の株価急落が資産全体に致命的なダメージを与えかねません。
対して、数万円から10万円程度で購入可能な低位株であれば、同じ予算内で複数の銘柄に資金を振り分けることができます。
例えば、「通信」「建設」「小売」といった異なるセクターや、「高配当」「成長期待」といった異なるテーマの銘柄を組み合わせることで、一部の銘柄が下落しても他でカバーする体制が作れるのです。
【2】NISAの非課税枠を使い切る
2つ目の賢い活用法は、NISAの非課税枠を「使い切る」ための調整弁としての活用です。
NISAの「成長投資枠」は年間240万円まで投資可能ですが、主力となる大型株や投資信託を購入した後、数万円〜十数万円程度の中途半端な枠が余ってしまうケースは少なくありません。
そこで役立つのが優良低位株の存在です。
例えば、後ほど紹介するNTT(9432)のような1万円台で買える銘柄や、10万円以下の銘柄であれば、残った枠にパズルのピースのように収めることが可能です。
NISAの成長投資枠の非課税枠をギリギリまで無駄なく活用し、配当や値上がり益を非課税で受け取る。
これこそが、資産拡大を加速させる賢い投資家のテクニックです。
【2026年注目】優良低位株5銘柄を徹底分析
ここからは、2026年の株式市場において、特に注目すべき「優良低位株」5銘柄を詳しく解説していきます。
今回選定した銘柄は、単に株価が安いだけではありません。
2026年の重要テーマに乗っており、かつ業績面でも信頼のおける企業ばかりです。
もちろん、投資にリスクはつきものですので、懸念材料についても公平な視点から触れていきます。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532):34期連続増収増益の超優良企業
| 株価 | 939.1円 |
| 時価総額 | 2兆9,837億円 |
| 配当利回り | 0.91% |
| PER(連) | 26.59倍 |
| PBR(連) | 4.57倍 |
| ROE(連) | 15.85% |

東証プライム市場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年12月5日時点
総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を展開する小売企業です。
驚異的なのは、30年以上も続く「連続増収増益」の記録です。
どのような環境下でも稼ぐ力を落とさない経営手腕は、日本を代表する優良企業といっても過言ではないでしょう。
その成長性と安定感を考慮すれば、10万円以下から購入できる株価は、少額から投資を始めたい方には、魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。
ドン・キホーテは訪日客の「爆買い」の聖地とまでいわれており、2026年もインバウンド(訪日外国人)需要が引き続き追い風となるでしょう。
懸念材料は、人手不足に伴う人件費の高騰と物流コストの上昇です。
小売業は労働集約型であるため、賃上げ圧力が利益を圧迫する可能性があります。
シーティーエス(4345):建設DXで人手不足を解決する黒子役
| 株価 | 895円 |
| 時価総額 | 375億円 |
| 配当利回り | 3.24% |
| PER(連) | 14.63倍 |
| PBR(連) | 2.61倍 |
| ROE(連) | 17.45% |

東証プライム市場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年12月5日時点
シーティーエスは、建設現場向けのICT(情報通信技術)システムや測量計測機器導入のサポートを行う企業です。
長野県を地盤としつつ、全国の工事現場へネットワークを広げています。
株価は数百円台で推移しており、手頃な投資金額で参入可能です。
建設業界は、深刻な人手不足と長時間労働の是正に追われています。
この課題を解決するのが、シーティーエスが提供する「建設DX」サービスです。
現場のライブカメラ監視や入退場管理システムなどは、一度導入されると継続利用されるストック型ビジネスであり、安定した収益基盤を持っています。
ただし、業績が公共事業の動向に左右されやすいという側面があります。
国の予算編成や景気対策によって工事量が減少すれば、需要も落ち込む可能性があり注意が必要です。
カナミックネットワーク(3939):高齢社会を支える医療・介護プラットフォーマー
| 株価 | 544円 |
| 時価総額 | 261億円 |
| 配当利回り | 1.65% |
| PER(連) | 18.84倍 |
| PBR(連) | 5.55倍 |
| ROE(連) | 26.19% |

東証プライム市場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年12月5日時点
カナミックネットワークは、医療・介護・子育て分野に特化したクラウドサービス(SaaS)を提供しています。
自治体や医師会、介護事業所をつなぐ情報共有プラットフォームとして高いシェアを持ち、株価も500円程度で購入しやすい水準です。
日本は2025年に「団塊の世代」がすべて75歳以上となり、超高齢社会のピークを迎えています。
カナミックネットワークのシステムは、関係者のスムーズな情報共有を可能にし、現場の業務効率化に直結します。
クラウド型サービスのため、ユーザーが増えるほど利益率が高まるビジネスモデルであり、ストック収益の積み上げによる安定成長が期待できます。
ただし、介護・医療業界は国の制度ビジネスであるため、「介護報酬改定」や「診療報酬改定」の内容に業績が大きく影響を受けます。
マイナスの報酬改定が行われた場合、顧客である介護事業所の経営が厳しくなり、システム解約や価格交渉につながるリスクがある点は留意しておくべきでしょう。
NTT(9432):国民的通信株が100円台で買える安心感
| 株価 | 153.9円 |
| 時価総額 | 13兆9,356億円 |
| 配当利回り | 3.44% |
| PER(連) | 12.24倍 |
| PBR(連) | 1.38倍 |
| ROE(連) | 9.97% |

東証プライム市場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年12月5日時点
NTTは言わずと知れた国内通信事業のガリバーであり、時価総額ランキングでも上位に君臨する日本を代表する企業です。
2023年に行われた1株を25株にする大幅な株式分割により、株価は100円台となり、お小遣い感覚で投資できる低位株銘柄として人気があります。
NTTの最大の魅力は、やはり「新NISAの入門株」として最適な買いやすさと安定感です。
配当利回りは高水準で推移しており、減配リスクが低いディフェンシブ性は、不透明な2026年の相場環境において心の支えとなるでしょう。
光技術を活用した低消費電力・大容量通信は、データセンター需要が急増するAI時代の国策ど真ん中の銘柄ともいえます。
ただし、巨大企業ゆえに事業の急拡大は難しく、株価が短期間で2倍や3倍になるようなスピード感は期待できない点を理解しておく必要があります。
ソフトバンク(9434):携帯キャリア大手が分割で低位株に
| 株価 | 215.2円 |
| 時価総額 | 10兆3,112億円 |
| 配当利回り | 4.00% |
| PER(連) | 18.98倍 |
| PBR(連) | 3.53倍 |
| ROE(連) | 20.55% |

東証プライム市場
出所:Yahoo!ファイナンス 2025年12月5日時点
「ソフトバンクグループ(9984)」の通信子会社であり、国内携帯キャリア大手の一角を占める企業です。
2024年10月に1株を10株に分割する株式分割が行われたことで、株価は200円程度とお小遣い価格で投資できるようになりました。
ソフトバンクの最大の魅力は、なんといっても国内トップクラスの「高配当利回り」にあります。
株主還元に積極的であり、安定した通信料収入を原資とした配当金は、インフレ時代の資産防衛策として強力です。
また、登録ユーザー数が7,000万人を突破した決済アプリ「PayPay」を中核とする経済圏(LINE・ヤフー含む)の強さも健在です。
一方で、ソフトバンクの懸念点は有利子負債の大きさです。
ソフトバンクは積極的にレバレッジを効かせた経営を行っているため、今後日本国内の金利が上昇する局面では、借入金の利払い負担が増加し、利益を圧迫するおそれがあります。
知っておきたい低位株投資の注意点
ここまで低位株の特徴や2026年の低位株の注目銘柄を紹介してきましたが、投資の世界に絶対はありません。
特に低位株は、その安さゆえに独特の落とし穴が存在します。
ここでは、時価総額の規模によるリスクの違いと、低位株特有の構造的な注意点について解説します。
時価総額が小さい低位株のリスク
株価が低く、かつ時価総額も小さい銘柄は、個人投資家に人気がありますが、最も警戒すべきは「流動性の低さ」と「価格変動の激しさ」です。
時価総額が小さい銘柄は、発行済み株式数が少ない、あるいは市場に出回っている浮動株が極端に少ないケースが多々あります。
普段は出来高が少なく、自分が「売りたい」と思ったタイミングで買い手が現れず、売るに売れない状況に陥るリスクがあります。
また、少額の資金流入でも株価が大きく動いてしまうため、大口投資家や仕手筋のターゲットになりやすい点にも注意が必要です。
時価総額が大きい低位株のリスク
一方で、NTT(9432)やソフトバンク(9434)のように、時価総額が数兆円規模であるにもかかわらず、株価が数百円台という大型の低位株も存在します。
これらは倒産リスクこそ低いものの、小型株のような短期的な大化けは期待しにくいという点に注意が必要です。
大型の低位株が安い理由は、業績不振ではなく、株式分割を行って発行済み株式数が膨大になっているケースがほとんどです。
株式数が多いため、株価を1円上げるだけでも莫大な買いエネルギーが必要となり、値動きは非常に緩やかになります。
大型の低位株は、あくまで配当取りや長期的な資産保全を目的として割り切る姿勢が求められます。
「安いのには訳がある」最悪のシナリオも想定する
最も重要な心構えは、「株価が安いのには、それなりの理由がある」という視点を常に持つことです。
特に、「業績が赤字続きである」「不祥事を起こした」「将来性が乏しい斜陽産業である」といった理由で株価が低迷している銘柄は、「割安」ではなく単なる「ボロ株」である可能性が高いです。
スクリーニングの際は、単に株価やPER(株価収益率)の低さだけで飛びつくのではなく、財務諸表やニュースリリースをチェックする癖をつけましょう。
「業績は好調なのに、市場全体の暴落に巻き込まれて一時的に安い」といった、明確な根拠のある銘柄だけを選別する選球眼が、株式投資の勝敗を分けることになるでしょう。
まとめ:2026年は「優良低位株」で資産拡大を狙おう
本記事では、2026年に飛躍が期待される「優良低位株」厳選5銘柄や、低位株の特徴や活用法、注意点について解説してきました。
ここで紹介した銘柄は、単に株価が安いだけでなく、
・社会構造の変化を追い風に業績を伸ばしている
・業績が安定しており配当継続が期待できる
といった特徴があり、長期投資の対象として魅力的です。
しかし、低位株には特有のリスクがあることも忘れてはいけません。
一発逆転を狙って全財産を集中させるような投資は避けるべきでしょう。
まずはNISAの成長投資枠などを活用し、無理のない範囲で分散投資から始めてみてはいかがでしょうか。
「優良低位株」という武器を手に、2026年以降の資産形成を成功させましょう。
※本記事内で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
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