伝説のファンドマネジャーという肩書で知られる林則行氏は、アラブ首長国連邦の政系「アブダビ投資庁」でファンドマネジャーも務めた実力派の投資家です。
素晴らしい経歴を持っており、ファンクラブが出来るほどの人気ぶりですが、一方で彼の関わっているコンテンツには怪しい点も…。ネット上では一部批判的な意見も見られ、信頼性が問われています。
この記事では、林則行氏の経歴・プロフィール・評判などを紹介し、本当に信用できる人物か解説。彼が関わっているコンテンツの問題点についても指摘します。
林則行とは?経歴や投資手法など
様々な国でファンドマネジャーとして活躍し、ジム・ロジャーズ氏をはじめ世界各国の投資家とも交流のある林則行氏は、一体どのような人物なのでしょうか?
ここでは、彼のプロフィール・経歴・投資手法などをwiki風にまとめます。
林則行のプロフィール
まずは、林則行氏のプロフィールについて簡単にまとめます。
- 1959年東京生まれの元ファンドマネジャー、米国公認会計士
- 早稲田大学出身
- 28歳の時にコロンビア大学に留学。ジム・ロジャーズと出会う
- フィデリティ投資顧問にてピーター・リンチと共に働く
- アラブ首長国連邦の政府系ファンド「アブダビ投資庁」に6年間勤務
- 現在は書籍の執筆や、セミナー講師として活躍
林則之氏は早稲田大学出身の元ファンドマネジャーで、現在は経験を活かし書籍の出版やセミナーで講演したりと多方面で活躍。
Amazonの著者プロフィールに「1959年生まれ」と記載があるため、現在の年齢は66歳と思われます。

林氏のプロフィールで注目すべきは、やはりその経歴。
28歳でコロンビア大学に留学した際には、世界3大投資家の1人ジム・ロジャーズ氏と出会う。フィデリティ投資顧問ではピーター・リンチ氏と共に働くなど、世界的な投資家と交流しながら実力を付けていきました。
その後、アラブ首長国連邦の政府系ファンド「アブダビ投資庁」に6年間勤めると、日本人で初めてオイルマネーを運用した人物として名を上げるなど、優れた経歴によって多くの投資家から信頼を勝ち得ています。
投資家として実力ある人物なことは確かで、彼の書籍やセミナーは現在も人気があり、多くの人が彼の手法を参考にしています。
経歴|アブダビ投資庁からのスカウトなど
ここでは、林則之氏の経歴について、もう少し詳しく紹介します。
林氏は高校時代から投資の世界に興味を持ち、『会社四季報』を愛読して企業分析をするような学生でした。早稲田大学に進学後、学部は不明ですが投資への情熱は持ち続け、卒業後は国内の企業で資産運用の業務を任せられます。
その一方で、個人での株式投資も行っており、28歳の時に投資で得たお金を元手にアメリカのコロンビア大学ビジネススクールに留学。そこで、世界3大投資家の一人ジム・ロジャーズ氏と出会います。
林氏はジム・ロジャーズ氏の下で時代の読み方や相場の大局観を学び、コロンビア大学卒業後、ロジャーズ氏の推薦を受けて当時世界4位の規模を誇っていた「フィデリティ投資顧問」に就職。

フィデリティで林氏はマゼラン・ファンドのファンドマネジャーとして有名なピーター・リンチ氏と共に働きます。その後も、バークレイズ信託銀行など欧米の金融機関でファンドマネジャーを務め、着実に実力を付けていきました。
優れた実績と相場分析の理論が評価され、林氏は日本人として初めてアラブ首長国連邦の政府系ファンド「アブダビ投資庁」からスカウトを受け、日本株運用部長としてオイルマネーの運用に6年間従事。
アブダビ投資庁ではNO.1の成績を出した事もある林氏ですが、その秘密はジム・ロジャーズ氏やピーター・リンチ氏など、一流の投資家が握る「情報の力」であると語っています。
その後、ファンドマネジャーを引退した林氏は、日本国内で「アシュク・インベストメント」の代表などを務めながら、書籍の執筆やセミナーでの講演活動に従事。
ジム・ロジャーズ氏の著書の翻訳なども行っており、業界の多方面で活躍している投資家です。
投資手法や実績
林則行氏の投資手法で有名なのが、「株の公式」です。
これは、林氏の著作の中で紹介されているもので、10年以上前の本ですが、未だに多くの投資家に支持されています。

概要だけ簡単に紹介すると、手法の鍵となるのは「新高値」に注目する事。それに加えて、決算短信のいくつかの数字を参照すれば、高成長銘柄を見分けられると解説されています。
公式の数は13あり、それを当てはめるだけで、相場の8割以上の局面で適切な判断が可能。この手法によって、大きな損をせずに長期的に利益を積み重ねていく投資が出来ると述べています。
ただし、林氏の実績は具体的な数字が挙げられていません。
もっとも、アブダビ投資庁で6年間勤め上げたという事から、相応な実力があるのはほぼ確実でしょう。
実際に口コミを見ると、「彼の投資法で利益を上げられた」という人も見つかります。

海外の金融機関を渡り歩いた林氏ですから、投資手法や実績には確かなものがありますので、彼の書籍は今でも十分通用するものだと考えられます。
気になる年収や資産
林則行氏の年収や資産は公開されていません。
しかし、海外のファンドマネジャーを務めていた事から、相当な資産を保有しているのではないかと思われます。
参考として、世界のトップファンドマネジャーの年収を見てみましょう。
林氏がファンドマネジャーを引退する前後と思われる2011年、フォーブス誌ではその年のヘッジファンドマネジャー報酬ランキングが発表されています。

記事によると、紹介されている中で最も低い37位タイのファンドマネジャーでさえ、当時のレートで30億~40億円程度の報酬を受け取っています。
林氏が世界でどれくらいのレベルだったかは分かりませんが、海外ファンドマネジャーの報酬の高さを考えると、低く見積もっても当時数千万~数億円の報酬があったのではないでしょうか?保有資産も数億円レベルだと思われます。
現在の年収も不明ですが、数億円レベルの資産を保有しているとすれば、少なく見積もっても数千万円は投資によって得ているのでは?
あくまでも推測ですが、林氏の実績を考えるとその可能性は高いでしょう。
林則行の評判
書籍や講演など各方面で活躍している林則行氏ですが、ネット上ではどのような評判になっているでしょうか?
ここでは、彼の評判について、SNSや口コミサイトから悪い口コミと良い口コミを紹介します。
良い口コミ|書籍やセミナーが人気
林則行氏の良い口コミは、書籍やセミナーに対するものがほとんどです。
長年投資を行っている人にも愛読され、参考にされている様子が窺えます。
たぶん1番読み返した投資本は
— つけひも (@zawawayuzawa) September 19, 2023
林則行氏の株の公式。
林則行さんのセミナー面白かった!結構的を得てる気がするので、今後のヒントにしたい。
— kenmo@湘南投資勉強会 (@kenmokenmo) March 15, 2014
実例を眺めながらあーでもないこーでもないと考えていて株をやり初めて初めて手にした林則行さんの本に戻ってきた。たしか四半期決算をこけた時のダメージが大きすぎて止めたw チャートの見方は改めて参考になりそう。予想するやり方は迷いが生じる。既出の数字だけで動けるように
— MDM (@GGblocked) October 26, 2024
Amazonのレビューを見ても、林氏の書籍には最近書き込まれたコメントも付いており、未だに多くの人に読まれている事が分かります。
ただ、後に紹介する「投資部」などの有料コンテンツの評判は、SNSや口コミサイトでも見つかりませんでした。
林氏に好意的なブログは発見しましたが、そこでは「早くも4か月後には投資部の実践で得た利益が給料を超えた」など書かれています。

ただ、このブログは記事がこの1本しか投稿しておらず、正直なところサクラっぽさも感じます。
ですが、一応良い口コミとして紹介しておきました。
悪い口コミ|投資部が怪しいなど
林則行氏の悪い口コミは、SNS上ではほとんど見つかりませんでした。
一方、口コミサイトでは怪しいという意見も見つかります。
後に紹介する通り、林氏が関わっている「投資部」というコンテンツには、確かに怪しい点が多く見られます。
コンテンツの質自体は決して悪くないと思われますが、運営体制に対する不信感を感じているのは仕方が無いでしょう。
また、「林氏の運用方法を実践しても、必ずしも利益が得られない」という書き込みも見られます。
林氏の投資手法も絶対的なものでは無く、著書で損切りの大切さを説いているように、失敗もあるのは仕方がありません。
「これをすれば必ず儲かる!」というものでは無いため、注意してください。
林則行の活動
元敏腕ファンドマネジャーとして大きな信頼を寄せられている林則行氏ですが、彼の関わるコンテンツの中には怪しげなものも見つかります。
ここでは、林氏の活動と販売サービスについて見ていきましょう。
オンライン講座「投資部」

投資部は、「伝説のファンドマネージャー林則行が発足するオンライン学習講座」と銘打っている通り、林則行氏が講師を務めるオンライン学習投資講座。
初めて参加する人には、合計6時間超えの無料動画3本がプレゼントされるうえ、元ファンドマネジャーならではの魅力的なコンテンツになっているようです。
しかし、問題は有料コンテンツ。投資部の公式サイトには、有料コンテンツに関する情報は一切ありません。
それなのに、「特定商取引法に基づく表示」には支払方法が示されており、何らかの有料コンテンツを販売しているようなのです。

特商法表示には通常商品の料金について記載がありますが、投資部の公式サイトには見つかりません。
にも関わらず、返品・返金方法だけは詳細に記載されています。

販売会社の「株式会社Acoco.」は2023年10月に設立したばかりで、公式サイトによると「アパレル事業・ウェブマーケティング事業」を行っているようです。
投資に関する知識や資格はありません。

投資部ではサポートチームとしてSNS運用や電話対応を行っているらしく、ウェブマーケティング事業の一環として投資部を運営しているようですが、特商法表示を見る限り怪しい印象が拭えません。
なぜこのような設立1年程度の会社と、林氏が関係しているのでしょう……?
投資部の評判は良い口コミも悪い口コミもほとんど見つからず、もしかすると会員に口外しないよう約束があるのかもしれません。
唯一、投資部について好意的なブログを発見。
しかし、料金や講座スケジュールなど具体的な記載が一切無く、記事も1本しか投稿していないので、返って怪しく感じてしまいます。

無料動画は確かに興味深いですし、林則行氏の実力は確かなものだと思われますが、この投資部というサービスに関しては怪しい点が多くあります。
無料動画だけ見るのなら良いですが、有料コンテンツを購入するかは慎重に考えた方が良いでしょう。
知るだけで勝てる株式投資番組
「知るだけで勝てる株式投資番組」は、先述した投資部の無料オンライン講座の動画3つのことです。
専用ページが用意されており、そこで3つの動画タイトルが示されています。
- 第一話:大暴落は確定してる。ぼくが掴んだ裏情報とは?
- 第二話:世界の最前線で勝ち抜いた投資の絶対ルールとは?
- 第三話:投資のチャンスが生まれる7つのポイントとは?
世界の最前線で活躍した元ファンドマネジャーで無ければ分からない情報が盛り込まれているようで、期待感の膨らむタイトルとなっています。
具体的な動画の内容について、公式サイトでは少しだけ紹介中。
一例を挙げると、以下のような内容となっているようです。
- ジム・ロジャーズ氏が教えてくれた裏情報とは?
- ピーター・リンチが教えてくれた投資のチャンスとは?
- 「金の価格は2倍になる」が的中した裏側とは?
- 「グローバル企業の〇〇に注目する」が投資のチャンスになる理由とは? etc…

このような優れた情報が無料で手に入るという事で、ついメールアドレスを登録したくなります。
しかし、この「知るだけで勝てる株式投資番組」のページにもやはり怪しい点が…
例えば、このページのトップに評価を示す星が記載されていますが、この星の数に根拠はあるのでしょうか?

また、このページにも当然有料コンテンツに関する案内はどこにもありません。
特商法表示の販売会社は「株式会社Acoco.」となっています。
無料動画は確かに魅力的ですが、登録後に有料コンテンツの勧誘があると思われます。
メールアドレスの登録にも慎重になった方が良いでしょう。
セミナー講師を多数務める
林則行氏はセミナーで講師を務める機会も多くあります。
直近では、投資部会員限定のオンラインセミナーを実施していたようです。
こんにちは。
— 林則行の投資部 (@hayashi_toshibu) January 21, 2025
林則行です。
1/17に【第2回オンラインセミナー】を
開催しました!
遅くにも関わらず約300人の方が今回
参加してくださいました!
また、3月はリアルセミナーの開催も検討しています。
まだ計画段階ですが、皆さんと直接お会いできると思うと、今から楽しみな気持ちが止まりません。 pic.twitter.com/rHDdo2yeIm
その他、2024年3月には「投資戦略フェア EXPO2024」にも参加していたようです。
投資戦略フェアで、いつも参考にさせていただいている林則行さん、中原圭介さん、岡村友哉さんのセミナーを受講。今年、来年の相場の大きな流れをイメージできた。相場の転換点を見極める指標の見方にも納得。 pic.twitter.com/UxPrdzxxSj
— Erica (@srarriver) March 2, 2024
セミナー情報は、投資部のX(旧Twitter)や「林則行ファンクラブ」のニュースで確認できます。
次回は、2025年3月頃にリアルセミナーを予定しているとの事ですので、気になる人は情報を追ってみると良いでしょう。
本人公認の「ファンクラブ」が存在
「林則行さんファンクラブ」は、林氏公認のクラブ。
セミナーや講演会のお知らせ、Youtube動画の紹介、林氏による定例発信などを行っています。
サイトの表記を見る限り、2021年から運営を始めているようです。

ファンクラブの会費は無料で、規則もありません。
入会特典も「林則行さん紹介スライド」が進呈されるくらいで、本当に純粋に林氏が好きな人の集まりといった印象です。
投稿数は少ないですが、Youtubeで動画配信も行っています。

地道にゆるく活動しているファンクラブのようですが、問題点はコンテンツの見にくさです。
「定例発信」というカテゴリーで林氏のコラムを掲載しているのですが、過去の記事を全て1ページ中に掲載しているうえに、空白が広すぎてバックナンバーへ簡単にアクセスできません。
また、「Ryu’s Bar」というコンテンツでは、管理人である佐藤隆太郎氏が会員に対してインタビューを行っていますが、これも異様に縦長のページになっており、お世辞にも見やすい作りとはなっていません。
まだWebサイトとして発展途上にあるのでしょう。今後サイトのデザインも整理されていくものと思われます。
このファンクラブ会員になっても何か得があるわけではありませんが、損になることも無いでしょう。林氏や彼のファンである佐藤氏を応援したいという人は、入会しても良いのではないでしょうか。
「株の公式」など本を多数出版
林則行氏は多数の本を執筆しています。主な著作は以下の通りです。
- 伝説のファンドマネージャーが教える株の公式
- 伝説のファンドマネージャーが実践する株の絶対法則
- 金(ゴールド)はこれから2倍になる
- 伝説のファンドマネジャーが教える 図解 株の暴落サインを見抜く方法
- マーケットの大波乱を利益へ : コロナ後を見据えた投資戦略
- 「銅メダル英語」をめざせ!~発想を変えれば今すぐ話せる~
- TOEIC500点でもOK!ビジネスエリートを動かす英語
有名な『株の公式』の他、金投資の入門書、コロナ後の投資戦略など、様々なテーマで投資に関するノウハウを提供しています。
その他、海外でファンドマネジャーを務めた経験を活かして、英語学習に関する書籍も執筆。
2022年には、ファンクラブの管理人である佐藤隆太郎氏との対談『投資初心者の大学生が伝説のファンドマネジャーに聞く 世界が大不況でも資産を増やせるって本当ですか?』が話題になりました。

その他、共著やジム・ロジャーズ氏の著作の翻訳なども行っており、林氏が関わっている本は非常に多いです。
投資部に関しては怪しい点があるためオススメ出来ませんが、林氏の本に関しては多くの人に評価されており、信頼性の置けるものだと思います。
林氏の投資の考え方を知りたい人は、まずは彼の本を購入してみてはいかがでしょうか。
まとめ
林則行氏は海外でファンドマネジャーとして活躍していた投資家です。アブダビ投資庁を始めとして様々な金融機関に務め、世界3大投資家のジム・ロジャーズ氏などとも交流のある人物で、優れた経歴を活かして書籍の執筆や講演活動を行っています。
実力も信用もある林則行氏ですが、彼が講師を務める「投資部」に関しては、有料コンテンツの記載が無いなど怪しい点が見られます。販売会社は資格を保有しておらず、一般的な投資知識を提供するだけで、投資助言も受けられません。
林則行氏自身には怪しい点は特に見られませんが、投資部の運営体制に疑問点があるのも確かです。幸い、林氏は本やセミナーなど多方面で活動しているので、まずはアクセスしやすいコンテンツから利用してみた方が良いでしょう。
『』の口コミ
口コミ一覧