SNSで著名人がおすすめする投資先を信じて1億円以上騙された…。
このような『SNS型投資詐欺』のニュースをよく目にするようになりました。
「まさか自分が…」被害者は口を揃えてこう言っています。
しかし、投資に関わる方なら、もはや誰もが『見込み被害者』な時代。
この記事では、SNS型投資詐欺の最新手口から対処方法、詐欺に合ったときの相談先まで解説。
いわば、SNS型投資詐欺のパーフェクトマニュアルです。
怪しい投資話や広告を高精度で見抜き、詐欺グループのカモにされないための知識が手に入ります。
最後まで読んで、大事な資産を守るための盾を手に入れてください。
警視庁が注意喚起!SNS型投資詐欺が深刻化
冒頭でもお伝えしたように、SNSやLINE等のメッセージアプリを通じて、コミュニケーションを取り、投資話に誘導する『SNS型投資詐欺』が増加しています。
その脅威度を警視庁のデータから確認していきましょう。
2023年から被害額と件数が大幅に増加
警察庁の発表によると、SNS型投資詐欺の被害は2023年から急増。
2023年の認知件数は2,271件、被害総額は約277.9億円にのぼり、2024年にはさらに深刻化。
11月末時点で被害額は約1,141億円に達しました。
自由民主党の調査でも、2024年1〜3月の被害額は前年同期比で約7.5倍の219億円に急増。
とくに3月は55.3億円と前月より23.7億円増加し、再び拡大傾向にあります。
詐欺の多くはSNSのダイレクトメッセージをきっかけに始まり、暗号資産への投資を装った手口が目立っています。
被害者は男女ともに50~60代が中心
SNS型投資詐欺の被害者は60代が最多で、次いで50代が多く、この2世代で全体の約半数を占めています。

比較的ネットリテラシーが高くない一方で、一定の資産を持つことから、詐欺グループにとって狙いやすい層と考えられます。
ただし、SNSが主な接点となっているため、若年層への被害も拡大も指摘。
年齢に関係なく誰もが被害に遭う可能性があります。
投資や暗号資産に関心があり、SNSで情報収集をしている人ほど、巧妙な詐欺の標的になりやすいため注意が必要です。
1件あたりの平均被害額は1,000万円超
SNS型投資詐欺は、1件あたりの被害額が極めて大きいのが特徴です。
平均被害額はなんと1,000万円。
500万円以下のケースが多い一方で、1億円を超える高額被害も発生しているため、平均被害額が大きくなっています。

警視庁管内では2023年に約38億円の被害がありましたが、2024年は4月末時点ですでに約48億円に達し、過去を上回る深刻な状況です。
中には1億4,000万円を失った事例も確認。
こうした被害の背景には、詐欺師が時間をかけて信頼を築き、段階的に金銭を引き出す巧妙な手口があるとされています。
【2025年度最新】SNS型投資詐欺の手口
最新のSNS型投資詐欺は、甘い言葉の誘い込みと心理的信頼関係の構築がどの手口にも共通しています。
また、FacebookやLINE、インスタグラムといったSNSが接触ツールとなり、被害時のツールの多くはLINEになるのが特徴です。

おもな手口を3つ確認していきましょう。
著名人の名を語った偽広告や偽アカウント
SNS型投資詐欺の中でもとくに社会的な注目を集めているのが「著名人なりすまし」による手口。
実在する投資家や実業家、さらには芸能人の名前や写真を無断で使用した偽の広告やSNSアカウントが多数出回っており、多くの人が騙される被害が後を絶ちません。
詐欺グループは、著名人が持つ社会的信用や知名度を悪用し、あたかも本人が推奨しているかのように見せかけて、被害者の警戒心を巧みに取り除きます。
その結果、信頼して投資を始めた利用者が高額な被害を受けるケースが急増しています。
また、無断で名前や肖像を使われた著名人側にも風評被害が及び、信頼性が損なわれるなど深刻な影響を与えています。
被害例としては、故・森永卓郎氏が有名ですね。
その他にも多数の偽広告が報告されているため、今後も類似のなりすまし詐欺には注意が必要です。
実際、実在する投資家のFacebook広告を信じて1,000万円以上騙されてしまった方の報告はいくつもあります。

被害者は50代の方ですので、この方が特別ネットに疎いわけではなかったわけではないでしょう。
それでも「警戒はしていなかった」と述べていますから、相当精度の高い詐欺広告だったのだと思います。
AIの進化によって本人の会話まで再現できる世の中です。誰でも被害者に成りうるという自覚を持っておくべきでしょうね。
巧妙な偽投資アプリ・ウェブサイト
SNS型投資詐欺では、巧妙に作られた偽の投資アプリやウェブサイトを使った手口も目立ちます。
詐欺グループは独自に開発したアプリやサイトを被害者にインストールさせ、架空の取引画面であたかも利益が出ているかのように見せかけます。
最初は少額の投資で利益が出たように演出し、信頼を得た後に「もっと稼げる」と高額な追加投資を促す。
そして資金を振込したら音信不通…という手口です。
見た目は本物の証券アプリと変わらないほど精巧に作られており、被害者は詐欺と気づかず多額の資金を失ってしまうケースが後を絶ちません。
下記のような出来が悪すぎるものなら誰も騙されないでしょうけどね。
シゲル・イシビって。。。
恋愛感情や信頼関係を利用するロマンス詐欺
近年、SNS型投資詐欺の中でも深刻な被害を生んでいるのが、ロマンス詐欺と融合した手口です。
SNSやマッチングアプリを通じて知り合った相手と親密な関係を築き、恋愛感情や信頼を巧みに利用して金銭を騙し取るのが特徴。
手口の流れ
- SNSやマッチングアプリで接触:好意を持たれやすい写真や言葉で接近
- 日常会話を重ねて信頼関係を構築:恋愛感情や親近感を抱かせ、警戒心を解く
- 将来や人生設計を語り、共感を誘う:「一緒に幸せになりたい」「将来を考えている」とアピール
- 投資話を自然な流れで提案:「二人で資産を増やそう」「確実に儲かる方法がある」と勧誘
- 偽アプリやサイトに誘導し、入金させる:架空の利益を表示して追加投資を促す
- 引き出そうとすると連絡が途絶える
接触はSNS上でのDMが多いとされています。
上記のように有名人を装ってDMしてくるケースも報告されています。
つい最近、X JAPANのYOSHIKI氏の名がロマンス詐欺に使用されニュースになりました。
恋愛感情という人間の深い心理を悪用するこの手法は、被害者の警戒心を徹底的に麻痺させ、高額被害につながりやすいのが特徴。
「なんで騙されるんだろ?」と外野から見てると思ってしまいますが、強い好意と信頼性は冷静な判断を阻害します。
詐欺師はそれを分かって被害者の心をコントロールしているので、騙されてしまう方も多くいるのでしょう。
【自分でできる対策】SNS型投資詐欺を見抜く7つのチェックポイント
SNS型投資詐欺に合わないためには、「怪しい」と感じる案件に近づかないのが最適解です。
そのためのチェックポイントが下記の7つになります。
- 「絶対に儲かる」「元本保証」などの甘い言葉は信じない
- 直接DMやLINEグループで招待してきたら100%詐欺
- 日本語が不自然、誤字脱字が多いなら疑う
- 投資先の情報を確認する
- 投資する「暗号資産」や「投資アプリ」の情報を確認する
- 「なりすまし」でないか確認する
- 振込先情報を確認する
「絶対に儲かる」「元本保証」などの甘い言葉は信じない
「絶対に儲かる」「元本保証」といった言葉は、詐欺の典型的な誘い文句として警戒が必要です。
そもそも確実に利益が出る投資話など存在せず、もし本当にそんな話があるなら、不特定多数に公開することはありません。
うますぎる話には必ず裏があります。
直接DMやLINEグループで招待してきたら100%詐欺
投資話をSNSのDMやLINEグループで持ちかけてくる時点で、詐欺の可能性は極めて高いと判断すべきです。
普通に考えて、面識のない相手に儲け話を持ち掛けるなんてしません。
よって、見ず知らずの相手から「必ず儲かる」などと誘われた場合、それはほぼ100%詐欺と考えて間違いありません。
日本語が不自然、誤字脱字が多いなら疑う
投資話を持ちかけてくるメッセージに不自然な日本語や誤字脱字が多い場合は、詐欺の可能性を疑うべきです。
SNS型投資詐欺の多くは、外国人グループによって組織的に行われているとの報告もあり、言語の不自然さが手口の特徴として現れることがあります。
例えば、Xでも下記のような事例が報告されています。
違和感のある文章には安易に反応せず、冷静に相手の意図を見極めましょう。
投資先の情報を確認する
投資先が実在するかどうか、またその業者が金融庁に登録されているかは必ず確認しましょう。
無登録の業者は違法業者です。
利用は大きなリスクを伴うため、「金融庁の公式サイト」に掲載されていない業者とは、絶対に取引してはいけません。
投資する「暗号資産」や「投資アプリ」の情報を確認する
投資を勧められた暗号資産や投資アプリが実在するかどうかを、事前にインターネット検索しましょう。
詐欺グループは実体のない架空の暗号資産や偽アプリに誘導する手口を多用しているからです。
正規のものであれば情報が見つかります。
また、詐欺の場合は被害報告や注意喚起の口コミが見つかるケースも。
投資前に検索して調べる習慣を持つことが、被害を未然に防ぐための有効な手段です。
「なりすまし」でないか確認する
著名人が推奨しているからといって安易に信じてはいけません。
とくに無料で投資教室を開いたり、 “ 必ず儲かる投資話 ” を無償で教えたりする場合は要注意。
そうした誘いは なりすまし詐欺の可能性が高いため、鵜呑みにせず冷静に判断するのが重要です。
情報の真偽を見極めるには、必ず本人の公式サイトや認証済みのSNSアカウントを確認し、本人発信かどうかを確かめましょう。
振込先情報を確認する
振込先として「個人名義の口座を指定される」、「毎回異なる口座への振込を求められる」というような場合、詐欺の可能性が非常に高いです。
正規の金融取引であれば、法人名義の口座が使われるのが一般的です。
少しでも不自然さを感じたら、すぐに取引を中止し、関係機関に相談しましょう。
もし詐欺被害にあってしまったら?【困ったときの相談先】
「SNS型投資詐欺の被害にあってしまった…」このようなときは、1人で悩んでいないで専門機関に相談してください。
相談先 | 電話番号 |
---|---|
警察相談専用窓口 | #9110 |
消費者ホットライン | 188 |
未公開株通報専用窓口 | 0120-344-999 |
また、下記のWEBサイトでもSNS型投資詐欺の情報があります。
相談するときのポイントは「証拠の保管」です。
犯人とのやり取り(メッセージやスクリーンショット)、振込履歴を消さずに保管しておきます。
証拠があれば被害にあったという証明になりますので、相談がスムーズに進みます。
SNS型投資詐欺は他人事でない…冷静な判断と情報で身を守ろう!
SNS型投資詐欺の被害は急増しており、年齢層も高齢者から若年層まで様々。
著名人のなりすましや偽アプリ、さらには恋愛感情を利用したロマンス詐欺など、手口はますます巧妙化。
ネットリテラシーや年齢に関係なく、誰でも標的になりうるため、「自分は騙されないから…」という時代では無くなっています。
詐欺グループの養分にならないためには自己防衛しかありません。
甘い言葉や派手な利益話に惑わされず、情報の真偽を自分で確かめる冷静さが、詐欺から身を守る最大の防御となります。
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